東映アニメーション(4816)2027年3月期第1四半期決算を分析|映像利益109.8%増、海外ドラゴンボール好調、今後の業績と売買判断

東映アニメーション(4816)が2026年7月31日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。

売上高は220億3300万円で前年同期比13.1%増、営業利益74億6500万円で13.5%増、経常利益82億4100万円で15.4%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は60億2700万円で15.3%増となりました。

今回特に強かったのは映像製作・販売事業です。売上27.9%増に対して利益は109.8%増。「ドラゴンボール」シリーズの海外配信権販売などが大きく寄与しました。一方、最大の利益源である版権事業は4.8%増収ながら4.2%減益です。

したがって今回は、全社では安定した二桁増益、映像事業は非常に強いものの、版権事業の利益率低下は確認しておきたい決算と評価します。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
売上高★★★★☆220.33億円、13.1%増
営業利益★★★★☆74.65億円、13.5%増
利益率★★★★★営業利益率約33.9%と非常に高い
映像製作・販売★★★★★売上27.9%増、利益109.8%増
版権事業★★★☆☆4.8%増収だが4.2%減益
商品販売★★★☆☆17.2%増収、利益0.9%増
海外展開★★★★★北米・欧州が大幅成長
通期予想★★★☆☆営業利益19.4%減予想を据え置き
進捗率★★★★★通期営業利益の約29.9%を1Qで達成
特殊要因★★★★☆為替差益3.11億円あり。一方、前年の有価証券売却益は今期なし
財務★★★★★自己資本比率84.5%
CF★★★☆☆第1四半期CF計算書は未作成
株主還元★★★★☆年間44円予想。中計では配当性向40%以上
キャピタルゲイン期待★★★★☆海外IP成長は強いが、通期減益計画が重し

売買判断

保有 ★★★★☆

追加買い ★★★☆☆

売却 ★☆☆☆☆

私は東映アニメーションの保有を継続します。

第1四半期は営業利益13.5%増で、特に映像製作・販売事業の利益が約2.1倍になっています。財務も非常に強く、現時点で売却する内容ではありません。

ただし追加買いは★★★☆☆です。理由は、会社が通期営業利益250億円で19.4%減益、純利益181億円で27.8%減益という慎重な計画を据え置いているためです。

私は第2四半期で、この減益予想をどこまで上回れるのかを確認してから追加したいです。

営業利益率33.9%の高収益を維持

売上高は194億8800万円から220億3300万円へ13.1%増加し、営業利益は65億7800万円から74億6500万円へ13.5%増えました。

営業利益率は前年同期約33.8%、今期約33.9%でほぼ横ばいです。

売上総利益率は約53.3%から約54.2%へ改善しましたが、販管費も38億800万円から44億8600万円へ増加しています。

大幅な利益率改善ではありませんが、売上を二桁伸ばしながら営業利益率30%台前半を維持していること自体が強みです。

映像製作・販売は利益109.8%増

映像製作・販売事業は売上高69億6700万円で27.9%増、セグメント利益23億7300万円で109.8%増となりました。

テレビアニメでは新作の放映話数が増加し、海外では「ドラゴンボール」シリーズの配信権販売が好調でした。国内でも同シリーズの配信権販売が伸びています。

この事業の利益率は前年同期約20.8%から約34.1%まで大きく上昇しています。

今回の決算で最も高く評価したい部分です。

版権事業は増収でも減益

一方、最大の利益源である版権事業は売上高123億2400万円で4.8%増、セグメント利益63億900万円で4.2%減となりました。

海外では「ワンピース」の商品化権や「デジモンアドベンチャー」シリーズのゲーム化権が好調でしたが、国内の「ワンピース」商品化権販売が前年同期ほどの勢いではありませんでした。

