山形銀行(8344)が2026年8月3日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
経常収益は207億5300万円で前年同期比47.4%増、経常利益36億円で66.2%増、純利益26億5200万円で65.3%増となりました。
単体のコア業務純益も26億5900万円となり、前年同期の20億9900万円から26.7%増加しています。
貸出金利息の増加に加え、株式等売却益が大きく伸びたことも利益を押し上げました。
私は今回を、金利上昇による本業改善に貸出成長が加わり、株式売却益も追い風となったかなり強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 経常収益 | ★★★★★ | 207.53億円、47.4%増 |
| 経常利益 | ★★★★★ | 36.00億円、66.2%増 |
| 純利益 | ★★★★★ | 26.52億円、65.3%増 |
| コア業務純益 | ★★★★★ | 単体26.59億円、26.7%増 |
| 資金利益 | ★★★★★ | 単体82.71億円、15.9%増 |
| 貸出金利息 | ★★★★★ | 連結73.79億円、24.4%増 |
| 株式等関係損益 | ★★★★☆ | 単体57.84億円、利益を大きく押し上げ |
| 貸出金残高 | ★★★★★ | 単体で前年同期比1033億円増 |
| 預金残高 | ★★★★★ | 前年同期比819億円増 |
| 不良債権 | ★★★★☆ | 0.93%→0.97%だが低水準 |
| 上期進捗 | ★★★★★ | 連結純利益75.8% |
| 通期予想 | ★★★★☆ | 純利益75億円、14.9%増 |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年84円→98円へ増配 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 本業改善+高い利益進捗を評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私は山形銀行を保有継続します。
純利益65.3%増という大幅増益に加え、本業を示すコア業務純益も26.7%増えています。
貸出金残高も前年同期比で1000億円以上増えており、金利上昇だけに頼った増益ではありません。
追加買いも前向きに考えます。
コア業務純益26.7%増
単体のコア業務純益は、
前年 20億9900万円
今回 26億5900万円
となり、5億5900万円増加しました。
増加率は約26.7%です。
コア業務粗利益も74億2500万円から89億9900万円へ増えています。
資金利益は71億3800万円から82億7100万円へ15.9%増、役務取引等利益も6億5100万円から9億6400万円へ増加しました。
経費は増えていますが、それ以上に本業収益が伸びています。
銀行本来の稼ぐ力が明確に改善している決算です。
貸出金利息は24%増
連結の貸出金利息は、
59億3300万円 → 73億7900万円
となり、約24.4%増加しました。
有価証券利息配当金も24億4600万円から30億円へ増えています。
一方、預金利息は15億1300万円から23億3500万円へ増加しました。
金利上昇によって預金コストも増えていますが、それ以上に貸出金などから得られる収益が増えています。
金利正常化の恩恵を収益へ取り込めていると評価します。
貸出金が前年同期比1033億円増
単体の貸出金残高は2兆1376億円となりました。
前年6月末の2兆343億円から1033億円増加しています。
内訳を見ると、
事業性貸出 487億円増
個人向け貸出 159億円増
住宅ローン 120億円増
国・地方公共団体向け 385億円増
となっています。
事業性・個人・公共のすべてが増加しています。
地方銀行では金利上昇だけでなく、貸出数量を増やせるかも重要です。
山形銀行は今回、
貸出残高増加+貸出金利息増加
を同時に実現しています。
ここはかなり評価できます。
株式売却益の寄与はかなり大きい
今回の大幅増益には株式売却益の増加も寄与しています。
単体の株式等関係損益は、
前年 11億2600万円
今回 57億8400万円
となりました。
前年差は46億5800万円です。
したがって経常利益66%増をすべて本業成長と見るのは適切ではありません。
ただし株式売却益を除いたコア業務純益も26.7%増えています。
そのため今回を単なる一過性利益による好決算とは見ません。
債券損失は注意
一方で注意したいのが債券です。
単体の債券関係損益は前年13億1700万円の赤字から46億2600万円の赤字へ悪化しています。
その他有価証券の評価損益も83億3600万円の赤字です。
全体の評価損は前年同期の211億300万円の赤字から改善していますが、債券部分だけを見ると274億3800万円の評価損となっています。
つまり、
貸出・資金利益は改善
株式関連は大幅プラス
債券は大きなマイナス
という状態です。
今後も金利上昇が続く場合、債券ポートフォリオの管理は重要な確認ポイントです。
上期純利益への進捗は75.8%
連結の上期予想は、
経常収益 322億円
経常利益 56億円
純利益 35億円
です。
第1四半期の進捗率は、
経常利益 約64.3%
純利益 約75.8%
となっています。
単体では上期純利益35億円に対する進捗率が83.8%です。
第1四半期としてはかなり高い進捗です。
会社は業績予想を据え置いていますが、現在の進捗を見る限り、今後の上方修正余地は意識できます。
ただし株式売却益の寄与が大きいため、単純に第1四半期を4倍して考えるのは避けます。
通期純利益75億円への進捗は35%
通期予想は、
経常収益 651億円
経常利益 121億円
純利益 75億円
です。
第1四半期の進捗率は、
経常収益 約31.9%
経常利益 約29.8%
純利益 約35.4%
となっています。
利益進捗は25%を大きく上回っています。
通期でも経常利益33.7%増、純利益14.9%増を計画しており、今のところ順調なスタートです。
預金・預かり資産も拡大
単体の預金・譲渡性預金残高は3兆257億円となり、前年同期比819億円増加しました。
法人預金は402億円増、個人預金も386億円増えています。
預かり金融資産も3500億円から4020億円へ519億円増加しました。
特に投資信託は967億9700万円から1319億800万円へ351億円増えています。
貸出だけでなく資産運用関連ビジネスも拡大していることは、今後の手数料収益成長につながります。
不良債権比率は0.97%
金融再生法開示債権は212億9300万円となり、前年同期から18億7000万円増加しました。
不良債権比率も、
0.93% → 0.97%
へ0.04ポイント上昇しています。
ただし1%を下回っており、会社も引き続き良好な水準としています。
貸出金を1000億円以上増やしていることを考えれば、現時点で大きな懸念とは見ません。
ただし与信関係費用は前年400万円から8600万円へ増えているため、今後も確認します。
配当は84円から98円へ増配
2027年3月期の年間配当予想は98円です。
前期84円から14円増、約16.7%の増配となります。
中間49円、期末49円を予定しています。
利益成長とともに株主還元も強化されている点は、保有継続材料として評価できます。
私ならどう売買するか
私は現在の保有分を維持します。
今回評価しているのは、
経常利益66.2%増
純利益65.3%増
コア業務純益26.7%増
資金利益15.9%増
貸出金利息24.4%増
貸出金残高1033億円増
上期純利益進捗75.8%
年間配当84円→98円
です。
一方で、株式売却益への依存と債券損失の大きさには注意します。
それでも本業そのものが二桁成長しているため、現時点では強気で保有します。
今回の私の結論
今回の山形銀行の第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
経常利益66.2%増、純利益65.3%増となりました。
株式売却益の大幅増加が利益を押し上げていますが、本業のコア業務純益も26.7%増えています。
さらに貸出金残高は前年同期比1033億円増え、貸出金利息も24%以上増加しました。
上期純利益予想への進捗も75.8%と高く、年間配当は84円から98円へ増配予定です。
一方、債券関係損失は拡大しているため、ここは今後の注意点です。
そのため今回の総合評価は★★★★★とします。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点では、
貸出残高と資金利益の成長を続けながら、株式売却益に頼らない利益成長を実現し、債券損失をどこまで抑えられるか。
ここが次の焦点です。
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