アシックス(7936)が2026年8月14日に発表した2026年12月期中間決算を分析します。
売上高は5344億8300万円で前年同期比32.7%増、営業利益1204億8600万円で48.5%増、経常利益1165億9800万円で48.3%増、親会社株主に帰属する中間純利益は821億7100万円で53.3%増となりました。
営業利益率は前年同期の約20.1%から22.5%へ上昇し、売上高・営業利益とも中間期として過去最高です。さらに為替影響を除いても売上22.0%増、営業利益37.7%増ですので、円安だけで作った好決算ではありません。
会社は通期予想も大幅に上方修正しました。
私は今回を、スポーツスタイル、オニツカタイガー、ランニングが世界的に伸び、売上成長と利益率改善が同時に進んだ非常に強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 5344.83億円、32.7%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 1204.86億円、48.5%増 |
| 営業利益率 | ★★★★★ | 約20.1%→22.5%へ改善 |
| パフォーマンスランニング | ★★★★★ | 19.3%増収、24.8%増益 |
| スポーツスタイル | ★★★★★ | 83.0%増収、103.0%増益 |
| オニツカタイガー | ★★★★★ | 35.9%増収、38.3%増益 |
| 地域別 | ★★★★★ | 全地域で増収増益 |
| 通期予想 | ★★★★★ | 営業利益1710億円→1950億円へ上方修正 |
| 進捗率 | ★★★★★ | 通期営業利益の約61.8%を上期で達成 |
| 特殊要因 | ★★★★☆ | 為替追い風あり。ただし為替除外でも営業利益37.7%増 |
| CF | ★★★★★ | 営業CF588億円、単純FCF約448億円 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率46.3%→52.8% |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年間28円→44円へ大幅増配 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 高成長・利益率改善・上方修正が揃う |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はアシックスを保有継続します。
売上32.7%増、営業利益48.5%増だけでも非常に強いですが、さらに利益率上昇、通期上方修正、増配まで揃っています。
追加買いも前向きです。ただしこれだけ強い決算は株価にも織り込まれやすいため、決算後の急騰を追うより、調整した場面で追加したいです。
営業利益48.5%増、利益率22.5%へ
売上高は4027億9800万円から5344億8300万円へ増え、営業利益は811億3200万円から1204億8600万円へ拡大しました。
売上総利益も2284億円から3063億円へ34.1%増えています。
営業利益率は約20.1%から22.5%へ2.4ポイント改善しました。
さらに為替影響を除いても営業利益37.7%増です。
今回のアシックスは、単純に販売数量を増やしているだけではなく、高付加価値商品の拡大によって売上以上のペースで利益を伸ばしている点が非常に強いです。
スポーツスタイルが利益倍増
今回最大の成長エンジンはスポーツスタイルです。
売上高は1231億8600万円で83.0%増、カテゴリー利益は419億2300万円で103.0%増となりました。
カテゴリー利益率も約34.0%まで上昇しています。
北米・欧州を中心に主力商品が伸び、新商品も好調です。為替影響を除いても売上65.6%増、利益86.4%増ですので、実質的な成長率も非常に高いです。
ここまで来るとアシックスは「ランニングシューズ会社」というより、世界的なスポーツ・ライフスタイルブランドへ評価を変えつつあると考えます。
オニツカタイガーも高収益
オニツカタイガーは売上895億3300万円で35.9%増、カテゴリー利益355億7800万円で38.3%増でした。
カテゴリー利益率は39.7%と非常に高水準です。
2027年1月からOT GROUPとして分社化し、より独立性の高い経営体制へ移行します。2027年には米国市場への再進出も予定しています。
売上成長だけでなく高い利益率を維持しているため、今後のアシックスの企業価値を押し上げる重要な事業です。
ランニングも依然として強い
パフォーマンスランニングは売上2206億5200万円で19.3%増、カテゴリー利益580億8200万円で24.8%増でした。
スポーツスタイルほど派手ではありませんが、依然として最大の売上カテゴリーです。
高付加価値商品への集中が奏功し、欧州、オセアニア、東南・南アジアなどで伸びています。