利益率も前年同期約56.0%から約51.2%へ低下しています。

50%を超える非常に高い利益率ではありますが、東映アニメーション全体では最重要事業なので、次回も確認したいです。

海外では北米と欧州が大きく成長

地域別売上を見ると、北米は前年43億9000万円から69億8000万円へ約59%増、欧州は23億4700万円から33億9500万円へ約45%増となっています。

国内売上は減少していますが、北米・欧州の成長がそれを補っています。

「ドラゴンボール」「ワンピース」など日本国内だけではなく世界で稼げるIPを持つことが、東映アニメーション最大の強みだと考えます。

通期は減益予想のまま

通期予想は売上高1000億円で6.8%増に対し、営業利益250億円で19.4%減、経常利益256億円で23.5%減、純利益181億円で27.8%減です。会社は今回、この予想を変更していません。

第1四半期の進捗率は、

売上高 約22.0%
営業利益 約29.9%
経常利益 約32.2%
純利益 約33.3%

です。

利益進捗はかなり良好です。

ただし上期営業利益予想139億円に対し第1四半期で74億6500万円ですので、第2四半期に必要なのは約64億3500万円です。

第1四半期より少ない利益でも上期計画を達成できます。現在のところ会社計画に対して余裕があるように見えます。

特殊要因を除いても好決算

今期は為替差益3億1100万円があり、経常利益を押し上げています。

一方、前年同期には投資有価証券売却益3億7600万円がありましたが、今期はありません。

それでも純利益は15.3%増えています。

そして何より営業利益そのものが13.5%増ですので、今回の増益は大きな一時利益で作ったものではありません。

本業を中心に評価できる決算です。

財務は非常に強い

総資産1993億5600万円に対して純資産1684億4200万円、自己資本比率84.5%です。

現金及び預金は885億9400万円、さらに長期預金313億円を保有しています。貸借対照表上、銀行借入金もありません。

非常に強い財務です。

第1四半期のCF計算書は作成されていませんが、財務余力について大きな懸念はありません。

株主還元は今後拡大余地あり

年間配当予想は44円で前期と同額です。

一方、「VISION2030」では中計期間を通じて配当性向40%以上、最終年度には総還元性向50%程度を財務KPIとしています。

財務が非常に強いため、今後は成長投資とともに株主還元の拡大も期待したいところです。

私ならどう売買するか

私は保有を継続します。

映像事業の利益109.8%増、海外売上の伸長、営業利益率33.9%という内容なら、今回売る必要はありません。

ただし追加買いは急ぎません。

通期では営業利益19.4%減を会社が予想しているため、第2四半期でも現在の利益水準を維持し、減益幅縮小や上方修正が意識できる状態になるかを確認します。

次の決算で見るポイント

最優先は版権事業です。今回4.2%減益となったため、「ワンピース」などの国内版権収益が再加速するかを見ます。

次に「ドラゴンボール」を中心とする海外映像販売、北米・欧州の成長、そして通期営業利益250億円への進捗です。

第2四半期でも利益進捗が高ければ、現在の通期19.4%減益予想がかなり慎重に見えてきます。

売却を考える条件

私が売却を考えるのは、版権事業の減益が続き、映像製作・販売事業の成長でも補えなくなった場合です。

また海外売上が減少へ転じる、営業利益率30%台を維持できなくなる、通期計画まで下方修正される場合は評価を見直します。

逆に版権事業が再び増益となり、通期減益予想の上方修正が出るなら追加買いを検討します。

今回の私の結論

今回の東映アニメーションの第1四半期決算は、安定した全社増益に加えて、映像事業の利益が2倍以上へ拡大した良い決算です。

売上高13.1%増、営業利益13.5%増、純利益15.3%増。

中でも映像製作・販売事業は利益109.8%増となり、「ドラゴンボール」の海外配信などが強く伸びました。

一方で、最大の利益源である版権事業は4.2%減益です。ここは今回の明確な注意点です。

また第1四半期の利益進捗は高いものの、会社は依然として通期営業利益19.4%減、純利益27.8%減という予想を据え置いています。

そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。

私は保有を継続します。追加買いは第2四半期を確認してからです。

キャピタルゲインを考えるうえで次の焦点は、

映像事業の高成長を維持しながら、版権事業も再び増益へ戻し、通期減益予想をどこまで上方修正できるか

です。

ここが確認できれば、評価を★★★★★へ引き上げたいと考えます。

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