その他製品業界の今後を予想|IP・ゲーム・半導体材料で伸びる有望株は?

目次

その他製品業界の今後はどうなる?

その他製品について、私は今後3~5年を「やや強気」と見ています。

ただし最初に注意したいのは、「その他製品」は一つの業界ではないということです。

東証の業種分類では、

ゲーム
玩具
楽器
印刷
包装材
半導体関連材料
文具
スポーツ用品

など、他の分類へ入れにくい企業がまとめられています。

そのため「その他製品市場が成長する」という見方にはあまり意味がありません。

重要なのは、その他製品に分類される企業の中に、今後成長するテーマを持った会社がかなり多いことです。

現在特に注目したいのが、

IP・キャラクター
ゲーム
海外エンターテインメント
半導体材料
先端半導体パッケージ
バッテリー材料
高機能包装

です。

私は「その他製品」を一括して買うのではなく、こうした成長分野を持つ企業を個別に選ぶ業種だと考えています。

最大の成長テーマの一つは「IP」

その他製品の代表企業には任天堂とバンダイナムコHDがあります。

この2社に共通するのが、強力なIPを持っていることです。

任天堂なら、

マリオ
ゼルダ
ポケモン
どうぶつの森
スプラトゥーン

など。

バンダイナムコなら、

ガンダム
ドラゴンボール
ONE PIECE
たまごっち

などがあります。

IPの強さは、一つの商品が売れるだけではありません。

ゲーム
玩具
カード
映画
アニメ
イベント
テーマ施設

などへ横展開できます。

さらに日本国内だけでなく世界中へ販売できます。

人口が減る日本企業にとって、国内消費に依存せず海外ファンから利益を得られることは大きな強みです。

IP企業は「ヒット産業」から「継続課金型」へ

昔のゲーム・玩具会社はヒット商品の有無によって業績が大きく変動しました。

現在は少し変わっています。

バンダイナムコはIPごとに、

ゲーム
玩具
カード
映像
イベント

を横断して展開しています。

2027年3月期第1四半期は売上高3,284億円、営業利益692億円となり、ともに第1四半期として過去最高でした。

特にガンダム、ドラゴンボール、ONE PIECEなど定番IPが好調で、トイホビー事業の営業利益は前年同期から254億円増加して539億円となりました。

一つの大型ゲームだけに依存しない収益構造になっている点を私は高く評価しています。

今後のエンターテインメント企業では、「次のヒット作を当てられるか」以上に、既存IPを10年、20年と収益化できるかを見ることが重要だと考えています。

任天堂はSwitch 2の「2年目」が重要になる

任天堂についてはNintendo Switch 2の販売サイクルが重要です。

2027年3月期第1四半期は売上高5,178億円で前年同期比9.5%減となった一方、営業利益は1,426億円で150.5%増となりました。営業利益率も前年同期9.9%から27.5%まで大きく上昇しています。

ただしこの150%増をそのまま通常の利益成長率として見るのは慎重にしたいところです。

前年はSwitch 2発売直後で利益率の低いハード販売比率が高かった一方、今期はソフトウェア構成の改善などが利益率を押し上げています。

さらに一部には関税関連の還付要因もあります。

会社の2027年3月期通期予想は、

売上高2兆500億円
営業利益3,700億円
純利益3,100億円

で、営業利益は2.7%増ですが、純利益は26.9%減の計画です。

したがって現在の任天堂は、「Switch 2発売」という最初の材料より、ソフト販売とIP展開によってSwitch 2をどこまで長寿命化できるかを見る段階へ移っています。

「印刷会社」が半導体企業へ変わっている

その他製品で非常に面白いのが大日本印刷とTOPPANホールディングスです。

両社には「印刷会社」というイメージがあります。

しかし実際には印刷技術から発展した、

微細加工
精密塗工
光学技術
材料加工

を使って半導体・電子部品分野へ進出しています。

大日本印刷は半導体製造用フォトマスク、有機EL向けメタルマスク、ディスプレイ用光学フィルムなどを手掛けています。

特にフォトマスクでは、EUV向けや2nm世代など最先端半導体領域へ投資しています。

2024年度を100としたフォトマスク売上について、2028年度155を計画しており、2027年からEUV用フォトマスクやナノインプリント関連の本格量産を計画しています。

