Liberaware(218A)2026年7月期決算を再評価|計画未達・赤字拡大、9月11日予定から14日発表も重く見る

Liberaware(218A)が2026年9月14日に2026年7月期決算を発表しました。

今回の決算は、数字だけでなく発表までの経緯も含めて評価する必要があると考えます。

市場では9月11日が決算発表予定日として認識されていました。

しかし11日に決算は発表されず、その日の夜になって会社から9月14日に発表する旨が案内され、実際の決算短信も9月14日付となりました。

今回の決算短信には、この日程変更の理由は記載されていません。

私は3日遅れたこと自体よりも、

予定されていた日に発表されず、理由の説明がないまま週末をまたいだこと

をIR・情報開示面のマイナス材料として見ます。

さらに決算そのものも、6月に下方修正した業績予想レンジの下限を下回りました。

そのため前回より評価を一段引き下げます。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
売上高★★★☆☆15.95億円、13.4%増だが計画未達
業績予想達成度★☆☆☆☆6月修正後の売上予想下限17億円にも届かず
営業損益★☆☆☆☆▲23.97億円、前年▲15.89億円から赤字拡大
経常損益★☆☆☆☆▲8.07億円、前年黒字から赤字転落
粗利益率★★☆☆☆約47.6%→42.4%へ低下
ドローン事業★★★☆☆8.21億円、1.7%増
点検ソリューション★★☆☆☆約21.6%減収
プロダクト提供★★★★☆約14.4%増収
デジタルツイン★★★★★約40.1%増収
データ処理・解析★★★★★約47.4%増収
建設SBIR★★★★★研究開発から事業化へ移行
鉄道SBIR★★★★★最大52億円規模、量産試作機開発中
下水道★★★★★IBIS2 Chainageの社会実装に期待
2027年7月期売上予想★★★★★23億円、44.2%増
2027年7月期利益予想★☆☆☆☆営業赤字28.98億円へさらに拡大
キャッシュフロー★★☆☆☆営業CF▲6.24億円
財務★★★★☆自己資本比率61.4%、ただし増資効果が大きい
希薄化★★☆☆☆発行済株式数増加、新株予約権も存在
IR・情報開示★★☆☆☆11日予定→14日発表、理由説明なし
中長期成長期待★★★★☆鉄道・下水道・国産無人機は大きな可能性
キャピタルゲイン期待★★★☆☆材料は強いが実績確認が必要

