物語コーポレーション(3097)が2026年8月10日に発表した2026年6月期決算を分析します。
売上高は1516億8900万円で前期比22.4%増、営業利益121億4500万円で31.4%増、経常利益121億2200万円で34.1%増、親会社株主に帰属する当期純利益は87億4300万円で42.0%増となりました。
営業利益率も7.4%から8.0%へ改善し、国内既存店売上も直営店5.0%増、FC店3.3%増です。さらに国内63店舗、海外59店舗を新規出店し、期末店舗数は919店舗まで拡大しました。
私は今回を、既存店成長、新規出店、利益率改善、海外展開が同時に進んだ非常に強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 1516.89億円、22.4%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 121.45億円、31.4%増 |
| 営業利益率 | ★★★★★ | 7.4%→8.0%へ改善 |
| 焼肉 | ★★★★★ | 直営売上695.99億円、12.8%増 |
| ラーメン | ★★★★★ | 250.88億円、15.2%増 |
| ゆず庵 | ★★★★★ | 256.09億円、23.8%増 |
| 新業態 | ★★★★☆ | 93.51億円、20.2%増 |
| 海外 | ★★★★★ | 142.30億円、202.1%増。ただし連結範囲の影響あり |
| 2027年6月期予想 | ★★★★☆ | 売上14.1%増、営業利益14.1%増 |
| CF | ★★★★★ | 営業CF160.33億円、FCF約51.06億円 |
| 財務 | ★★★★☆ | 自己資本比率54.1% |
| 株主還元 | ★★★★★ | 43円→46円へ増配、累進配当方針 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 国内出店+海外拡大で二桁成長継続へ |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私は物語コーポレーションを保有継続します。
営業利益31.4%増だけでなく、既存店も成長しながら出店を拡大し、営業利益率まで改善しています。キャピタルゲイン目的でもかなり評価できる内容です。
ただし次期の純利益予想は0.1%増とほぼ横ばいです。私は売却する水準ではありませんが、追加買いは株価が大きく上昇したところを追わず、押し目で考えます。
売上22.4%増、営業利益31.4%増
売上高は1239億2100万円から1516億8900万円へ増加し、営業利益は92億4200万円から121億4500万円へ伸びました。
営業利益率も7.4%から8.0%へ改善しています。
原材料、人件費など外食産業を取り巻くコストは上昇していますが、都市型価格の導入などの価格改定、新型特急レーンや配膳ロボットなど店舗DXへの投資によって収益性を高めています。
単純な出店による増収だけではなく、売上以上のスピードで利益が伸びている点が今回の一番の強さです。
焼肉きんぐだけではなく全カテゴリーが成長
主力の焼肉カテゴリーは直営売上695億9900万円で12.8%増でした。
丸源ラーメンなどのラーメンカテゴリーも15.2%増、ゆず庵は23.8%増、専門店・新業態も20.2%増となっています。
国内既存店売上も直営店5.0%増、FC店3.3%増です。
新規出店だけで売上を増やしているのではなく、既存店も成長しています。
特にゆず庵の23.8%増は強く、焼肉きんぐ以外にも利益成長を支えるブランドが育っていることを評価します。
海外売上202%増は期待大。ただし数字は少し割り引く
海外売上は142億3000万円で前期比202.1%増となりました。
中国の「肉肉大米」に加えて、シンガポール、台湾、タイへ進出し、フィリピンには焼肉きんぐ海外1号店を出店。米国ではHIBACHI STEAK HOUSEをグループ化しました。
海外店舗数は111店舗まで増えています。
ただし2026年6月期からStorytellers USAと傘下6社の損益計算書を連結しているため、海外売上202%増をすべて既存事業の成長とは見ません。
それでも海外59店舗を1年間で出店しており、国内外食企業から海外成長企業へ変化できるかは今後の株価にとって大きな材料です。
純利益42%増には税効果もある
営業利益31.4%増に対して純利益は42.0%増となっています。
本業が強いことは間違いありませんが、法人税等調整額が前年1億3200万円のプラスから、今期はマイナス7億100万円となっています。
この税効果も純利益を押し上げています。
また為替も前年1億600万円の差損から今期1億9300万円の差益へ改善しました。
そのため私は純利益42%増より、営業利益31.4%増を本来の実力として重視します。
2027年6月期も二桁営業増益を計画
2027年6月期予想は、
売上高 1730億8400万円
営業利益 138億6400万円
経常利益 136億1900万円
純利益 87億5600万円
です。
売上高14.1%増、営業利益14.1%増、経常利益12.3%増を計画しています。
一方、純利益は0.1%増とほぼ横ばいです。
今回の資料では純利益だけ伸びない具体的な理由までは詳しく示されていませんので、勝手に理由を作ることはしません。
私はむしろ、営業利益をさらに14.1%伸ばす計画であることを重視します。
CFは大幅改善
営業CFは160億3300万円で、前期118億3900万円から大きく増加しました。
投資CFは109億2700万円のマイナスで、主に新規出店に伴う有形固定資産取得へ100億3900万円を使っています。
単純な営業CF+投資CFでは約51億600万円のプラスです。前年は約21億円のマイナスでしたので大きく改善しました。
積極出店を続けながらFCFをプラスにできている点は非常に良いです。
財務と株主還元
総資産869億9700万円、純資産472億1500万円、自己資本比率は54.1%です。
長期借入金などは増加していますが、営業CFに対する有利子負債比率は1.0年ですので、現在の出店ペースを支えられる財務体力はあります。
配当は2026年6月期の43円から、2027年6月期は46円へ増配予定です。
会社は連結配当性向20%以上を目安に、1株当たり配当を安定的・持続的に増やす累進配当を目指す方針も示しています。
私ならどう売買するか
私は現在の保有を継続します。
売上22.4%増、営業利益31.4%増、既存店成長、営業利益率改善、海外展開という組み合わせなら、今回売却する理由はありません。
特にこれまでの焼肉きんぐ中心の成長から、丸源ラーメン、ゆず庵、海外、新業態まで成長源が広がっている点を評価します。
追加買いも検討しますが、私は急騰時より押し目を狙います。
次の決算で見るポイント
最重要は2027年6月期の営業利益138億6400万円へ向けた進捗です。
次に国内既存店売上、焼肉きんぐ・丸源・ゆず庵の成長、海外店舗の売上と採算を見ます。
海外は店舗数や売上だけでなく、拡大によって実際に全社利益を押し上げられるかが重要です。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、国内既存店売上が継続的にマイナスへ転じ、出店によって売上だけを補う状態になった場合です。
また、海外出店を急ぎすぎて利益率やCFが悪化する、営業利益率が再び7%台前半へ低下する、2027年6月期の営業利益138億円が下方修正される場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回の物語コーポレーションの2026年6月期決算は、かなり強い好決算です。
売上高22.4%増、営業利益31.4%増、営業利益率も7.4%から8.0%へ改善しました。
国内既存店も成長し、ゆず庵23.8%増、ラーメン15.2%増、焼肉12.8%増。さらに海外売上は連結範囲の影響を含むものの202.1%増です。
2027年6月期も営業利益14.1%増を計画し、年間配当も43円から46円へ増配します。
そのため今回の総合評価は★★★★★です。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点で次に重要なのは、焼肉きんぐをさらに増やすことだけではありません。
丸源・ゆず庵・新業態・海外を第二、第三の成長エンジンへ育て、現在8.0%の営業利益率を維持しながら二桁成長を続けられるか。
ここが次の焦点です。
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