つまり「紙を印刷する会社」という見方では、大日本印刷の企業価値を正しく評価できなくなっています。

バッテリーでもDNPは世界トップクラス

大日本印刷にはもう一つ面白い事業があります。

リチウムイオン電池用のバッテリーパウチです。

EVやスマートフォン、蓄電池などに使われる電池の外装材で、DNPは世界トップシェアとしています。

つまりDNPは、

半導体
ディスプレイ
EV
蓄電池

という複数の成長テーマを持っています。

これが今回、私がDNPを高く評価する大きな理由です。

TOPPANも次世代半導体パッケージへ

TOPPANホールディングスも同じ方向へ進んでいます。

現在の中期経営計画では、半導体関連、特に次世代半導体パッケージを戦略的注力事業に位置付けています。

AI半導体では複数のチップを一つのパッケージ内で組み合わせる「チップレット」が重要になっています。

TOPPANは、

FC-BGA基板
ガラスコア基板
CPO向け基板

などを開発しています。

データセンターやネットワーク機器向けの先端LSIを狙っているため、AI・半導体テーマとの関係も強くなっています。

その他製品の中には、こうした「実質的には半導体関連株」と言える企業も存在します。

その他製品株を見るための投資判断軸

今回は「成長性」「成長テーマ・IP競争力」「海外展開力」「株価水準」「財務・株主還元」の5項目で評価します。

その他製品は事業内容がバラバラなので、同じ指標だけで評価するのは難しい業種です。

そのため私は、

今後伸びる事業を持っているか

と、

その成長が現在の株価にどこまで織り込まれているか

を特に重視します。

有望銘柄① 大日本印刷(7912)

今回の第一候補は大日本印刷です。

任天堂やバンダイナムコほど派手ではありません。

しかし現在の株価からキャピタルゲインを狙うという意味では、かなり面白いと考えています。

2027年3月期第1四半期は、

売上高3,729億円 前年同期比1.9%増
営業利益279億円 21.3%増
経常利益353億円 25.0%増

となりました。

売上高は2%程度しか増えていません。

しかし営業利益は21%増えています。

営業利益率も前年同期の6.3%から7.5%へ改善しました。

これは事業構造改革や高付加価値事業へのシフトが効いている可能性を示しています。

さらに、

半導体フォトマスク
有機ELメタルマスク
光学フィルム
バッテリーパウチ

など、普通の印刷会社とは異なる成長事業を持っています。

投資判断軸

成長性:★★★★☆
成長テーマ・IP競争力:★★★★★
海外展開力:★★★★☆
株価水準:★★★★★
財務・株主還元:★★★★★

総合投資判断:強気

2026年9月4日の終値は3,056円

予想PER13.85倍、PBR1.07倍です。

第1四半期営業利益が21%増えている企業としては、かなり買いやすい水準だと考えています。

しかもDNPは自己株式取得も進めています。

今後、半導体関連事業の比率が上がれば「印刷会社PER」から「電子材料会社PER」へ評価が変わる可能性があります。

私はここを最大の株価上昇余地と考え、今回1位にします。

有望銘柄② バンダイナムコホールディングス(7832)

2位はバンダイナムコホールディングスです。

企業成長力だけなら今回1位候補です。

2027年3月期第1四半期は、

売上高3,284億円
営業利益692億円
純利益511億円

となり、第1四半期として過去最高でした。

前年同期と比較すると、

売上高+280億円
営業利益+173億円

です。

特にトイホビー事業が非常に強く、

ガンダム
ドラゴンボール
ONE PIECE

など定番IPが業績を牽引しています。

最大の魅力は、ゲームだけに依存していないことです。

玩具
カード
ゲーム
アニメ
ライブ
アミューズメント

まで一つのIPから利益を得られます。

中期経営計画でも世界市場で「IP軸戦略」をさらに進める方針です。

投資判断軸

成長性:★★★★★
成長テーマ・IP競争力:★★★★★
海外展開力:★★★★★
株価水準:★★★☆☆
財務・株主還元:★★★★★

総合投資判断:強気

2026年9月4日の終値は5,565円

会社予想ベースPERは約27.5倍、PBRは4.03倍です。

企業の質は非常に高いですが、株価もかなり評価されています。

9月1日には5,850円の年初来高値を付けています。

そのため「今すぐ一気に買いたい割安株」というより、業績成長を確認しながら押し目で狙いたい銘柄です。

IP企業としての長期成長力は今回最上位と考えています。

有望銘柄③ TOPPANホールディングス(7911)

3位はTOPPANホールディングスです。

TOPPANも「印刷株」という見方から外した方がよい企業です。

現在は、

情報・DX
包装
建装材
半導体
ディスプレイ

などへ事業を広げています。

特に今後は次世代半導体パッケージ事業に注目しています。

2027年3月期第1四半期は、

売上高4,573億円 15.0%増
営業利益200億円 47.9%増
経常利益230億円 53.1%増

となりました。

営業利益率も前年同期3.4%から4.4%へ改善しています。

生活・産業事業では海外パッケージ事業やM&A効果も利益成長に寄与しています。

投資判断軸

成長性:★★★★★
成長テーマ・IP競争力:★★★★★
海外展開力:★★★★★
株価水準:★★★★☆
財務・株主還元:★★★★☆

総合投資判断:やや強気~強気

2026年9月4日の終値は5,071円

予想PER26.0倍、PBR1.03倍です。

PBRはほぼ1倍なので資産面では割高感がありません。

一方、会社予想PER26倍はDNPよりかなり高いため、現在の投資妙味ではDNPを上位としました。

ただしAI向け半導体パッケージ事業が成長し、利益率が中期計画どおり改善すれば評価が変わる可能性があります。

今回の4社では、DNPと並んで「印刷会社から何の会社へ変わるのか」に注目したい銘柄です。

有望銘柄④ 任天堂(7974)

