情報・通信業の今後を予想|AI・DXが成長を加速する一方、淘汰される企業も

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情報・通信業の今後はどうなる?

情報・通信業について、私は今後3~5年を「強気」と見ています。今回取り上げる業種の中でも、成長余地が大きい業種の一つです。

理由は、AI、クラウド、DX、サイバーセキュリティ、データセンターなど、今後も企業や政府の投資が続きそうなテーマが集中しているためです。

IPAが2026年7月に公表した「DX動向2026」でも、日本企業へのAI導入が広がっていることが確認されています。ただし、現時点では業務効率化・迅速化への利用が中心で、AIによる新規事業や企業変革まで進んでいる企業はまだ限られています。 

これは逆に考えると、AI投資が一巡したということではありません。これから「試しにAIを使う段階」から「会社の業務システムにAIを組み込む段階」へ進む可能性があります。

私は情報・通信業の本格的な成長は、むしろこれからだと考えています。

最大の成長テーマはAI

今後の情報・通信業を考えるうえで、最も大きなテーマはやはりAIです。

AIというと半導体メーカーが注目されやすいのですが、実際に企業がAIを利用するためには、システム構築、クラウド、データセンター、ネットワーク、セキュリティ、業務ソフトなどが必要になります。

つまりAI市場が拡大すると、その周辺にある情報・通信企業にも需要が広がります。

経済産業省も、生成AIの普及による計算需要増加に対応するため、半導体、データセンター、AIソフトウェアを一体的に育成する政策を進めています。また2026年にはデータセンター集積型のGX戦略地域候補として北海道、宮城県、福岡県など9地域が選定されています。 

AIは一時的なテーマというより、電力、通信、クラウドまで巻き込んだ大型設備投資テーマになってきています。

DX需要もまだ終わっていない

「DX」という言葉は以前から使われているため、すでに成熟したテーマに見えるかもしれません。しかし日本企業には古い基幹システムが数多く残っています。

会計、人事、生産管理、在庫管理、販売管理などをクラウド化し、さらにAIを接続する需要は今後も続くでしょう。

2026年6月時点では、経済産業省のDX認定事業者数も直近1年間で約1.35倍となり、中小企業では約1.6倍まで増えています。DXが大企業だけのものではなく、中堅・中小企業へ広がっている点も重要です。 

そのため私は、今後は「AI企業」だけでなく、企業の基幹業務を握っているERP、クラウド、業務ソフト企業にも注目しています。

一方で厳しくなる情報・通信企業もある

情報・通信業全体を強気で見ていますが、すべての企業が恩恵を受けるわけではありません。

特に注意したいのが「人を増やさなければ売上を増やせない企業」です。

これまでのIT業界では、エンジニアを大量に採用し、その人数に応じて売上を増やす人月型ビジネスが数多く存在しました。しかし生成AIによってプログラム作成、テスト、資料作成などが自動化されれば、単純な作業の価値は下がっていきます。

逆にAIを使って生産性を高められる企業は、同じ人数でもより多くの仕事ができるようになります。

今後は「IT人材をたくさん抱えている会社」より、「AIによってIT人材一人当たりの売上や利益を増やせる会社」の方が強くなると考えています。

また、個人向け通信そのものも成熟市場です。携帯電話契約数が急激に増える時代ではないため、通信会社についても通信料金だけでは大きな成長は期待しにくく、金融、法人DX、データセンター、AIなどへ事業を広げられるかが重要になります。

有望銘柄① オービック(4684)

情報・通信業で私が特に注目したいのがオービックです。

企業向けERP「OBIC7」を中心に、企業の会計、人事、生産、販売などの基幹システムを提供しています。

AIブームの派手さはありませんが、実はAI時代との相性が非常に良い企業だと思います。企業がAIを本格的に活用するには、その前段階として社内データを整理し、基幹システムをクラウド化する必要があるからです。

2027年3月期第1四半期は売上高366億98百万円で前年同期比13.2%増、営業利益248億60百万円で15.7%増となりました。営業利益率は約68%という非常に高い水準です。 

さらに主力のクラウドソリューションを含むシステムサポート事業は売上高15.5%増、営業利益16.6%増となっています。企業のシステム更新需要やDX需要は引き続き高いと会社側も説明しています。 

