三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)2027年3月期第1四半期決算を分析|純利益48.2%増、利ざや拡大で今後の業績と売買判断

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2026年8月3日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。

経常収益は3兆9075億円で前年同期比20.1%増、経常利益は1兆1179億円で57.8%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は8094億円で48.2%増となりました。

非常に強い決算です。

株式売却益や持分法投資利益の増加も寄与していますが、連結業務粗利益は27.8%増、連結業務純益も大幅に増加しています。国内の預貸金利回差も0.89%から1.14%へ拡大しており、金利上昇メリットが本業利益として明確に出ています。

私は今回を、特殊要因だけではなく銀行本業そのものが大きく伸びた好決算と評価します。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
経常収益★★★★★3兆9075億円、20.1%増
経常利益★★★★★1兆1179億円、57.8%増
純利益★★★★★8094億円、48.2%増
本業収益力★★★★★連結業務粗利益1.74兆円、約27.8%増
資金利益★★★★★8824億円、約27.7%増
預貸金利ざや★★★★★0.89%→1.14%へ拡大
セグメント★★★★★主要顧客部門すべて営業純益増加
通期目標★★★★★純利益2.7兆円目標を維持
進捗率★★★★★純利益目標の約30.0%を1Qで達成
ROE★★★★★10.78%→14.40%
特殊要因★★★★☆株式売却・持分法利益も寄与するが本業も強い
与信費用★★★☆☆与信関係費用は前年より増加
財務★★★★☆純資産24.18兆円、自己資本増加
CF★★★☆☆第1四半期CF計算書は未作成
株主還元★★★★★年間86円→96円へ増配
キャピタルゲイン期待★★★★★利ざや拡大・ROE上昇・増配が揃う

