オリックス(8591)2027年3月期第1四半期決算を分析|純利益161.8%増もキオクシア寄与大、今後の業績と売買判断

オリックス(8591)が2026年8月6日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。

営業収益は8766億2800万円で前年同期比17.4%増、営業利益1339億1900万円で11.7%増、継続事業からの税引前利益は4061億5000万円で178.8%増、当社株主に帰属する四半期純利益は2808億3200万円で161.8%増となりました。

非常に大きな増益ですが、今回の純利益をそのまま本業の成長とは評価できません。キオクシア株式に関する持分法投資利益、杉孝の売却益、ORIX USAのPE投資評価益などが大きく寄与しています。

一方、営業利益そのものも11.7%増えており、保険など継続的な事業も増益です。

私は今回を、本業は堅調ですが、利益161.8%増という数字にはかなり大きな特殊要因が含まれる決算と評価します。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
営業収益★★★★★8766億円、17.4%増
営業利益★★★★☆1339億円、11.7%増
利益率★★★☆☆営業利益率は約16.1%→15.3%へ低下
APAC★★★★★セグメント利益2898億円。ただしキオクシア等の寄与大
インフラ★★★☆☆セグメント利益37%減
欧米★★★★☆約6倍増益だがPE投資評価益の寄与あり
保険★★★★★16%増益、比較的安定した成長
通期予想★★★★☆純利益5300億円へ上方修正
進捗率★★★★★通期純利益の約53%を1Qで達成
特殊要因★★☆☆☆キオクシア評価益・杉孝売却益などの影響が非常に大きい
財務★★★★★株主資本5%増、株主資本比率25.8%へ改善
CF★★★☆☆第1四半期CF計算書は未作成
株主還元★★★★★年間187.36円予想、キオクシア利益を除く配当基準を採用
キャピタルゲイン期待★★★★☆高利益・増配は魅力だが特殊利益を見極めたい

売買判断

保有 ★★★★☆

追加買い ★★★☆☆

売却 ★☆☆☆☆

私はオリックスの保有を継続します。

純利益161.8%増だけを見るなら★★★★★でもよい数字ですが、今回はキオクシア関連利益などが非常に大きいため、一段割り引いて考えます。

それでも営業利益は11.7%増え、保険事業も増益、財務も改善し、年間配当予想は187.36円です。

追加買いは、第2四半期で特殊要因を除いた利益水準を確認してから考えます。

純利益161.8%増の最大要因は投資利益

営業利益は前年1199億1800万円から1339億1900万円へ11.7%増でした。

一方、持分法投資損益は194億4000万円から2079億1800万円へ急増。子会社・持分法投資売却損益等も63億800万円から643億1300万円へ増えています。

