セリア(2782)が2026年7月31日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は696億100万円で前年同期比15.0%増、営業利益61億6300万円で48.7%増、経常利益62億8800万円で50.7%増、四半期純利益41億9900万円で50.1%増となりました。
今回特に強いのは、直営既存店売上高が前年同期比111.6%まで伸びたうえ、売上原価率が0.4ポイント改善、販管費率も1.6ポイント低下し、営業利益率が前年の6.9%から8.9%へ上昇したことです。会社はこの好調を受け、上期・通期とも業績予想を上方修正しました。
単なる増収ではなく、既存店成長+原価改善+販管費効率化が同時に起きた、かなり質の高い決算です。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 696.01億円、15.0%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 61.63億円、48.7%増 |
| 利益率 | ★★★★★ | 営業利益率6.9%→8.9% |
| 既存店 | ★★★★★ | 直営既存店売上111.6% |
| 原価 | ★★★★★ | 売上原価率58.2%、0.4pt改善 |
| 店舗展開 | ★★★★☆ | 28店出店、7店退店、計2,155店 |
| 通期予想 | ★★★★★ | 売上・各利益を上方修正 |
| 進捗率 | ★★★★★ | 上期営業利益計画の56.5%を1Qで達成 |
| 特殊要因 | ★★★★★ | 大きな一時利益に依存せず本業が大幅増益 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率73.9% |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年間75円→80円へ増配予想 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 利益率改善と上方修正が強い材料 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はセリアの保有を継続します。
今回の内容なら売却を考える必要はありません。特に営業利益48.7%増が、一時利益ではなく本業の利益率改善によって生まれている点を高く評価します。
追加買いも前向きです。ただし第1四半期がかなり強かったため、この利益率が一時的ではないことを第2四半期でも確認しながら増やしたいです。
既存店111.6%が今回の最大のポイント
第1四半期の直営既存店売上高は前年同期比111.6%となり、会社の期初想定を上回りました。
店舗数も直営店28店を出店、7店を退店し、直営2,122店、FC33店の合計2,155店となっています。
新規出店によって売上を増やしただけではなく、既存店舗だけでも11.6%成長していることが非常に重要です。
物価高で消費者の節約志向が強まる中、100円ショップという業態自体が支持されていることに加え、セリアの商品力も売上へ表れていると考えます。
利益率改善がかなり強い
売上総利益は250億4100万円から290億7300万円へ増加しました。
売上総利益率は約41.4%から約41.8%へ改善しています。販管費は209億円から229億1000万円へ増えていますが、売上増加率を下回ったため、営業利益率は約6.9%から約8.9%へ約2ポイント上昇しました。
会社は、低原価商品の売上が順調だったことで原価率が改善し、既存店売上増加によって販管費率も低下したと説明しています。
今回の48.7%増益は、
売上数量を増やしただけではなく、売れば売るほど利益が残りやすくなった
という点が非常に良いです。
特殊要因を除いても本業は強い
営業外収益として受取補償金9500万円がありますが、営業利益61億6300万円に対して影響は小さいです。
特別損失も減損損失5600万円のみで、四半期純利益41億9900万円も大きな資産売却益などによって作られたものではありません。
したがって今回については、営業利益48.7%増をほぼそのまま本業の改善として評価できます。
これはかなり質の高い増益です。
通期業績を上方修正
好調な既存店売上と利益率改善を受け、会社は業績予想を上方修正しました。
通期予想は、
売上高 2736億円 → 2761億円
営業利益 211億円 → 221億円
経常利益 214億円 → 224億円
純利益 148億円 → 154億円
へ引き上げられています。
それでも通期営業利益は前期比5.4%増の予想です。
第1四半期が48.7%増益だったことを考えると、会社予想はかなり慎重に見えます。
上期営業利益の56.5%を1Qで達成
修正後の上期営業利益予想は109億円です。
第1四半期ですでに61億6300万円ですので、進捗率は約56.5%です。
経常利益は約56.6%、純利益も約57.5%まで進んでいます。
通期営業利益221億円に対しても約27.9%です。
第1四半期終了時点で25%を上回り、しかもすでに会社自身が上方修正しています。
現時点では、通期計画達成に対してかなり良いスタートだと考えます。
財務は非常に強い
総資産1280億4700万円に対して純資産945億7700万円、自己資本比率は72.1%から73.9%へ上昇しました。
現金及び預金は385億6900万円、有価証券も30億円あります。貸借対照表には通常の銀行借入金は計上されておらず、財務余力は非常に大きいです。
店舗展開を進めながらこれだけ高い自己資本比率を維持できている点は、長期保有でも安心材料です。
第1四半期の設備投資は14億1700万円で、主に出店に伴う建物取得10億9000万円などです。
なお、第1四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
配当は80円へ増配
今期の年間配当予想は中間40円、期末40円の年間80円です。
前期の75円から5円増配となります。
また1株当たり四半期純利益は37.18円から67.01円へ大きく増えています。純利益の50.1%増以上にEPSが伸びている背景には、期中平均株式数が前年約7524万株から約6267万株へ減少していることがあります。
キャピタルゲインを狙ううえでも、一株当たり利益の伸びは重要です。
私ならどう売買するか
私はセリアの保有を継続します。
既存店111.6%、営業利益48.7%増、営業利益率8.9%、そして通期予想上方修正という内容なら、現在売却する理由はありません。
追加買いも考えます。
ただし第1四半期が非常に強いため、私は一気に増やすのではなく、第2四半期でも既存店105%以上、営業利益率8%台を維持できるかを確認しながら買います。
次の決算で見るポイント
最優先は既存店売上です。今回111.6%という非常に高い水準でしたので、この勢いが続くかを見ます。
次に売上原価率58.2%と営業利益率8.9%です。原材料調達コストが高止まりする中でも、低原価商品の販売や商品仕様見直しによって利益率を維持できるかが重要です。
そして修正後の通期営業利益221億円に対して、さらに上振れ余地が出てくるかを確認します。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、既存店売上が100%を割り込み、同時に営業利益率も低下する場合です。
また、原価上昇を商品仕様変更などで吸収できず、売上が伸びても利益が減る状態へ変わった場合は警戒します。
逆に既存店成長と利益率改善が続き、再度の上方修正が見えてくるなら、私は保有継続だけでなく追加買いを考えます。
今回の私の結論
今回のセリアの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
売上高15.0%増に対して営業利益48.7%増。
既存店売上111.6%。
営業利益率は6.9%から8.9%へ改善しました。
しかも大きな一時利益に頼った増益ではなく、低原価商品の販売、既存店成長、販管費効率化という本業改善によるものです。
さらに会社は早くも通期営業利益予想を211億円から221億円へ上方修正しました。
私は今回を**★★★★★**と評価します。
保有は継続し、押し目では追加買いを検討します。
次の焦点は、今回の営業利益率8.9%が新しい収益水準として定着するかです。
既存店の高成長と利益率改善が第2四半期でも続けば、今回上方修正した221億円をさらに上回る可能性も意識したい決算です。
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