ファナック(6954)が2026年7月31日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は2310億3500万円で前年同期比17.7%増、営業利益534億9200万円で26.1%増、経常利益681億9300万円で32.3%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は509億8100万円で34.7%増となりました。
FA、ロボット、ロボマシン、サービスのすべてが二桁増収となり、営業利益率も約21.6%から23.2%へ改善しました。さらに会社は第1四半期から通期予想を上方修正しています。
私は今回を、中国を含む設備投資需要の回復が実際の利益成長につながり始めた強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 2310.35億円、17.7%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 534.92億円、26.1%増 |
| 営業利益率 | ★★★★★ | 約21.6%→23.2%へ改善 |
| FA | ★★★★☆ | 15.5%増収、中国・インドが好調 |
| ロボット | ★★★★★ | 18.7%増収、中国EV・一般産業が牽引 |
| ロボマシン | ★★★★★ | 22.8%増収、全部門で最も高い伸び |
| サービス | ★★★★☆ | 13.0%増収、安定成長 |
| 通期予想 | ★★★★★ | 営業利益2122億円→2180億円へ上方修正 |
| 進捗率 | ★★★★☆ | 通期営業利益の24.5%、上期予想の51.2% |
| 特殊要因 | ★★★★☆ | 持分法利益増加はあるが営業利益自体が26.1%増 |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率89.7% |
| 株主還元 | ★★★☆☆ | 今期配当予想は未公表 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 業績回復+上方修正を評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はファナックを保有継続します。
営業利益26.1%増だけでなく、全事業が二桁増収となり、営業利益率も改善しています。さらに第1四半期から通期予想を上方修正したため、キャピタルゲインという意味でもかなり良い内容です。
追加買いも前向きですが、中国を含む設備投資需要は景気の影響を受けやすいため、急騰を追うより押し目で増やしたいです。
営業利益26.1%増、利益率も改善
売上高は1963億6300万円から2310億3500万円へ17.7%増え、営業利益は424億2800万円から534億9200万円へ26.1%増えました。
営業利益率は約21.6%から23.2%へ上昇しています。
売上総利益も766億円から911億円へ増えており、増収だけでなく採算も改善しました。
研究開発や拡販を続けながら経費削減にも取り組んでおり、売上の回復を利益へしっかり転換できている点を評価します。
ロボット・ロボマシンが強い
FA部門は573億5200万円で15.5%増収でした。欧州は低調ですが、中国では設備投資需要が旺盛で、インドでも好調です。
ロボット部門は961億300万円で18.7%増。国内自動車向けは弱いものの、米州では自動車・一般産業、中国ではEV関連と一般産業が伸びています。
ロボマシンは416億5400万円で22.8%増と最も高い伸びです。ロボドリル、ロボショット、ロボカットのすべてで需要が改善しました。
特定商品だけではなく、FA・ロボット・工作機械関連が同時に回復していることが今回の強さです。
純利益34.7%増は少し割り引いて見る
営業利益26.1%増に対し、経常利益32.3%増、純利益34.7%増となっています。
この差には持分法による投資利益の増加があります。
持分法投資利益は前年66億8800万円から113億7100万円へ増加しました。
そのため純利益34.7%増をすべて本業成長とは見ません。ただし営業利益そのものが26.1%増えているため、特殊要因を除いても十分に強い決算です。
通期予想を上方修正
会社は通期予想を、
売上高 9096億円 → 9481億円
営業利益 2122億円 → 2180億円
経常利益 2570億円 → 2712億円
純利益 1849億円 → 1980億円
へ引き上げました。
第1四半期の通期進捗率は、売上高約24.4%、営業利益約24.5%、経常利益約25.1%、純利益約25.7%です。
一見すると普通の進捗ですが、上期営業利益1044億円に対してはすでに51.2%まで進んでいます。
上方修正後の計画に対して順調なスタートです。
なお、7月以降の為替前提は1ドル150円、1ユーロ175円です。
財務は圧倒的に強い
総資産は2兆1087億円、純資産は1兆9098億円、自己資本比率は89.7%です。
現金及び預金だけで7214億円あり、有価証券408億円、投資有価証券2311億円も保有しています。
負債合計は前期末2078億円から1989億円へ減少しました。
設備投資型企業としては非常に強い財務で、景気後退局面でも研究開発や設備投資を継続できる余力があります。
第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、CFについては中間決算で確認します。
株主還元は今後の発表待ち
前期の年間配当は107.09円でした。
今期の中間・期末配当予想は現時点では公表されておらず、公表可能になった時点で開示するとしています。
これだけ財務が強いため、業績上方修正が今後配当や自己株取得などの株主還元につながるかにも注目したいです。
私ならどう売買するか
私はファナックを保有継続します。
営業利益26.1%増、利益率改善、全事業二桁増収、通期上方修正という内容なら売却する理由はありません。
特に中国の設備投資需要やロボット・ロボマシンの回復を評価します。
現在の保有分は維持し、株価が調整する場面では追加買いを検討します。
次の決算で見るポイント
最重要は中国需要です。現在好調なCNC、EV向けロボット、ロボマシン需要が継続するかを確認します。
次に営業利益率23%台を維持できるか、通期営業利益2180億円への進捗、欧州の需要回復を見ます。
中間決算では営業CFとFCF、そして配当方針も確認したいです。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、中国を中心とした設備投資需要が急速に悪化し、FA・ロボット・ロボマシンが同時に減収へ転じた場合です。
また、営業利益率が再び20%前後まで低下する、今回上方修正した営業利益2180億円を下方修正する場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回のファナックの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
売上高17.7%増、営業利益26.1%増、純利益34.7%増。営業利益率も約21.6%から23.2%へ改善しました。
FA15.5%増、ロボット18.7%増、ロボマシン22.8%増、サービス13.0%増と、すべての部門が二桁増収です。
さらに通期営業利益を2122億円から2180億円へ上方修正しました。
そのため今回の総合評価は★★★★★です。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点では、次に重要なのは単なる中国景気回復ではありません。
ロボット・FA需要の回復を継続させながら、現在23%台まで戻った営業利益率をさらに高められるか。
ここが次の焦点です。
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