クロスフォー(7810)が2026年6月12日に発表した2026年7月期第3四半期決算を分析します。
売上高は41億7900万円で前年同期比55.5%増、営業利益1億5500万円で413.6%増、経常利益1億4900万円で前年の1300万円の赤字から黒字転換、親会社株主に帰属する四半期純利益も9600万円となり、前年の1200万円の赤字から黒字転換しました。
国内の展示会販売・ライブ販売や地金系商品の販売が伸びたことが大きく、営業利益率も約1.1%から3.7%へ改善しています。
一方、地金の再精錬処理による時価評価差益も売上総利益を押し上げています。また、通期営業利益予想78百万円に対し第3四半期累計で155百万円を稼いでおり、今の通期予想は少し特殊な形です。
私は今回を、国内販売の回復によって本業が明確に改善した好決算ですが、利益の一部に地金評価の影響があり、第4四半期の会社想定を確認したい決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 41.79億円、55.5%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 1.55億円、413.6%増 |
| 営業利益率 | ★★★★☆ | 約1.1%→3.7%へ改善 |
| 国内販売 | ★★★★★ | 展示会・ライブ販売・地金系商品が好調 |
| 海外販売 | ★★☆☆☆ | 北米関税・地金高で需要弱含み |
| 粗利益 | ★★★☆☆ | 31.8%増だが粗利益率は低下 |
| 通期予想 | ★★★☆☆ | 営業利益78百万円へ修正。3Q累計を下回る |
| 進捗率 | ★★★★★ | 営業利益は通期予想の約199% |
| 特殊要因 | ★★★☆☆ | 地金再精錬の時価評価差益あり。金額は非開示 |
| CF | ★★★☆☆ | 第3四半期CF計算書は未作成 |
| 財務 | ★★☆☆☆ | 自己資本比率31.7%、CB700百万円を発行 |
| 株主還元 | ★★★★☆ | 年間0.35円→0.63円へ増配予想 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★☆ | 黒字定着なら評価余地あり |
売買判断
保有 ★★★★☆
追加買い ★★★☆☆
売却 ★★☆☆☆
私はクロスフォーを保有継続します。
前年の低利益水準から営業利益が約5倍となり、経常利益・純利益も黒字へ戻ったことは評価できます。
ただし、通期営業利益予想をすでに大幅に超えているにもかかわらず会社予想が78百万円となっている点が気になります。私は追加買いを急がず、本決算で黒字基調が継続することを確認してから判断します。
国内販売回復で売上55.5%増
売上高は26億8700万円から41億7900万円へ大幅に増えました。
国内では展示会販売とライブ販売が好調で、地金系商品も伸びています。大手小売店や問屋向けについても、需要に合わせた企画提案によって受注が堅調でした。
今回の売上成長はかなり強く、事業立て直しが数字として表れてきています。
一方、海外では米国関税の影響に加え、地金価格上昇による販売価格上昇で需要が弱含んでいます。展示会受注や新規顧客開拓によって前年を若干上回りましたが、今後の課題は明確に海外です。
営業利益は約5倍、ただし粗利益率は低下
売上総利益は8億8400万円から11億6600万円へ31.8%増えました。
しかし売上高は55.5%増えているため、売上総利益率は約32.9%から27.9%へ低下しています。
地金系商品の売上増によって商品構成が変わった影響も考えられますが、資料には詳しい数値がありませんので断定はしません。
一方、販管費は18.4%増に抑えられたため、営業利益は3000万円から1億5500万円へ大幅に増加しました。
営業利益率も約1.1%から3.7%へ改善しています。
つまり、粗利益率は下がったものの、売上規模拡大によって販管費を吸収し、最終的な営業採算は大きく改善した決算です。
地金の時価評価差益は少し割り引く
会社は売上総利益の増加要因として、地金の再精錬処理において時価評価差益が発生したことを挙げています。
ただし具体的な金額は資料に記載されていません。
そのため、この影響を除いた営業利益を勝手に計算することはできません。
今回の営業利益413.6%増は高く評価しますが、すべてが通常販売による利益成長とは見ず、次期も同じ利益率を維持できるかを確認したいです。
経常利益・純利益は黒字転換
前年は為替差損2500万円が発生していましたが、今回は為替差益2000万円となりました。
前年差では約4600万円の改善です。
このため経常利益は前年1300万円の赤字から1億4900万円の黒字へ転換しました。