これによって税引前利益は1457億円から4062億円へ約2.8倍になりました。

特にAPAC事業では、東芝が保有するキオクシア株式の売却益・評価益をTB投資事業有限責任組合経由で取り込んだことが大きく寄与しています。

さらに杉孝の株式売却益も計上しました。

したがって私は今回、純利益2808億円より営業利益1339億円を本業を見る数字として重視します。

APACは455%増益だがそのまま評価しない

APACのセグメント利益は前年522億円から2898億円へ455%増となりました。

ただし増益の中心はキオクシア関連利益と杉孝売却益です。

これは非常に大きな利益ではありますが、毎四半期発生する利益ではありません。

キャピタルゲインという意味では株主資本を増やすプラス材料ですが、オリックスの基礎的な収益力が5倍になったと考えるべきではありません。

保険は安定、インフラは減益

保険事業は生命保険料収入・運用益の増加により、セグメント利益279億6000万円で16%増となりました。

一方、インフラは433億1700万円で37%減です。前年にホテルユニバーサルポートヴィータの売却益があった反動が影響しています。

欧米は630億円で495%増ですが、ORIX USAのPE投資評価益が大きく寄与しています。

このように今回のオリックスは、事業そのものの利益成長と投資評価・売却利益がかなり混在しています。

通期純利益5300億円へ上方修正

通期の当社株主帰属利益予想は5300億円で、前期比18.5%増です。

第1四半期ですでに2808億円を稼いでいるため、単純進捗率は約53.0%です。

ただし、第2四半期累計の純利益予想は8400億円と、通期5300億円を上回る特殊な予想になっています。

これはキオクシア株式の売却・評価損益が第2四半期に大きく計上される見込みである一方、株価によって評価額が変動するためです。

会社自身も、この利益は現金回収を伴わず、変動が大きいため、通期の「調整後純利益」は公表していません。

この点は今回の決算を見るうえで非常に重要です。

配当はキオクシア利益を除いて考える

私は今回、株主還元方針をかなり高く評価します。

年間配当予想は187.36円です。前期156.10円から増配となる見込みです。

さらに会社は、キオクシア株式の売却・評価損益を除いた調整後利益を基準として、調整後EPSの39%または年間156.10円の高い方を配当する方針へ変更しました。

つまり、非現金の評価益で配当を過度に増減させるのではなく、本来の利益を基準に還元する考え方です。

これは長期保有するうえで評価できます。

オリックス銀行売却で事業構造も変化

オリックス銀行については、大和ネクスト銀行への譲渡が2026年8月3日に完了しました。

そのため今期から銀行事業は非継続事業として扱われています。

第1四半期の非継続事業利益は44億800万円で、前年68億2500万円から減少しました。

第2四半期には銀行売却に関連する損益も計上される見込みです。

オリックスは銀行を売却する一方、投資・保険・インフラ・欧米事業などへ経営資源を再配分しており、ポートフォリオの組み替えが進んでいます。

財務は改善

総資産は18兆2564億円、株主資本は4兆7104億円です。

株主資本は前期末から5%増え、株主資本比率も24.9%から25.8%へ改善しました。

長短借入債務は約6兆3433億円から6兆3088億円へ減少しています。

利益の一部が評価益である点は考慮する必要がありますが、資本厚みが増していること自体はプラスです。

なお、第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、今回は営業CF・FCFを数字で評価できません。

私ならどう売買するか

私はオリックスをそのまま保有します。

今回の決算は純利益161.8%増という数字だけで判断すると過大評価になりやすいですが、営業利益も二桁増益で、保険などの基礎事業も伸びています。

さらに株主資本の増加と増配もあります。

ただし追加買いは急ぎません。

私は第2四半期でキオクシアや資産売却などを除いた状態でも利益成長が続いていることを確認してから増やします。

次の決算で見るポイント

最重要は「調整後利益」です。

第2四半期ではキオクシア関連の巨額利益が入るため、表面的な純利益ではなく、それを除いた利益を確認します。

次に保険、インフラ、欧米などの基礎的な事業利益、オリックス銀行売却損益、株主還元を見ます。

売却を考える条件

私が売却を考えるのは、キオクシアなどの投資利益を除くと本業利益が減少している状態が続く場合です。

また、保険やインフラなど主要事業が同時に悪化する、財務レバレッジが大きく上昇する、現在の株主還元姿勢が後退する場合も評価を見直します。

今回の私の結論

今回のオリックスの第1四半期決算は、非常に大きな利益を出したものの、数字の読み方が重要な決算です。

営業収益17.4%増、営業利益11.7%増に対し、純利益は161.8%増となりました。

ただし大幅増益の中心はキオクシア関連の持分法利益や杉孝売却益などです。

一方、本業側の営業利益も二桁増益で、保険も16%増益。株主資本比率も改善し、年間配当は187.36円の予想です。

そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。

私は保有を継続します。追加買いは特殊要因を除いた利益成長を確認してからです。

キャピタルゲインを考えるうえで次に見るべきなのは、8000億円を超える可能性のある中間純利益そのものではありません。

キオクシアの評価益や資産売却益を除いても、オリックス本来の利益が継続的に成長しているか。

ここが確認できれば、評価を★★★★★へ引き上げたいと考えます。

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