オービックの魅力は、AIそのものに賭けるのではなく、「企業がAIやDXを導入するために必要な基幹システム」を押さえている点です。

情報・通信業の中では、かなり質の高い成長企業だと考えています。

有望銘柄② GMOインターネットグループ(9449)

GMOインターネットグループも面白い存在です。

ドメイン、クラウド、決済、セキュリティ、金融などインターネットの基盤部分を幅広く持っています。さらに近年は生成AIやGPUクラウドなどへの取り組みを強化しています。

2026年12月期上期は売上高1,586億54百万円で前年同期比11.2%増、営業利益342億円で17.1%増となりました。親会社株主帰属利益も12.4%増となっています。 

GMOの面白いところは、AIサービスそのものだけではなく、

クラウド
ネットインフラ
セキュリティ
決済
金融

というAI時代に必要になる複数のインフラを持っていることです。

特定のAIサービスが流行するかどうかではなく、「インターネットやAIの利用量そのものが増えること」に投資できる銘柄として注目しています。

有望銘柄③ SHIFT(3697)

成長性を重視するならSHIFTも外せません。

もともとはソフトウェアテスト・品質保証を中心に成長してきた会社ですが、現在はAIを利用したシステム開発、コンサルティング、テストなどへ事業領域を広げています。

2026年8月期第3四半期累計の売上高は1,158億48百万円で前年同期比21.4%増となりました。会社は通期売上高予想を1,600億円へ引き上げています。 

一方で営業利益は4.3%減、純利益は36.6%減となっており、現時点では利益面に課題があります。採用正常化による採用費増加や、大型案件獲得へ営業リソースを振り向けたことなどが影響しています。 

それでも注目する理由は、SHIFT自身が「生成AIネイティブカンパニー」を掲げ、AIテストエージェントやAIを利用したシステム仕様解析などを実際のサービスとして投入し始めているからです。 

オービックよりリスクは高いですが、AIによって再び利益成長が加速すれば、株価の上昇余地も大きくなる可能性があります。

安定性ならオービック、値幅を狙うならSHIFTという違いがあります。

有望銘柄④ KDDI(9433)

通信会社からはKDDIを候補にします。

携帯電話市場そのものは成熟していますが、KDDIは通信だけではなく、法人DX、データセンター、金融、エネルギー、ローソンなどへ事業領域を広げています。

2027年3月期第1四半期は売上高1兆4,873億円で前年同期比5.1%増、調整後営業利益は3,143億円で21.1%増となりました。全セグメントで増収となっています。 

爆発的な成長株というより、「通信という安定収益を持ちながら成長分野へ投資できる企業」として評価しています。

情報・通信株の中で値動きを抑えながら保有したい場合には候補になりやすい銘柄です。

情報・通信業の有望銘柄ランキング

現時点で私が注目する順番は、1位 オービック(4684)、2位 GMOインターネットグループ(9449)、3位 SHIFT(3697)、4位 KDDI(9433)です。

オービックは「ERP+クラウド+高収益」、GMOインターネットグループは「AI+インターネットインフラ」、SHIFTは「AI+DX+高成長」、KDDIは「通信+法人DX+データインフラ」という違いがあります。

特にキャピタルゲインという観点では、私はオービックとSHIFTの今後の利益成長を注視したいと思います。ただしSHIFTは利益変動が大きいため、現時点ではオービックの方を上位としました。

まとめ

情報・通信業は、今後低迷する業界とは考えていません。むしろAIによって、次の成長段階に入る可能性が高い業界だと見ています。

ただし「AI関連」というだけで企業を選ぶのは危険です。AIの普及によって利益が増える企業もあれば、AIによって従来の仕事を奪われる企業も出てきます。

今後特に重視したいのは、「AIを実際の商品・サービスにできる」「クラウドや基幹システムを持つ」「ストック型収益がある」「企業のDX投資を取り込める」「AIによって自社の生産性も高められる」という企業です。

情報・通信業の将来性を5段階で評価するなら「5」

ただし業界全体を買うというより、これからはAIを使われる側ではなく、AIを使って利益を増やす側の企業を選ぶことが重要だと考えています。

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