広島ガス(9535)が2026年8月7日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は223億5300万円で前年同期比4.1%増、営業利益7億400万円で22.6%減、経常利益7億1800万円で27.4%減、純利益3億8400万円で32.9%減となりました。
LNG販売収益や都市ガス販売量は増えましたが、原料価格の上昇が販売価格へ反映されるまでのタイムラグによって主力のガス事業が大幅減益となっています。
私は今回を、販売数量は悪くないものの、原料価格上昇によるタイムラグ影響で一時的に利益が落ち込んだ決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★☆ | 223.53億円、4.1%増 |
| 営業利益 | ★★☆☆☆ | 7.04億円、22.6%減 |
| 営業利益率 | ★★☆☆☆ | 約4.2%→3.2%へ低下 |
| ガス事業 | ★★☆☆☆ | 3.0%増収、70.2%減益 |
| 都市ガス販売量 | ★★★★☆ | 2.6%増 |
| 業務用ガス | ★★★★☆ | 販売量2.8%増 |
| 卸供給等 | ★★★★★ | 販売量14.1%増 |
| LPG事業 | ★★★★☆ | 2.8%増収、6.0%増益 |
| その他事業 | ★★★★☆ | 売上44.2%増、黒字化 |
| 通期予想 | ★★★★☆ | 営業利益20億円、26.2%増を維持 |
| 進捗率 | ★★★★☆ | 営業利益35.2% |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率54.2%→57.1% |
| 株主還元 | ★★★☆☆ | 年間12円配当を維持 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★☆☆ | タイムラグ解消後の利益回復待ち |
売買判断
保有 ★★★★☆
追加買い ★★★☆☆
売却 ★★☆☆☆
私は広島ガスを保有継続します。
営業利益22.6%減は弱いですが、都市ガス販売量は増えており、需要そのものが崩れた決算ではありません。
会社も通期営業利益20億円、26.2%増の予想を維持しています。
追加買いについては、原料価格のタイムラグ影響が縮小し、営業利益が増益へ戻ることを確認してから考えます。
主力ガス事業は70.2%減益
ガス事業の売上高は166億1600万円で3.0%増となりました。
しかしセグメント利益は前年4億8700万円から1億4400万円へ70.2%減少しています。
最大の原因は、原料価格の変動がガス販売単価へ反映されるまでに時間差があることです。
第1四半期の原油価格は前年1バレル75ドルから113ドルへ上昇し、為替も1ドル145円から159円へ円安となりました。
原料調達コストが急上昇した一方、販売価格への反映が遅れたことで利益が圧迫されました。
つまり今回の大幅減益は、販売不振というより原料費と販売価格の時間差による影響が大きいです。
ガス販売数量自体は悪くない
都市ガス販売量は前年同期比2.6%増の1億400万立方メートルとなりました。
内訳は、
家庭用 4.3%減
業務用 2.8%増
卸供給等 14.1%増
です。
家庭用は気温・水温上昇の影響もあり減少しましたが、大口を中心とした業務用や卸供給が伸びています。
電力販売量も48.8%増となりました。
そのため私は、今回の利益減少を需要低迷による構造的な悪化とは見ていません。
LPG事業は増収増益
LPG事業は売上52億6700万円で2.8%増、セグメント利益4億6700万円で6.0%増となりました。
主力ガス事業が大幅減益となる中、LPGが利益を下支えしています。
その他事業も建設工事の増加などによって売上9億9400万円で44.2%増となり、前年の7400万円の赤字から4900万円の黒字へ転換しました。
ガス事業以外は比較的良い内容です。
営業利益率は低下
売上総利益は前年70億8900万円から69億9000万円へ減少しました。
売上原価が143億8300万円から153億6300万円へ6.8%増え、売上高の4.1%増を上回っています。
その結果、営業利益率は約4.2%から約3.2%へ低下しました。
原料価格上昇を販売価格へ転嫁できれば、この利益率がどこまで戻るかを次回確認します。
通期営業利益20億円への進捗は35%
通期予想は、
売上高 920億円
営業利益 20億円
経常利益 28億円
純利益 22億円
です。
第1四半期の進捗率は、
売上高 約24.3%
営業利益 約35.2%
経常利益 約25.6%
純利益 約17.5%
となっています。
営業利益の進捗だけを見ると悪くありません。
ただしガス事業は冬場の売上比重が高く、四半期ごとの季節変動が大きい会社です。
そのため単純に35%進捗だから上振れするとまでは判断しません。
会社も通期予想を据え置いています。
財務は改善
自己資本比率は54.2%から57.1%へ上昇しました。
負債は570億2000万円から505億7100万円へ約64億円減少しています。
長期借入金も178億8200万円から151億8200万円へ減少しました。
一方、現金及び預金は185億1400万円から149億7900万円へ減っています。
それでも純資産は約750億円あり、財務安全性は高いと評価します。
ロシア産LNGは引き続き確認
広島ガスはロシアからもLNGを輸入しています。
現時点では原料調達に支障はないと会社は説明しています。
ただし国際情勢による今後の影響を正確に予測することは難しいとしており、これは広島ガス固有の確認ポイントです。
原料価格だけでなく、調達そのものに変化がないかも今後確認します。
私ならどう売買するか
私は現在の保有分を維持します。
今回のマイナス材料は、
営業利益22.6%減
ガス事業70.2%減益
営業利益率3.2%へ低下
です。
一方、
都市ガス販売量2.6%増
卸供給14.1%増
LPG事業6.0%増益
自己資本比率57.1%へ改善
というプラス材料があります。
原料価格のタイムラグ要因が解消すれば利益が戻る可能性があるため、今の段階で売却する必要はないと考えます。
今回の私の結論
今回の広島ガスの第1四半期決算は、数字だけを見ると弱いですが、内容はそれほど悲観する必要のない決算です。
売上高は4.1%増となった一方、営業利益22.6%減、純利益32.9%減となりました。
ただし大幅減益の主因は、原料価格上昇が販売価格へ反映されるまでのタイムラグです。
都市ガス販売量は2.6%増え、LPG事業も増益となっています。
会社は通期で営業利益26.2%増を計画しており、予想も据え置いています。
そのため今回の総合評価は★★★☆☆とします。
私は保有を継続し、追加買いは原料価格のタイムラグ解消と営業増益への転換を確認してからにします。
キャピタルゲインという視点では、
原料費上昇を販売価格へ適切に転嫁し、販売量を維持しながらガス事業の利益率を正常化できるか。
ここが次の焦点です。
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