NTT(9432)が2026年8月6日に発表した2026年度第1四半期決算を分析します。
営業収益は3兆6177億円で前年同期比10.9%増、営業利益4251億円で4.9%増、税引前利益4214億円で7.6%増、当社に帰属する四半期利益は2748億円で5.8%増となりました。
大幅増益ではありませんが、前年の営業減益から増益へ戻り、主要4セグメントすべてで増収・増益となっています。
一方、営業収益10.9%増に対して営業利益は4.9%増ですので、利益率はやや低下しています。私は今回を、安定感のある良い決算ですが、キャピタルゲインを強く狙うには利益成長の加速がもう少し欲しい内容と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 営業収益 | ★★★★★ | 3.62兆円、10.9%増 |
| 営業利益 | ★★★★☆ | 4251億円、4.9%増 |
| 利益率 | ★★★☆☆ | 営業利益率約12.4%→11.8% |
| 総合ICT | ★★★★☆ | 8.5%増収、2.7%増益 |
| グローバル・ソリューション | ★★★★★ | 15.8%増収、9.9%増益 |
| 地域通信 | ★★★☆☆ | 0.8%増収、0.6%増益 |
| その他 | ★★★★★ | 14.6%増収、29.3%増益 |
| 通期予想 | ★★★★☆ | 営業利益1.71兆円、0.2%増を据え置き |
| 進捗率 | ★★★★☆ | 営業利益24.9%、純利益28.0% |
| 特殊要因 | ★★★★☆ | 巨額の一時利益に頼らない増益 |
| CF | ★★★★☆ | 営業CF5745億円、前年より増加 |
| 財務 | ★★★☆☆ | 株主資本比率20.8%、借入債務は増加 |
| 株主還元 | ★★★★☆ | 年間5.30円→5.40円へ増配 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★☆☆ | 安定性は高いが利益成長率はまだ低い |
売買判断
保有 ★★★★☆
新規買い ★★★☆☆
売却 ★☆☆☆☆
私はNTTの保有を継続します。
営業利益、純利益とも増益へ戻り、グローバル・ソリューション事業も約10%増益です。年間配当も5.40円へ増配予定で、今回売却を考える内容ではありません。
ただしキャピタルゲイン目的では、営業利益4.9%増はやや物足りません。追加買いを急ぐより、利益成長がさらに加速するかを確認したいです。
売上10.9%増でも営業利益は4.9%増
営業収益は3兆2620億円から3兆6177億円へ増加しました。
一方、営業費用も2兆8568億円から3兆1926億円へ11.8%増えています。人件費が約722億円増、経費が約2415億円増えたことが大きく、営業利益の伸びを抑えました。
その結果、営業利益率は約12.4%から約11.8%へ低下しています。
売上成長は十分ですが、今後はこの増収をどこまで利益成長につなげられるかが重要です。
グローバル・ソリューションが成長を牽引
グローバル・ソリューション事業は営業収益1兆2789億円で約15.8%増、セグメント利益635億円で約9.9%増となりました。
総合ICT事業も営業収益1兆6170億円、セグメント利益2462億円で増収増益です。
一方、地域通信事業は営業収益7636億円、利益985億円でほぼ横ばいでした。
今後のNTT全体の成長率を高めるには、国内通信だけではなく、グローバルIT・データセンター・法人向けソリューションなどの成長が重要になります。
特殊利益に頼らない増益
今回、持分法投資損益は前年122億円から235億円へ増加していますが、営業利益自体も199億円増えています。
資産売却益などによって最終利益だけが大きく増えた決算ではありません。
純利益5.8%増は比較的素直に評価できます。
EPSも3.14円から3.38円へ増加しており、一株当たり利益も改善しています。
通期営業利益1.71兆円への進捗は24.9%
通期予想は変更されていません。
営業収益 15兆600億円
営業利益 1兆7100億円
税引前利益 1兆5000億円
当社帰属利益 9800億円
を計画しています。
第1四半期の進捗率は、
営業収益 約24.0%
営業利益 約24.9%
税引前利益 約28.1%
純利益 約28.0%
です。
営業利益はほぼ25%ですので順調です。純利益は28%まで進んでいます。
ただし通期営業利益計画そのものが前期比0.2%増と低成長です。キャピタルゲインを考えるなら、今後の上方修正や利益成長率の上昇が欲しいところです。
CFは悪くない
営業CFは前年5263億円から5745億円へ増加しました。
投資CFは6734億円のマイナスですので、単純計算では約989億円のマイナスとなります。
設備・無形資産・投資不動産の取得に6303億円を使っており、NTTは引き続き大規模な投資を行っています。
一方、現金及び現金同等物は1兆9219億円から2兆3874億円へ増えています。
成長投資を続けながら営業CFも増えているため、現時点では大きな問題とは考えません。
財務と配当
総資産は47兆4597億円、株主資本は9兆8581億円、株主資本比率は20.8%で前期末と同水準です。
短期借入債務は増えていますが、長期借入債務は減少しています。
年間配当は前期5.30円から今期5.40円へ増配予定です。
増配幅は小さいものの、安定的な株主還元を続けている点はNTTの強みです。
私ならどう売買するか
私はNTTをそのまま保有します。
今回の決算は営業利益4.9%増、純利益5.8%増と安定しています。グローバル・ソリューション事業も成長しており、配当も増配です。
ただし私がキャピタルゲインを狙って追加買いするなら、営業利益が一桁前半の伸びでは少し弱いです。
今は保有を続け、第2四半期で営業利益の伸びがさらに強くなるかを確認します。
次の決算で見るポイント
最重要は営業利益率です。今回11.8%まで低下したため、増収を利益増加につなげられるかを見ます。
次にグローバル・ソリューション事業の二桁成長、総合ICT事業の利益成長、通期営業利益1兆7100億円への進捗を確認します。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、営業収益が伸びても営業利益が減少し、利益率低下が続く場合です。
またグローバル・ソリューションなど成長事業が失速し、通期業績が下方修正される場合も評価を下げます。
逆に利益成長率が高まり、増配も続くなら保有を継続します。
今回の私の結論
今回のNTTの第1四半期決算は、安定した増収増益決算です。
営業収益10.9%増、営業利益4.9%増、純利益5.8%増。主要セグメントもすべて増益となりました。
一方、営業利益率は約12.4%から11.8%へ低下し、通期営業利益も0.2%増の計画です。
そのため今回の総合評価は★★★★☆です。
私は保有を継続しますが、追加買いは利益成長の加速を確認してからにします。
キャピタルゲインという視点では、配当の安定だけではなく、グローバル・ソリューションやICTの成長によってNTT全体の営業利益成長率をどこまで高められるかが次の焦点です。
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