4位は任天堂です。

企業ブランド・IPの強さだけなら、説明する必要がないほど強力です。

Nintendo Switch 2という新しいハードウェア基盤を持ち、

マリオ
ゼルダ
ポケモン
どうぶつの森

など世界級IPを持っています。

2027年3月期第1四半期は売上高が前年同期比9.5%減った一方、営業利益は150.5%増の1,426億円となりました。

営業利益率も27.5%まで上昇しています。

しかし投資判断では少し慎重に見ます。

会社予想では2027年3月期通期の営業利益は2.7%増ですが、経常利益は20.7%減、純利益は26.9%減を見込んでいます。

Switch 2発売初年度の反動も考える必要があります。

投資判断軸

成長性:★★★★☆
成長テーマ・IP競争力:★★★★★
海外展開力:★★★★★
株価水準:★★★☆☆
財務・株主還元:★★★★★

総合投資判断:やや強気

2026年9月4日の終値は8,839円

予想PER32.87倍、PBR3.49倍、予想配当利回り1.83%です。

1月の年初来高値10,890円からは約19%下がっています。

そのため以前よりは買いやすくなりました。

ただしPER30倍超なので、Switch 2の販売台数やソフト販売が期待を下回れば株価評価が下がる可能性があります。

「最高の会社」と「今最も割安な株」は別です。

長期的なIP価値なら★★★★★ですが、現在の株価からキャピタルゲインを狙うという基準で4位とします。

その他製品業界の有望銘柄ランキング

1位 大日本印刷(7912)
半導体フォトマスク+バッテリーパウチ。1Q営業利益21%増に対してPER13倍台、PBR1倍前後。

2位 バンダイナムコホールディングス(7832)
ガンダム+ドラゴンボール+ONE PIECE。1Q過去最高。IP企業としての成長力は最上位。

3位 TOPPANホールディングス(7911)
半導体パッケージ+海外包装。1Q営業利益48%増、PBR約1倍。

4位 任天堂(7974)
Switch 2+世界級IP。企業力は最高クラスだがPER30倍超と今期利益予想を考慮。

今回のランキングはかなり特徴的です。

知名度だけなら、

任天堂
バンダイナムコ

が圧倒的です。

しかし現在の株価からキャピタルゲインを考えると、私は大日本印刷を1位にします。

DNPは2027年3月期第1四半期で営業利益が21%増えているにもかかわらずPER13倍台、PBR1倍程度です。

半導体フォトマスクやバッテリーパウチが成長し、投資家から「印刷会社ではない」と認識されれば、EPS成長だけではなくPER・PBRの評価そのものが変わる可能性があります。

一方、企業の長期成長力を最優先するならバンダイナムコを高く評価します。

ガンダム、ドラゴンボール、ONE PIECEなど一つのIPを複数事業で収益化できる構造はかなり強いと思います。

まとめ

その他製品の将来性を5段階で評価するなら「4」です。

「5」にしない理由は、この業種自体に共通した成長ドライバーが存在しないからです。

ゲーム会社もあれば、印刷会社、楽器会社、文具会社もあります。

したがって私は「その他製品」という業種を買うのではなく、その中に隠れている成長テーマを探す業種として見ています。

特に今後注目したいのは、

IP・キャラクター
世界向けゲーム
半導体材料
次世代半導体パッケージ
バッテリー材料
高機能包装

です。

そして面白いのは、見た目と実際の事業がかなり違う企業があることです。

大日本印刷は「印刷会社」に見えて、実際には最先端半導体用フォトマスクと世界トップシェアのバッテリーパウチを持っています。

TOPPANも印刷技術を次世代半導体パッケージへ展開しています。

つまりその他製品は、企業名だけでは成長テーマが分かりにくいからこそ、銘柄を掘り下げる価値がある業種だと考えています。

現時点ではキャピタルゲインを狙う本命を大日本印刷(7912)、企業成長力を重視する対抗をバンダイナムコホールディングス(7832)とします。

半導体関連への変身を狙うならTOPPANホールディングス(7911)、長期IP資産を買うなら任天堂(7974)に注目します。

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