売買判断

保有 ★★★★★

追加買い ★★★★☆

売却 ★☆☆☆☆

私は三菱UFJフィナンシャル・グループの保有を継続します。

今回の純利益48.2%増だけでなく、資金利益、役務利益、業務純益、ROE、預貸金利ざやがすべて改善しています。

キャピタルゲインという面でもかなり強い内容です。

追加買いも前向きですが、株価が決算を受けて急騰する場面では追わず、押し目で増やしたいと考えます。

金利上昇メリットが本業に直結

今回最も評価したいのは資金利益です。

連結資金利益は前年6908億円から8824億円へ約1916億円増加しました。貸出金利息も9682億円から1兆1390億円へ伸びています。

三菱UFJ銀行と信託銀行を合算した国内貸出金利回は1.06%から1.45%へ上昇しました。

預金等利回も0.17%から0.30%へ上がっていますが、貸出金利回の上昇幅の方が大きく、預貸金利回差は0.89%から1.14%へ拡大しています。

つまり、

貸出金利上昇 > 預金金利上昇

となっており、金利正常化が利益拡大へ直結しています。

本業利益も大幅増加

連結業務粗利益は前年1兆3584億円から1兆7361億円へ約27.8%増加しました。

資金利益だけでなく、役務取引等利益も4616億円から5582億円へ増えています。

連結業務純益は5564億円から8149億円へ約46%増加しました。

ここが重要です。

株式売却益などを除いても、銀行としての通常業務そのものが大きく伸びています。

そのため私は今回の57.8%経常増益を、単なる特殊利益による好決算とは見ません。

主要事業がほぼ全面的に増益

セグメント別営業純益を見ると、

リテール・デジタル 約28%増
法人・ウェルスマネジメント 約53%増
コーポレートバンキング 約37%増
グローバルCIB 約65%増
市場事業 約84%増

となっています。

特にコーポレートバンキング、グローバルCIB、市場部門の利益成長が強いです。

特定の一事業だけではなく、国内法人・海外金融・市場取引まで幅広く伸びていることは非常に評価できます。

特殊要因を除いても強い

一方、経常利益57.8%増には本業以外のプラスもあります。

株式等関係損益は303億円から989億円へ約686億円増加しました。

持分法による投資損益も1579億円から2616億円へ約1036億円増えています。

このため、経常利益57.8%増をすべて金利上昇による本業成長と考えるのは強すぎます。

ただし本業を示す連結業務純益も約46%増えています。

私は今回を、

特殊要因もプラスだが、それを除いても十分に★★★★★級

と判断します。

唯一少し注意したいのは与信費用

与信関係費用総額は前年469億円から721億円へ増加しました。

個別貸倒引当金や貸出金償却などの信用コストが増えています。

現時点では1兆円を超える経常利益を大きく崩す水準ではありませんが、金利上昇によって企業の資金繰り負担が強まる可能性もあります。

次回以降は利益だけではなく、与信費用がさらに拡大しないかも確認します。

通期純利益2.7兆円への進捗は30%

会社は2027年3月期の親会社株主帰属利益を2兆7000億円と目標にしています。

第1四半期の純利益は8094億円ですので、進捗率は約30.0%です。

単純な四半期25%をかなり上回っています。

しかもROEは前年同期10.78%から14.40%まで上昇しました。

利益額だけでなく資本効率まで改善しています。

現時点では2.7兆円目標に対してかなり良いスタートです。

貸出残高より利ざや改善が利益を押し上げる

銀行・信託の2行合算貸出金残高は3月末121兆3878億円から6月末121兆5170億円と、ほぼ横ばいです。

つまり今回の利益急増は、貸出残高を大幅に増やしたことが主因ではありません。

既存の巨大な貸出残高から得られる利ざやが拡大したことの効果が大きいということです。

今後さらに貸出金利が上昇し、預金金利の上昇を上回れば、資金利益にはまだ伸びる余地があります。

年間配当は96円へ増配

2027年3月期の配当予想は中間48円、期末48円、年間96円です。

前期86円から10円増配となります。

利益成長に加えてROEも上昇し、配当も増えているため、キャピタルゲインを狙いながら保有しやすい状態です。

EPSも47.55円から71.77円へ大きく上昇しました。

私ならどう売買するか

私は三菱UFJフィナンシャル・グループを保有継続します。

今回特に評価するのは純利益48%増そのものではなく、

資金利益約28%増

連結業務純益約46%増

預貸金利回差1.14%へ拡大

ROE14.4%

という本業の改善です。

年間96円への増配もあります。

私は現在の保有分を維持し、大きく調整する場面では追加買いを検討します。

次の決算で見るポイント

最重要は預貸金利回差です。

現在1.14%まで上昇していますので、さらに拡大するかを見ます。

次に資金利益、連結業務純益、ROE、純利益2.7兆円への進捗を確認します。

一方で与信関係費用が721億円からさらに増えていないかも重要です。

売却を考える条件

私が売却を考えるのは、預貸金利ざやが縮小し、資金利益まで減少へ転じた場合です。

また、景気悪化によって与信費用が急増し、本業利益の成長を打ち消すようになった場合も評価を見直します。

通期純利益2.7兆円の達成が難しくなり、増配姿勢まで後退する場合も保有比率を下げることを考えます。

今回の私の結論

今回の三菱UFJフィナンシャル・グループの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。

経常収益20.1%増、経常利益57.8%増、純利益48.2%増。

株式売却益や持分法利益の増加もありますが、それ以上に重要なのは、本業の連結業務純益が大幅に増え、預貸金利回差が0.89%から1.14%へ拡大したことです。

ROEも14.40%へ上昇し、純利益2.7兆円目標への進捗は約30%。年間配当も86円から96円へ増配します。

そのため今回の総合評価は★★★★★です。

私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。

キャピタルゲインという視点で次に見るべきなのは、単純な銀行株の金利上昇期待ではありません。

実際の利ざや拡大を資金利益とROEのさらなる上昇につなげ、2.7兆円の利益目標を上回れるか。

ここが次の焦点です。

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