長府製作所(5946)2026年12月期中間決算を分析|営業利益637%増、価格改定と原価低減で収益性が急回復

長府製作所(5946)が2026年8月7日に発表した2026年12月期中間決算を分析します。

売上高は211億2900万円で前年同期とほぼ横ばいでしたが、営業利益は5億6100万円で637.5%増、純利益は9億9100万円で645.3%増となりました。

一方、経常利益は12億4800万円で16.6%減です。これは8億500万円の匿名組合投資損失を計上したためです。

私は今回を、売上成長は弱いものの、値上げと原価低減によって本業利益が大幅に回復した決算と評価します。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
売上高★★★☆☆211.29億円、ほぼ横ばい
営業利益★★★★★5.61億円、637.5%増
営業利益率★★★★★約0.4%→2.7%へ改善
売上総利益率★★★★★約20.7%→22.9%へ改善
給湯機器★★★☆☆0.8%減
空調機器★★★★☆3.9%増
通期予想★★★★☆営業利益24億円、40.2%増へ修正
進捗率★★★☆☆営業利益23.4%、下期加速が必要
特殊要因★★★☆☆匿名組合投資損失8.05億円
CF★★★★★営業CF48.57億円
財務★★★★★自己資本比率91.9%
配当★★★☆☆年間46円据え置き
キャピタルゲイン期待★★★★☆本業回復継続なら再評価余地

売買判断

保有 ★★★★☆

追加買い ★★★☆☆

売却 ★☆☆☆☆

私は長府製作所を保有継続します。

今回評価するのは純利益645%増ではなく、売上横ばいでも営業利益を大きく増やしたことです。

ただし通期営業利益24億円に対して中間期進捗は23.4%しかありません。

追加買いは、第3四半期で利益加速を確認してからでも遅くないと考えます。

値上げと原価低減で利益率が急改善

売上高は211億4000万円から211億2900万円へほぼ変わっていません。

一方、売上原価は167億6500万円から162億9200万円へ減少しました。

その結果、売上総利益は43億7400万円から48億3700万円へ増加し、売上総利益率も約20.7%から22.9%へ上昇しています。

前年6月から実施した製品価格改定と、原材料価格上昇に対する原価低減策が効きました。

営業利益率も約0.4%から2.7%へ改善しています。

今回の最大のポイントは、売上を増やさなくても利益を増やせる収益構造へ戻ってきたことです。

空調機器は好調、給湯機器は横ばい

主力の給湯機器は110億3700万円で0.8%減でした。

高効率タイプのエコフィールやエコジョーズは好調でしたが、部門全体ではわずかに減収です。

一方、空調機器は69億3700万円で3.9%増。ハウスメーカー向けヒートポンプ式熱源機が伸びました。

ソーラー機器・その他も4.4%増です。

今後はウルトラファインバブル機能を搭載した給湯器が、販売数量や単価上昇につながるかを見たいです。

経常利益16.6%減は本業悪化ではない

営業利益が大幅増なのに、経常利益は16.6%減となっています。

原因は匿名組合投資損失8億500万円です。

一方、受取利息6億7100万円、受取配当金2億7000万円など、長府製作所は金融収益自体もかなり大きい会社です。

私は今回、経常利益より営業利益5億6100万円の改善を重視します。

ただし今後も投資関連損失が続くようなら評価を下げます。

純利益645%増にも前年の特殊要因

純利益は1億3300万円から9億9100万円へ急増しました。

ただし前年には製品補償損失引当金繰入額15億円という大きな特別損失がありました。

今回はこの損失がありません。

したがって純利益645%増をそのまま本業成長とは見ません。

本業は637%増益というより、「前年の極端な低利益状態から正常化した」と見る方が適切です。

通期営業利益24億円へ上方修正

最新の通期予想は、

売上高 480億円
営業利益 24億円
経常利益 46億円
純利益 32億円

です。

前期比では営業利益40.2%増、純利益47.1%増を計画しています。

中間期の進捗率は売上44.0%、営業利益23.4%、経常利益27.1%、純利益31.0%です。

営業利益24億円を達成するには下期だけで約18億3900万円必要です。

そのため、中間期の大幅増益率だけを見て安心できる進捗ではありません。

第3四半期からさらに利益率を高められるかが重要です。

財務は圧倒的に強い

自己資本比率は91.9%です。

現金・有価証券に加えて、投資有価証券を915億7600万円保有しています。

短期借入金は3000万円程度しかありません。

営業CFも48億5700万円で、投資CF24億3600万円のマイナスを差し引いても単純FCFは約24億2100万円のプラスです。

財務安全性という点では文句のない水準です。

一方、総資産のかなり大きな部分を投資有価証券が占めるため、今後は本業の収益力だけでなく資産効率をどう改善するかも株価評価には重要です。

私ならどう売買するか

私は現在の保有分を維持します。

価格改定と原価低減によって営業利益率が0.4%から2.7%へ改善し、通期営業利益も40%増を見込んでいます。

一方、売上は横ばいで、通期営業利益への進捗も23%です。

そのため今は積極的に増やすより、第3四半期で営業利益率がさらに上昇するかを確認してから追加買いを考えます。

今回の私の結論

今回の長府製作所の中間決算は、本業の利益回復を確認できる良い決算です。

売上はほぼ横ばいながら、営業利益は5億6100万円へ大幅増加しました。

価格改定と原価低減によって粗利益率が改善している点を高く評価します。

一方、匿名組合投資損失8億500万円によって経常利益は減益となり、通期営業利益への進捗もまだ23.4%です。

そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。

私は保有を継続し、追加買いは下期の利益加速を確認してからにします。

キャピタルゲインという視点では、

価格改定だけに頼らず、ウルトラファインバブル給湯器や空調機器を伸ばして営業利益率をさらに高められるか。

ここが次の焦点です。

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