プロクレアホールディングス(7384)が2026年8月5日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
経常収益は256億3800万円で前年同期比18.9%増、経常利益42億3700万円で9.1%増、純利益29億8800万円で10.5%増となりました。
さらに主力の青森みちのく銀行では、コア業務純益が46億6200万円となり、前年同期の26億8300万円から約74%増加しています。
私は今回を、金利上昇による資金利益拡大が本業利益へしっかりつながった、かなり強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 経常収益 | ★★★★★ | 256.38億円、18.9%増 |
| 経常利益 | ★★★★☆ | 42.37億円、9.1%増 |
| 純利益 | ★★★★★ | 29.88億円、10.5%増 |
| コア業務純益 | ★★★★★ | 46.62億円、約73.8%増 |
| 資金利益 | ★★★★★ | 144.52億円、約13.7%増 |
| 貸出金利息 | ★★★★★ | 120.57億円、約18.6%増 |
| 国債等債券損益 | ★★☆☆☆ | 23.05億円の損失 |
| 貸出金残高 | ★★★☆☆ | 3月末比386億円減 |
| 預金残高 | ★★★★★ | 3月末比1420億円増 |
| 通期予想 | ★★★★★ | 純利益70億円、85.0%増 |
| 進捗率 | ★★★★★ | 通期純利益42.7% |
| 財務健全性 | ★★★★☆ | 連結自己資本比率9.14%へ改善 |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年50円→100円へ倍増予定 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 本業改善+大幅増配を高評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はプロクレアHDを保有継続します。
今回特に評価するのは純利益10.5%増そのものではなく、青森みちのく銀行のコア業務純益が約74%増えていることです。
さらに第1四半期の純利益29億8800万円は、会社の第2四半期累計予想29億円をすでに上回っています。
追加買いも前向きに考えます。
金利上昇で貸出金利息が大きく増加
青森みちのく銀行の資金運用収益は139億9700万円から171億4000万円へ増加しました。
そのうち貸出金利息は101億6600万円から120億5700万円へ約18.6%増、有価証券利息配当金も17億9700万円から23億8600万円へ増えています。
一方、預金利息も19億8000万円から33億円へ増加しました。
預金金利上昇によるコスト増はありますが、それを貸出金・有価証券からの収益増が上回っています。
その結果、資金利益は127億1600万円から144億5200万円へ増加しました。
金利正常化のメリットが本格的に利益へ表れていることが今回最大のポイントです。
コア業務純益は約74%増
青森みちのく銀行のコア業務純益は46億6200万円となりました。
前年同期は26億8300万円でしたので、約19億7900万円、約73.8%増です。
会社も、資金利益の増加と経費減少が主因と説明しています。
営業経費も100億3300万円から97億9000万円へ減少しました。
銀行株では最終利益以上に、本業の基礎収益力を示すコア業務純益が重要です。
私は今回の決算で最も評価したい数字だと考えます。
国債等債券損失は大きい
一方、注意点は債券です。
国債等債券損益は23億500万円のマイナスとなりました。
前年の5100万円のマイナスから損失が大幅に拡大しています。
金利上昇局面では貸出利ざやが改善する一方、保有債券価格が下落するため、このような損失が発生します。
そのため今回は、
本業の資金利益は大幅改善
債券関連損益は大幅悪化
という構造です。
それでも経常利益が9.1%増えているため、本業改善の強さが上回ったと評価できます。
株式売却益も利益を押し上げ
株式等関係損益は前年11億1100万円から22億600万円へ増加しました。
これも経常利益を押し上げています。
したがって経常利益9.1%増をすべて本業成長と見るのは適切ではありません。
ただし、株式売却益を除いてもコア業務純益が大幅増益です。
今回の決算は一時的な利益だけで良く見えているわけではありません。
第1四半期だけで上期純利益予想を超過
通期予想は、
経常利益 113億円
純利益 70億円
です。
第1四半期の進捗率は、
経常利益 約37.5%
純利益 約42.7%
となっています。
さらに第2四半期累計予想は、
経常利益 52億円
純利益 29億円
です。
第1四半期だけで純利益29億8800万円となっており、すでに上期予想を上回っています。
それでも会社は業績予想を据え置きました。
理由として、今後の与信費用の変動などを考慮しています。
私は現時点で、上方修正余地を十分意識できる進捗と見ます。
与信費用も減少
青森みちのく銀行の与信費用は前年3億4700万円から1億4900万円へ減少しました。
個別貸倒引当金繰入額などが減っています。
銀行株では金利収益が増えても、貸倒費用が急増すると利益が消えてしまいます。
今回については、資金利益増加と同時に与信費用も減少しているため良い組み合わせです。
ただし会社が業績予想を据え置いた理由でもあるため、今後の信用コストは引き続き確認します。
貸出金減少は少し気になる
青森みちのく銀行の貸出金残高は3兆4990億円で、3月末から386億円減少しました。
内訳を見ると、
事業性貸出 206億円減
公共貸出 16億円減
個人ローン 163億円減
住宅ローン 14億円減
となっています。
一方、総預金残高は5兆4673億円で、3月末から1420億円増加しました。
預金基盤が大きく増えているのは良いですが、今後はこの資金を貸出など高収益資産へ振り向けられるかが重要です。
自己資本比率も改善
プロクレアHDの国内基準自己資本比率は8.83%から9.14%へ上昇しました。
自己資本額も1648億4700万円から1681億1200万円へ増加しています。
決算短信表面の自己資本比率2.8%は一般企業型の計算方法であり、銀行を見る際には国内基準の自己資本比率9.14%の方を重視します。
財務健全性は改善方向です。
配当は50円から100円へ
2027年3月期の年間配当予想は100円です。
前期は年間50円でしたので、倍増となります。
中間50円、期末50円を予定しています。
通期純利益も85%増を見込んでおり、利益成長を株主還元へ反映している点はかなり評価できます。
私ならどう売買するか
私は現在の保有を維持します。
今回評価しているのは、
コア業務純益約74%増
貸出金利息約18.6%増
資金利益約13.7%増
与信費用減少
第1四半期だけで上期純利益予想を超過
年間配当50円→100円
です。
国債等債券損失と貸出金残高の減少は注意しますが、現時点では本業改善の方がかなり強いと判断します。
今回の私の結論
今回のプロクレアHDの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
経常利益9.1%増、純利益10.5%増となりました。
それ以上に重要なのが、青森みちのく銀行のコア業務純益が約74%増えたことです。
金利上昇によって貸出金利息と資金利益が大きく伸び、与信費用も減少しています。
国債等債券損失は拡大しましたが、それを吸収して増益を確保しました。
さらに第1四半期純利益だけで上期予想を超え、年間配当も50円から100円へ倍増予定です。
そのため今回の総合評価は★★★★★とします。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点では、
金利上昇による資金利益拡大を続けながら、債券損失を抑え、増加した預金を貸出成長へつなげられるか。
ここが次の焦点です。
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