島精機製作所(6222)が2026年7月31日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は76億4900万円で前年同期比27.3%減、営業損失8億4700万円、経常損失5億円、純損失5億8800万円となりました。
主力の横編機が34.0%減収となり、前年の営業黒字から一転して赤字です。
一方、受注高は3.3%増、受注残高も4.7%増となっています。
私は今回を、足元の業績はかなり厳しいものの、受注は底割れしておらず、下期の新型機投入と構造改革で黒字化できるかを見る決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★☆☆☆☆ | 76.49億円、27.3%減 |
| 営業利益 | ★☆☆☆☆ | 3.07億円黒字→8.47億円赤字 |
| 売上総利益率 | ★★★★☆ | 約33.3%→41.7%へ改善 |
| 横編機 | ★☆☆☆☆ | 34.0%減収 |
| デザインシステム | ★★☆☆☆ | 20.4%減収 |
| アジア | ★☆☆☆☆ | 売上約51.7%減 |
| 欧州 | ★★★★☆ | 売上約28.5%増 |
| 受注高 | ★★★★☆ | 64.14億円、3.3%増 |
| 受注残高 | ★★★★☆ | 48.57億円、4.7%増 |
| 通期予想 | ★★★☆☆ | 営業利益3億円の黒字予想を維持 |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率73.9% |
| 株主還元 | ★★★☆☆ | 年間20円配当を維持 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★☆☆ | 下期回復の確認が必要 |
売買判断
保有 ★★★☆☆
追加買い ★★☆☆☆
売却 ★★★☆☆
私は島精機製作所を保有継続しますが、現時点では追加買いを急ぎません。
第1四半期の営業赤字はかなり大きく、通期黒字を達成するには第2四半期以降の急回復が必要です。
ただし受注高と受注残高が前年を上回っているため、業績がそのまま悪化し続けるとは見ていません。
主力の横編機が34%減収
横編機事業の売上高は53億1700万円で34.0%減となりました。
最大の原因はアジアです。
バングラデシュや中国では競争が激しく、顧客が設備投資に慎重になったことで販売台数が減少しました。
地域別売上を見ると、アジアは前年59億5300万円から28億7500万円へ半減しています。
島精機にとってアジア市場の回復が業績反転の最大条件です。
一方、欧州は19億300万円から24億4600万円へ増加しています。
イタリアを中心に高級ブランド向け高付加価値ニット需要が堅調で、すべての地域が悪いわけではありません。
粗利益率は改善している
売上高は大幅減ですが、売上総利益率は前年約33.3%から約41.7%へ改善しました。
ここは評価できます。
一方、販管費は31億9500万円から40億3500万円へ増加しました。
売上が大きく減る中で固定費負担が重くなり、営業赤字へ転落しています。
つまり今回は、製品採算そのものより、販売数量不足と固定費負担が大きな問題と見ています。
受注はむしろ増えている
今回最も注目したい数字です。
受注高は64億1400万円で3.3%増、受注残高は48億5700万円で4.7%増となりました。
横編機の受注高はほぼ前年並みですが、販売高は34%減っています。
さらにデザインシステム関連は、
受注高 33.1%増
受注残高 54.0%増
となりました。
足元の売上ほど先行指標は悪くありません。
私はここを今後の業績回復余地として見ています。
下期の新型機が最大のポイント
会社はコストパフォーマンスを重視した成型機について、下期から本格展開する予定です。
第1四半期は販売台数が限定的だったため、今回の業績にはほとんど寄与していません。
同時に構造改革本部を立ち上げ、開発・調達・製造・販売・サービスまで抜本的な見直しを進めています。
島精機が本当に反転するには、
新型機による販売数量回復+固定費削減
の両方が必要です。
通期黒字にはかなり高いハードル
通期予想は変更していません。
売上高 410億円
営業利益 3億円
経常利益 10億円
純利益 9億円
です。
第1四半期で8億4700万円の営業赤字を出しているため、通期3億円の黒字にするには残り9カ月で約11億4700万円の営業利益が必要です。
売上も残り3四半期で約333億円必要となります。
第1四半期売上76億円に対し、残りは1四半期平均約111億円です。
したがって会社予想達成には、下期に明確な売上・利益加速が必要です。
財務は強い
自己資本比率は73.9%です。
現金及び預金は251億9400万円あります。
一方、短期借入金、1年以内返済予定長期借入金、長期借入金の合計は約174億円です。
営業赤字でも直ちに財務不安が出る状態ではありません。
第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業CFについては中間決算で確認します。
私ならどう売買するか
私は現在の保有分を維持します。
今回の実績は、
売上27.3%減
営業赤字8.47億円
アジア売上約半減
とかなり厳しいです。
一方で、
受注高3.3%増
受注残4.7%増
デザインシステム受注33.1%増
下期から新型成型機を本格投入
という先行材料があります。
次の決算で営業赤字が大幅に縮小すれば、追加買いを再検討します。
今回の私の結論
今回の島精機製作所の第1四半期決算は、かなり弱い決算です。
売上高27.3%減、営業損失8億4700万円となり、主力の横編機も34.0%減収です。
特にアジア市場の販売減少が深刻です。
一方、粗利益率は改善し、受注高3.3%増、受注残高4.7%増となっています。
そのため今回の総合評価は★★☆☆☆とします。
私は保有を継続しますが、追加買いは下期の新型機販売と営業赤字縮小を確認してからにします。
キャピタルゲインという視点では、
受注を実際の売上へ変え、アジア市場を回復させながら構造改革によって固定費を吸収できるか。
ここが次の焦点です。
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