売買判断

保有 ★★★★☆

追加買い ★★☆☆☆

売却 ★★☆☆☆

私は現在保有しているなら、すぐに売却する決算ではないと考えます。

ただし、今回の決算発表を受けて積極的に追加買いする判断もしません。

前回は追加買いを★★★☆☆としていましたが、今回は★★☆☆☆へ引き下げます。

理由は、

決算発表日をめぐるIR面の不安

に加えて、

6月に下方修正した予想すら下回った

からです。

一方、2027年7月期の売上高44.2%増計画、鉄道SBIR、下水道、HINOTATEなど将来材料は非常に大きいため、保有は継続します。

9月11日予定から14日発表をどう見るか

私は今回、ここを軽く扱うべきではないと思います。

9月11日は金曜日でした。

市場ではLiberawareの本決算が11日に発表される予定として認識されていました。

しかし予定された時間帯を過ぎても決算が出ず、その日の夜になって9月14日に決算発表を行う旨が案内されました。

結果的に株主は、

決算が出ない理由が分からない状態で週末を過ごす

ことになりました。

そして9月14日付で決算短信が発表されています。

問題なのは「金曜日から月曜日へ3日ずれた」という日数そのものではありません。

なぜ予定日に出なかったのか分からないこと

です。

会計処理なのか、監査なのか、開示スケジュールの社内連携ミスなのか。

今回の資料だけでは判断できません。

したがって、根拠なく「決算作成が間に合わなかった」と決めつけることもできません。

ただし上場企業のIRとして考えれば、

投資家が9月11日発表と認識している状況を事前に修正できなかった

こと自体はマイナスです。

Liberawareはまだ成長途上のグロース企業です。

技術力だけでなく、上場企業としての管理体制・IR体制も企業価値の一部です。

私は今回、決算内容とは別にここを★★☆☆☆と評価します。

実は決算数字も予想を下回っている

今回さらに重要なのがここです。

2026年6月12日、会社は2026年7月期業績予想を下方修正しました。

当初予想は、

売上高 22.20億円
営業損失 ▲24.12億円
経常損失 ▲1.77億円
純損失 ▲1.78億円

でした。

これを6月に、

売上高 17~19億円
営業損失 ▲21.54~▲23.11億円
経常損失 ▲5.74~▲7.30億円
純損失 ▲5.75~▲7.31億円

へ下方修正しました。

しかし最終実績は、

売上高 15.95億円
営業損失 ▲23.97億円
経常損失 ▲8.07億円
純損失 ▲8.12億円

でした。

つまり、6月時点でかなり下方修正したにもかかわらず、最終実績はその下限をさらに下回りました。

ここは今回の決算でかなり重く見ます。

売上は修正予想の下限17億円にも届かなかった

売上高は15.95億円です。

6月時点の予想レンジ下限17億円との差は約1.05億円です。

下限比でも約6%未達です。

当初予想22.2億円と比べると、約6.25億円少なくなりました。

率にすると約28%下回っています。

もちろん、下水道の無償調査や将来案件獲得のための活動へ人員を振り向けたという事情があります。

しかし投資家目線では、

将来のために売上を後ろへずらした結果、現在の業績計画を達成できなかった

という事実も見なければなりません。

2027年7月期の23億円についても、私は会社予想だからそのまま達成すると考えるのではなく、四半期ごとに進捗を確認します。

営業損失も修正レンジを下回った

営業損失は23.97億円です。

6月の予想レンジは、

▲21.54億円~▲23.11億円

でした。

最も悪い想定だった▲23.11億円より、さらに約8600万円悪化しました。

経常損失、純損失についても予想レンジを下回っています。

つまり今回は、

売上未達

だけではなく、

利益も会社の修正予想より悪かった

ということです。

決算評価としては明確なマイナスです。

売上13.4%増だけでは評価できない

前年売上は14.07億円でした。

今回15.95億円ですので13.4%増です。

数字だけなら成長しています。

しかしLiberawareは現在の企業規模に対してかなり大きな研究開発投資をしています。

13%程度の売上成長では、その費用を吸収できません。

実際、販管費は、

22.59億円 → 30.74億円

まで約36%増加しました。

売上成長率13.4%に対して費用成長率約36%です。

この状態では売上が伸びても赤字が拡大します。

粗利益率低下も気になる

売上総利益は、

前年 6.70億円
今回 6.76億円

です。

売上は13.4%増えましたが、売上総利益はほぼ横ばいです。

粗利益率は、

約47.6% → 約42.4%

へ低下しました。

私はこの数字をかなり重視します。

Liberawareが将来的に黒字化するには、

売上成長

だけではなく、

粗利益率上昇

が必要だからです。

今後、ソフトウェア・データ解析・LAPISなど高粗利の売上構成が高まれば改善余地があります。

点検ソリューションは21.6%減

ドローン事業全体は8.21億円で1.7%増でした。

しかし点検ソリューションは、

2.86億円 → 2.24億円

となり約21.6%減です。

会社は下水道市場の開拓を優先し、無償調査や自治体向けデモへリソースを投入してきました。

この戦略が将来大型案件につながれば意味があります。

ただし現時点では、

将来の売上のために現在の売上を犠牲にした段階

です。

2027年7月期はこれを実際の有償案件へ転換できるかが重要になります。

デジタルツイン40%増は高く評価

一方、今回かなり良かったのがデジタルツイン事業です。

売上高は、

2.23億円 → 3.13億円

となり約40.1%増です。

データ処理・解析サービスは約47.4%増えています。

Liberawareが単なるドローンメーカーで終わるのか、それとも

ドローン+データ+AI+クラウド

の会社になれるのか。

企業価値を大きく左右する部分です。

私は機体販売以上に、このデジタルツイン事業の成長を評価します。

建設SBIRは「研究」から「売上を作る段階」へ

国土交通省の建設SBIR案件は重要な転換点を迎えました。

最大交付額は4.7億円です。

これまで研究開発段階でしたが、2026年7月から事業化しています。

遠隔自動ドローン

3次元化

AI点検

施工管理DX

などの営業展開を開始しました。

ここから先は「開発しました」だけでは評価できません。

何社へ導入されたのか

いくら売上になったのか

を見る段階です。

2027年7月期の23億円達成に、この事業がどれだけ寄与するかを確認します。

鉄道SBIRは最大52億円

