秋田銀行(8343)が2026年7月30日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
経常収益は161億2300万円で前年同期比0.3%増、経常利益44億4000万円で44.5%増、純利益35億5100万円で48.7%増となりました。
経常収益はほぼ横ばいですが、資金利益の増加と国債等債券損失の縮小によって利益が大幅に改善しています。
さらに単体のコア業務純益は52億2500万円で42.6%増となりました。
私は今回を、金利上昇による利ざや改善が本業利益へしっかり表れ、貸出残高も伸びているかなり強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 経常収益 | ★★★☆☆ | 161.23億円、0.3%増 |
| 経常利益 | ★★★★★ | 44.40億円、44.5%増 |
| 純利益 | ★★★★★ | 35.51億円、48.7%増 |
| コア業務純益 | ★★★★★ | 52.25億円、42.6%増 |
| 資金利益 | ★★★★★ | 95.40億円、19.3%増 |
| 貸出金利息 | ★★★★★ | 72.31億円、約25%増 |
| 貸出金残高 | ★★★★★ | 前年6月末比3.8%増 |
| 預金残高 | ★★★★☆ | 前年6月末比0.8%増 |
| 国債等債券損益 | ★★★★☆ | 赤字36億円→13億円へ改善 |
| 不良債権 | ★★★★★ | 比率2.57%→2.25%へ改善 |
| 通期予想 | ★★★★★ | 純利益85億円、10.5%増 |
| 進捗率 | ★★★★★ | 通期純利益41.8% |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年175円→200円へ増配予定 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 本業増益+貸出成長を高評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私は秋田銀行を保有継続します。
今回最も評価したいのは純利益48.7%増ではなく、コア業務純益が42.6%増えていることです。
貸出金利息の増加が預金金利上昇によるコスト増を上回っており、銀行本来の収益力が明確に改善しています。
追加買いも前向きに考えます。
コア業務純益42.6%増
単体のコア業務純益は36億6300万円から52億2500万円へ増加しました。
増加額は15億6200万円です。
会社は主因として、
貸出金利息の増加
有価証券利息の増加
預金・譲渡性預金利息の増加
を挙げています。
貸出金利息は前年同期比14億5700万円増、有価証券利息は10億3400万円増となりました。
一方、預金・譲渡性預金の支払利息は8億4200万円増えています。
それでも資金利益は15億4600万円増の95億4000万円となりました。
金利上昇による収入増が預金金利負担の増加を大きく上回っている状態です。
貸出金の利回りも上昇
貸出金の平均残高は前年同期の2兆605億円から2兆1284億円へ679億円増加しました。
さらに貸出金利回りは1.12%から1.36%へ0.24ポイント上昇しています。
有価証券も平均残高が8626億円から9620億円へ増え、利回りも1.33%から1.62%へ上昇しました。
銀行にとって、
残高増加+利回り上昇
が同時に進んでいます。
これは今後の利益成長を考えるうえでかなり良い形です。
貸出残高も3.8%増
貸出金末残は2兆1595億円となり、前年6月末から797億円、3.8%増えました。
個人ローン、事業先向け、国・地方公共団体向けのすべてが増加しています。
中小企業等向け貸出も1兆1414億円で3.6%増です。
再生可能エネルギー関連や市場性貸出を除いた中小企業向け貸出も3.8%増えています。
金利上昇だけに頼らず、貸出数量そのものも増えていることを評価します。
国債等債券損失も大幅縮小
国債等債券損益は13億6900万円の赤字です。
まだ赤字ですが、前年同期は36億1000万円の赤字でした。
約22億円改善しています。
金利上昇局面では債券価格が下落しやすいため、地方銀行にとって債券関連損失は大きなリスクです。
今回は、
資金利益が増加
国債等債券損失も縮小
という非常に良い組み合わせになっています。
一方、株式等関係損益は前年24億6400万円のプラスからほぼゼロまで低下しました。
それでも経常利益が40%以上増えているため、今回の増益は株式売却益頼みではありません。
不良債権も改善
金融再生法開示債権は前年6月末の542億円から492億円へ50億円減少しました。
不良債権比率も2.57%から2.25%へ改善しています。
前期末の2.40%と比較しても改善しています。
部分直接償却を実施したと仮定した場合の不良債権比率は1.90%です。
貸出を増やしながら不良債権比率が低下している点も評価できます。
通期純利益への進捗は41.8%
通期予想は、
経常利益 131億円
純利益 85億円
です。
第1四半期の進捗率は、
経常利益 約33.9%
純利益 約41.8%
となっています。
さらに上期純利益予想46億円に対しては、すでに約77%まで進んでいます。
会社は業績予想を据え置いていますが、第1四半期としてはかなり高い進捗です。
今後、大きな信用コストや市場損失が発生しなければ、上方修正余地も意識できます。
年間配当200円へ増配
2027年3月期の年間配当予想は200円です。
前期175円から25円増、約14%の増配となります。
中間100円、期末100円を予定しています。
利益成長と増配が同時に進んでいるため、保有継続の魅力も高まっています。
私ならどう売買するか
私は現在の保有を維持します。
今回評価しているのは、
経常利益44.5%増
純利益48.7%増
コア業務純益42.6%増
資金利益19.3%増
貸出金残高3.8%増
不良債権比率2.25%へ改善
年間配当200円へ増配
です。
株式売却益が大きく減ったにもかかわらず利益を伸ばしている点も強いです。
追加するなら、銀行株全体が調整する場面で買いたいです。
今回の私の結論
今回の秋田銀行の第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
経常収益は0.3%増にとどまりましたが、経常利益44.5%増、純利益48.7%増となりました。
本業のコア業務純益も42.6%増です。
貸出金と有価証券の残高・利回りがともに上昇し、預金金利負担を上回る資金利益を確保しています。
さらに国債等債券損失は大幅に縮小し、不良債権比率も改善しました。
そのため今回の総合評価は★★★★★とします。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点では、
貸出残高を伸ばしながら金利上昇による利ざや改善を利益へ取り込み、債券損失と信用コストを抑えられるか。
ここが次の焦点です。
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