主力のランニングが二桁成長を続けながら、スポーツスタイルとオニツカタイガーがさらに速いペースで伸びる現在の事業構成はかなり良いです。
全地域増益、特に北米と欧州が強い
地域別でも全地域が増収増益です。
北米は28.1%増収、86.0%増益。欧州は46.4%増収、63.1%増益となりました。
為替影響を除いても北米の利益は74.9%増、欧州は43.8%増です。
日本も32.2%増益、中華圏32.0%増益、東南・南アジア40.4%増益となっており、特定地域だけに依存した成長ではありません。
唯一、オセアニアは円換算では14.2%増益ですが、為替影響を除くと3.2%減益ですので、ここは次回確認したいです。
特殊要因を除いても非常に強い
今回は固定資産売却益31億4800万円があります。
一方で、転身支援等費用67億1700万円、海外事業関連損失25億1100万円、減損損失5億5900万円なども発生しています。
つまり一時的な利益だけで最終利益を押し上げた決算ではありません。
むしろ大きな特別損失を吸収して純利益53.3%増を達成しています。
私は純利益以上に、営業利益48.5%増、為替影響除外でも37.7%増を重視します。
通期営業利益を1950億円へ上方修正
会社は通期予想を大幅に引き上げました。
売上高 9500億円 → 1兆500億円
営業利益 1710億円 → 1950億円
純利益 1100億円 → 1200億円
となりました。
中間期時点の進捗率は、
売上高 約50.9%
営業利益 約61.8%
経常利益 約61.7%
純利益 約68.5%
です。
上方修正後でも営業利益はすでに6割を超えています。
下期に必要な営業利益は約745億円で、上期の1205億円を大きく下回ります。季節性はありますが、現時点ではかなり余裕のある進捗です。
CF・財務も強い
営業CFは588億2900万円で、前年464億1100万円から増加しました。
投資CFは140億4100万円のマイナスですので、単純なFCFは約447億8800万円のプラスです。
売掛金が大きく増えている一方、商品・製品在庫は前期末1743億円から1699億円へ減少しています。売上が大幅に増える中で在庫を膨らませていない点も評価できます。
自己資本比率は46.3%から52.8%へ改善し、現金及び預金も1414億円まで増えています。
利益成長だけでなく財務体質も良くなっています。
年間配当は28円から44円へ
2026年12月期の年間配当は、中間20円、期末24円の44円予定です。
前期28円から16円増配となり、増配率は約57%です。
当初予想38円からも6円引き上げられました。
利益成長をしっかり株主還元へつなげている点も高く評価します。
私ならどう売買するか
私はアシックスをそのまま保有します。
営業利益48.5%増という数字だけでなく、スポーツスタイル103%増益、オニツカタイガー38%増益、ランニング25%増益と、中身も非常に強いです。
さらに為替影響を除いても高成長で、通期予想も上方修正されています。
現在の保有分を維持し、株価が大きく調整する場面では追加買いを検討します。
次の決算で見るポイント
最重要はスポーツスタイルです。83%増収、103%増益という高成長をどこまで維持できるかを見ます。
次にオニツカタイガーの高利益率、北米・欧州の成長、通期営業利益1950億円への進捗を確認します。
また転身支援費用など構造改革後に、利益率がさらに高まるかにも注目します。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、スポーツスタイルとオニツカタイガーが同時に失速し、営業利益率が明確に低下する場合です。
また、高価格商品の販売が鈍化して在庫が急増する、北米・欧州の成長が止まる、上方修正した営業利益1950億円が再び下方修正される場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回のアシックスの中間決算は、文句なく非常に強い好決算です。
売上高32.7%増、営業利益48.5%増、純利益53.3%増。営業利益率は22.5%まで上昇しました。
しかも為替影響を除いても営業利益37.7%増です。
スポーツスタイルは103%増益、オニツカタイガー38.3%増益、パフォーマンスランニング24.8%増益。全地域でも増収増益となっています。
通期営業利益を1950億円へ上方修正しても進捗率は61.8%、年間配当も28円から44円へ大幅増配です。
そのため今回の総合評価は★★★★★です。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点で今後最も重要なのは、現在の好調を単なるスニーカーブームで終わらせないことです。
ランニングの競争力を維持しながら、スポーツスタイルとオニツカタイガーを世界的な高収益ブランドへ育て、20%を超えた営業利益率を維持できるか。
ここが次の焦点です。
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