一方、特別損失として事業撤退損1900万円も計上しています。
最終的に純利益は9600万円となりましたので、前年赤字から大きく改善した点は評価できますが、経常利益以下には為替の追い風も含まれています。
私は今回も、営業利益1億5500万円を本業評価の中心に置きます。
通期予想より3Q利益の方が大きい
今回最も注目したい点です。
修正後の通期予想は、
売上高 54億2800万円
営業利益 7800万円
経常利益 7000万円
純利益 3600万円
です。
ところが第3四半期累計では、
営業利益 1億5500万円
経常利益 1億4900万円
純利益 9600万円
まで稼いでいます。
進捗率を計算すると、
売上高 約77.0%
営業利益 約198.8%
経常利益 約213.6%
純利益 約267.5%
です。
単純計算では会社予想達成のため、第4四半期は営業損失約7700万円を見込んでいる形になります。
今回の決算短信には、第4四半期に利益が大きく落ちる具体的理由までは記載されていません。
そのため私は、第3四半期の好調だけでさらに大幅上振れすると決めつけず、本決算で会社計画との差を確認したいです。
財務は改善より負債増加に注意
現金及び預金は6億2900万円から8億6800万円へ増えました。
一方、転換社債型新株予約権付社債7億円を新たに計上し、負債合計は32億5100万円から40億9600万円へ増加しています。
自己資本比率も35.7%から31.7%へ低下しました。
また商品・製品、仕掛品も増加しています。
業績は改善していますが、財務面では★★★★★を付けられる状態ではありません。特に転換社債は将来的な株式希薄化の可能性もあるため、キャピタルゲイン目的では確認しておきたいポイントです。
CFは本決算で確認
第3四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
そのため営業CFやFCFについては今回の資料だけでは判断できません。
現金は増えていますが、転換社債の発行もあるため、現金増加だけを本業のキャッシュ創出力とは評価しません。
本決算では営業CFと在庫の動きを確認したいです。
配当は0.63円へ増配
2026年7月期の期末配当予想は0.63円です。
前期0.35円から約80%の増配となります。
金額自体は大きくありませんが、業績回復を株主還元へ反映している点は評価できます。
私ならどう売買するか
私はクロスフォーを保有継続します。
売上55.5%増、営業利益413.6%増、経常利益・純利益黒字転換という方向性は明確に良くなっています。
特に国内の展示会・ライブ販売が伸び、販管費を吸収できる売上規模まで戻ってきたことを評価します。
一方、地金の時価評価差益、海外事業の弱さ、転換社債、そして通期予想より第3四半期利益の方が大きいという特殊な状況があります。
そのため私は保有を続けますが、追加買いは本決算を確認してからにします。
次の決算で見るポイント
最重要は第4四半期の営業利益です。
会社予想では実質的に第4四半期の赤字を見込む形になっていますので、本当に利益が落ちるのかを確認します。
次に国内ライブ・展示会販売の継続、海外販売の回復、粗利益率、地金評価差益を除いた収益力を見ます。
在庫、営業CF、転換社債による希薄化についても確認したいです。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、国内販売の好調が一時的に終わり、再び営業赤字へ戻る場合です。
また、海外需要の低迷が長期化する、粗利益率がさらに低下する、在庫と有利子負債だけが増える、転換社債による希薄化に利益成長が追いつかない場合も評価を下げます。
今回の私の結論
今回のクロスフォーの第3四半期決算は、業績回復を明確に確認できる好決算です。
売上高55.5%増、営業利益413.6%増。経常利益・純利益も前年赤字から黒字へ転換しました。
一方、地金再精錬による時価評価差益が粗利益を押し上げており、その金額は開示されていません。
また、第3四半期累計営業利益1億5500万円に対して通期予想は7800万円です。
そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。
私は保有を継続しますが、追加買いは本決算で通常の収益力と第4四半期の利益を確認してからにします。
キャピタルゲインという視点で重要なのは、今回の413.6%増益という伸び率ではありません。
国内販売の回復を一時的なものにせず、粗利益率を改善しながら継続的に営業黒字を積み上げられるか。
ここが次の焦点です。
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