コーセル(6905)2026年5月期決算を分析|営業赤字でも受注59.8%増、2027年は黒字転換へ

コーセル(6905)が2026年6月19日に発表した2026年5月期決算を分析します。

売上高は250億4600万円で前期比7.4%減、営業損失6億9500万円、経常利益2億6700万円で63.9%減、親会社株主に帰属する当期純損失は34億600万円となりました。

一見するとかなり悪い決算です。

ただし、受注高は278億4100万円で59.8%増、受注残高も128億1000万円で39.7%増まで回復しています。

さらに2027年5月期は営業利益13億3500万円への黒字転換を計画しています。

私は今回を、2026年5月期の実績より、受注急回復とPowerbox整理後の2027年5月期を評価すべき転換期の決算と見ています。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
売上高★★☆☆☆250.46億円、7.4%減
営業利益★☆☆☆☆6.95億円の営業赤字
営業利益率★☆☆☆☆2.3%→▲2.8%
受注高★★★★★278.41億円、59.8%増
受注残高★★★★★128.10億円、39.7%増
半導体関連★★★★★AI需要を背景に急回復
2027年5月期予想★★★★★営業利益13.35億円へ黒字転換
Powerbox整理★★★★☆36.44億円の整理損を計上
CF★★★★☆営業CF30.35億円、単純FCF約16.26億円
財務★★★★★自己資本比率86.1%
株主還元★★★★★年55円→60円へ増配予定
キャピタルゲイン期待★★★★☆業績底打ちから回復局面へ

売買判断

保有 ★★★★☆

追加買い ★★★☆☆

売却 ★★☆☆☆

私はコーセルを保有継続します。

今回の営業赤字そのものは評価できません。

しかし、株価を考えるうえでは過去の売上よりも、受注59.8%増と2027年5月期の黒字転換計画の方が重要です。

追加買いは、第1四半期で受注増が実際の売上・営業利益へ変わっていることを確認してから考えます。

今期は営業赤字へ転落

売上高は270億5200万円から250億4600万円へ減少し、営業利益は6億2800万円の黒字から6億9500万円の赤字へ転落しました。

国内では半導体製造装置向けの受注回復が遅れて売上への寄与が限定的だったことに加え、固定費負担も重くなりました。

日本生産販売事業は15.3%減収で、前年5億2000万円の利益から3億1600万円の赤字となっています。

欧州も7億2300万円の赤字で、前年より赤字幅が拡大しました。

2026年5月期の本業は明確に弱かったと判断します。

ただし受注は完全に別の動き

今回最も重要なのが受注です。

受注高は278億4100万円で59.8%増、受注残高は128億1000万円で39.7%増となりました。

特に、

ユニット電源 受注63.8%増
オンボード電源 83.2%増
ノイズフィルタ 75.3%増

と、コーセル製品が軒並み大幅増です。

会社もAIの拡大によって半導体製造装置関連需要が旺盛で、第3四半期以降に受注が急回復したと説明しています。

つまり現在は、

売上・利益はまだ弱いが、先行指標である受注はすでに大きく回復している

という状態です。

キャピタルゲインではここを重視します。

Powerbox整理で34億円の最終赤字

純損失34億600万円は、そのまま通常の事業損失とは見ません。

Powerbox International ABの株式譲渡に伴い、36億4400万円の関係会社整理損を計上しています。

営業損失は6億9500万円ですので、最終赤字の大部分はPowerbox整理による特殊要因です。

私はむしろ、採算の悪化していた欧州事業を整理し、今後コーセル本体へ経営資源を集中できるかを見ます。

2027年5月期は大幅回復予想

会社の2027年5月期予想は、

売上高 288億7500万円
営業利益 13億3500万円
経常利益 15億3900万円
純利益 16億400万円

です。

売上高は15.3%増となり、営業利益は6億9500万円の赤字から13億3500万円の黒字へ転換します。

営業利益率も▲2.8%から約4.6%まで回復する計画です。

さらにPowerboxは期中に連結除外予定です。

事業を縮小するのに全社売上は15%増える計画ですので、コーセル本体の受注回復をかなり強く見込んでいることになります。

CFと財務は強い

営業CFは30億3500万円のプラスでした。

投資CFは14億900万円のマイナスですので、単純なFCFは約16億2600万円のプラスです。

営業赤字・最終赤字でもキャッシュ自体は確保しています。

さらに現金及び現金同等物は268億6500万円、自己資本比率は86.1%です。

Powerbox整理損によって純資産は減りましたが、財務面の心配はかなり小さい会社です。

配当は60円へ増配

2026年5月期の年間配当は55円です。

2027年5月期は60円へ増配予定です。

さらに配当方針を変更し、DOEの下限を3.5%から4.5%へ引き上げました。

赤字決算後でも増配するのは、厚い財務基盤があるコーセルならではです。

私ならどう売買するか

私は現在の保有を継続します。

2026年5月期だけを見るなら弱いですが、株価を見るうえで重要な受注はすでに大幅回復しています。

特に半導体製造装置向け需要の回復、受注残39.7%増、Powerbox整理、2027年5月期の営業黒字転換という流れは評価できます。

ただし私は一気に追加しません。

第1四半期で受注増→売上増→営業黒字という流れを確認できれば、追加買いの評価を一段上げます。

次の決算で見るポイント

最重要は営業黒字化です。

受注が60%近く増えているため、今後は「受注が増えた」という段階ではなく、それを売上・利益へ変えられるかが重要です。

特に日本生産販売事業の黒字転換、欧州赤字の縮小、半導体製造装置向け売上を確認します。

今回の私の結論

今回のコーセルの2026年5月期決算は、実績は悪いものの、先行指標はかなり良くなっています。

売上高7.4%減、営業損失6億9500万円となりましたが、受注高は59.8%増、受注残高は39.7%増です。

純損失34億円についても、Powerbox整理損36億4400万円の影響が大きく、一過性要因を含んでいます。

2027年5月期は売上15.3%増、営業利益13億3500万円への黒字転換、年間配当60円への増配を計画しています。

そのため今回の総合評価は★★★☆☆とします。

私は保有を継続し、第1四半期で営業黒字化を確認できれば追加買いを検討します。

キャピタルゲインという視点では、

59.8%増まで回復した受注を本当に売上と利益へ変え、Powerbox整理後に営業利益率5%前後まで戻せるか。

ここが次の焦点です。

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