鉄道施設の維持管理効率化を目的としたSBIRは、最大交付額52億円の大型案件です。

現在は量産試作機の開発・検証を進めています。

また、

作業依頼

ドローン飛行

3次元データ化

まで一気通貫で支援する鉄道点検ソリューションを構築しています。

この案件が本格商用化すれば、現在15億円程度の年間売上しかないLiberawareにとって非常に大きな事業になる可能性があります。

ただし、

最大52億円=Liberawareの売上52億円

ではありません。

補助金プロジェクト規模と商用売上は分けて考えます。

2027年7月期は売上44.2%増

次期予想は、

売上高 23億円
営業損失 ▲28.98億円
経常損失 ▲11.06億円
純損失 ▲11.09億円

です。

売上高は44.2%増を計画しています。

これが達成できれば今回の13.4%成長から大きく加速します。

私は2027年7月期について、

利益より売上23億円を達成できるか

をまず見ます。

今回、6月に修正した売上予想すら下回ったため、会社計画に対する信用度は以前より下げて見る必要があります。

営業赤字28.98億円だけを見るのも少し違う

次期は営業赤字が23.97億円から28.98億円へさらに拡大します。

非常に悪く見えます。

ただし次期にはSBIR関連研究開発費19.92億円が含まれています。

一方、SBIR補助金収入17.85億円は営業外収益です。

そのため営業利益だけを見ると、

研究開発費は営業費用

補助金は営業外収益

という会計上のずれがあります。

営業赤字28.98億円だけを見て「事業が29億円赤字」と単純に考えるのは適切ではありません。

ただし研究開発費19.92億円を機械的に除いても、営業損益は約9億円の赤字です。

まだ本業そのものが黒字化したわけではありません。

2028年7月期が本当の勝負

私はLiberawareについて、2027年7月期より2028年7月期がさらに重要だと考えます。

2027年7月期は、

建設SBIR事業化

鉄道量産試作

下水道展開

HINOTATE立ち上げ

国産無人機開発

など、まだ投資段階です。

重要なのは、

2027年7月期に23億円を達成

SBIR成果が商用案件化

2028年7月期に研究開発負担が低下

赤字が急速に縮小

という流れを作れるかです。

ここまで見えれば株価評価は大きく変わると思います。

営業CF▲6.24億円

営業活動によるキャッシュ・フローは▲6.24億円です。

前年の▲3.63億円からキャッシュ流出は拡大しました。

投資CFも▲1.43億円です。

営業CFと投資CFを単純に合計すると、

約▲7.68億円

です。

現在は利益だけでなく現金も使って成長している段階です。

現金8.32億円と資金調達

期末現金は8.32億円です。

一方、株式発行によって約11.04億円を調達しました。

短期借入金2億円は返済し、自己資本比率は61.4%まで改善しています。

財務安全性だけを見れば悪くありません。

ただし利益によって自己資本が増えたのではなく、増資の効果が大きいです。

発行済株式数は、

1889万6600株 → 1986万8700株

へ約5.1%増えました。

グロース企業では資金調達は必要ですが、既存株主にとっては希薄化になります。

今後も、

成長投資→増資→希薄化

を繰り返すのか、

成長投資→売上拡大→自力で資金を生む

段階へ移れるのかが重要です。

HINOTATEにはかなり期待している

2026年8月21日に100%子会社HINOTATEを設立しました。

事業内容は、

国産デュアルユース無人機
フィジカルAI
無人システム
国内サプライチェーン
防災・災害対応
重要インフラ
安全保障

です。

Liberawareの企業価値を大きく変える可能性があります。

従来は「狭小空間点検ドローン」が中心でした。

これが、

国産無人機プラットフォーム企業

へ広がる可能性があります。

ただし現時点では売上実績はありません。

私は期待材料としては★★★★★ですが、業績評価にはまだ入れ過ぎません。

今回の発表日問題とHINOTATEは別に考える

今回、発表日が11日から14日になったからといって、

「HINOTATEで何か重大な問題があった」

「監査法人と揉めた」

「決算数字に問題があった」

などと推測する根拠はありません。

今回の決算短信にも、そのような記述はありません。

したがって私はそこまでは疑いません。

ただし、

発表日をめぐる情報管理そのものは改善してほしい

と考えます。

特に今後、安全保障・公共インフラ・国家プロジェクトなど大きな事業を扱う会社になるのであれば、技術力だけでなく管理体制の信頼性も重要になります。

私ならどう売買するか

今回の決算を見て、私はすぐには売却しません。

将来材料はかなり大きいからです。

一方で、今回は追加買いも急ぎません。

次に私が確認したいのは、

2027年7月期第1四半期の売上成長率

です。

23億円を達成するには単純平均で四半期約5.75億円必要です。

季節性はありますが、第1四半期から前年を大きく上回る売上が必要になります。

特に、

デジタルツイン

下水道

建設DX

鉄道

新規領域

の売上が伸び始めているかを確認します。

それが確認できれば追加買いを再検討します。

今回の私の結論

今回のLiberawareの2026年7月期決算について、私は前回より厳しく評価を下げます。

売上は13.4%増えました。

デジタルツイン事業は40%増。

建設SBIRは事業化へ入り、鉄道SBIR、下水道、HINOTATE、国産無人機など将来材料も非常に大きいです。

しかし今回の決算には無視できない問題があります。

6月に売上予想を17~19億円まで下方修正したにもかかわらず、実績は15.95億円でした。

営業損失・経常損失・純損失も修正予想レンジを下回っています。

さらに市場では9月11日が決算発表予定日として認識されていたにもかかわらず、実際の発表は9月14日となり、その理由は今回の決算短信では説明されていません。

したがって、今回の決算そのものの総合評価は★★☆☆☆とします。

ただし、中長期の事業成長期待は★★★★☆です。

ここは分けて考えます。

私は、

保有は継続

追加買いは一旦待つ

という判断です。

今後最も重要なのは、

発表予定や業績予想の信頼性を回復しながら、2027年7月期の売上23億円を本当に達成できるか。

そしてその先に、

SBIR・下水道・鉄道・HINOTATEへの巨額投資を、2028年7月期以降の急速な赤字縮小へつなげられるか。

ここです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次