しまむら(8227)が2026年6月29日に発表した2027年2月期第1四半期決算を分析します。
売上高は1816億6300万円で前年同期比7.9%増、営業利益178億9000万円で16.8%増、経常利益187億9400万円で18.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は128億5700万円で19.0%増となりました。
売上の伸びを上回って利益が増えており、営業利益率も前年の約9.1%から9.8%へ改善しました。主力のしまむらだけでなく、アベイル、バースデイ、シャンブル、台湾事業まで幅広く増収となっています。
私は今回を、節約志向が強い消費環境の中でも商品力と販売力で売上を伸ばし、利益率まで改善した強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★☆ | 1816.63億円、7.9%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 178.90億円、16.8%増 |
| 営業利益率 | ★★★★★ | 約9.1%→9.8%へ改善 |
| しまむら事業 | ★★★★★ | 売上7.3%増、PB・夏物・キャラクター商品好調 |
| アベイル | ★★★★★ | 売上9.6%増 |
| バースデイ | ★★★★☆ | 売上6.2%増 |
| シャンブル | ★★★★★ | 売上19.4%増 |
| 海外事業 | ★★★★★ | 台湾売上17.3%増 |
| 通期予想 | ★★★★☆ | 営業利益668.42億円、8.7%増を据え置き |
| 進捗率 | ★★★★★ | 通期営業利益の26.8%、上期計画の55.8% |
| 特殊要因 | ★★★★★ | 大きな一時利益に頼らず営業増益 |
| CF | ★★★☆☆ | 営業CFは黒字転換、投資CFは有価証券取得で大幅赤字 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率85.4% |
| 株主還元 | ★★★★★ | 分割調整後で実質増配 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★☆ | 利益率改善継続なら上振れ期待 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はしまむらを保有継続します。
今回の決算は売上7.9%増に対して営業利益16.8%増と、利益成長の方が明確に強くなっています。
第1四半期だけで上期営業利益計画の55%以上を達成しており、現時点では通期計画に対してかなり良いスタートです。
追加買いも前向きですが、第1四半期は記録的な暑さによる夏物需要の追い風もあったため、株価が急騰する場面より押し目で増やしたいです。
売上以上に利益が伸びた
売上高は1683億6900万円から1816億6300万円へ7.9%増えました。
営業利益は153億1100万円から178億9000万円へ16.8%増加しています。
営業利益率は約9.1%から9.8%へ改善しました。
売上総利益率は前年とほぼ同水準ですが、販管費の伸びを売上増加より抑えたことで営業利益率が改善しています。
つまり今回の増益は、単純な値上げや原価改善だけではなく、売上拡大によって固定費を吸収し、収益性を高めた結果と見ることができます。
主力しまむらは7.3%増収
しまむら事業の売上高は1308億2700万円で7.3%増となりました。
PBでは「FIBER DRY」や高気温対策商品の「超COOL」が好調でした。
キャラクター商品も衣料品だけでなく雑貨へ展開を広げ、売上を伸ばしています。
オンラインストアでは店舗受取や「あわせ買い」も好調で、実店舗とECの相互送客も進んでいます。
単純に価格の安さだけではなく、PB、キャラクター、ECを組み合わせて集客力を高めている点を評価します。
アベイル・シャンブルも強い
アベイルは189億1700万円で9.6%増、バースデイは238億6300万円で6.2%増となりました。
さらにシャンブルは52億5400万円で19.4%増です。
特にシャンブルの伸びは強く、SNSやメールマガジンを利用したデジタル販促も客数増加につながっています。
主力しまむらだけに依存せず、グループ内の複数ブランドが成長していることは、今後の売上拡大という意味でプラスです。
台湾事業も17.3%増収
台湾の思夢樂は売上5億200万NTドル、円換算で25億2000万円となり前年同期比17.3%増でした。
現地インフルエンサーを活用した販促などによってブランド認知度を高めています。
海外事業自体はまだ連結売上の約1.4%と小さいですが、セグメント利益は前年3100万円から1億6700万円まで増えています。
規模が小さいため全社利益への影響は限定的ですが、将来の成長余地という意味では注目したいです。
特殊利益に頼らない増益
今回の経常利益は18.9%増、純利益は19.0%増となりました。
受取利息や配当金の増加はありますが、営業利益自体が16.8%伸びています。
特別利益はなく、逆に固定資産除売却損や減損損失など2億600万円の特別損失を計上しています。
そのため今回の利益成長は、かなり本業主導の増益と判断できます。
通期営業利益への進捗は26.8%
通期予想は変更されていません。
売上高 7291億9300万円
営業利益 668億4200万円
経常利益 688億2500万円
純利益 473億2100万円
を計画しています。
第1四半期の進捗率は、
売上高 約24.9%
営業利益 約26.8%
経常利益 約27.3%
純利益 約27.2%
です。
さらに上期営業利益計画320億6700万円に対しては55.8%まで進んでいます。
第2四半期に必要な営業利益は約141億7700万円で、第1四半期の178億9000万円を下回ります。
現時点では順調です。
CFは数字だけを見ると分かりにくい
営業CFは37億7100万円のプラスとなり、前年の34億5900万円のマイナスから改善しました。
一方、投資CFは813億5600万円のマイナスと非常に大きくなっています。
ただし、このうち有価証券取得が1680億円、償還による収入が1056億円あります。
つまり投資CFの大幅赤字は、店舗投資だけでなく資金を有価証券へ振り替えた影響が大きいです。
有形固定資産取得も169億6100万円と増えているため、成長投資自体も拡大しています。
単純なFCFだけで「キャッシュ悪化」と判断する決算ではありません。
商品在庫の増加は確認したい
商品在庫は前期末609億2300万円から780億7800万円へ約171億円増えました。
第1四半期という季節要因もありますが、売上7.9%増に対して在庫はかなり大きく増えています。
現在は夏物販売が好調ですので問題化していませんが、今後気温や消費動向が変わった場合、値下げ販売によって粗利益率へ影響する可能性があります。
次の決算では在庫増加が落ち着くかを確認します。
財務は圧倒的に強い
総資産5768億円に対して純資産4926億円、自己資本比率は85.4%です。
前期末88.1%からは低下しましたが、依然として非常に高い水準です。
現金及び預金417億円に加えて、有価証券を1794億円保有しています。
実質的な流動性は非常に厚く、借入金への依存もほぼありません。
この財務力は、店舗投資や物流・デジタル投資、株主還元を進めるうえで大きな強みです。
配当は分割調整後で実質増配
2026年2月21日に1株を3株へ株式分割しています。
2027年2月期の配当予想は中間40円、期末40円の年間80円です。
前期年間215円を分割後換算すると約71.7円ですので、実質的には約8.3円の増配となります。
利益成長に合わせて株主還元も強化している点は評価できます。
私ならどう売買するか
私はしまむらを保有継続します。
営業利益16.8%増、利益率9.8%、全主要ブランド増収、上期利益進捗55.8%という内容なら売却する理由はありません。
私は特に、しまむらだけではなくアベイル、バースデイ、シャンブルまで成長している点を評価します。
現在の保有分は維持し、株価が調整する場面では追加買いを検討します。
次の決算で見るポイント
最重要は営業利益率です。
現在9.8%まで改善しましたので、10%前後を維持できるかを確認します。
次に商品在庫、PB・キャラクター商品の販売、アベイルやシャンブルの成長、上期営業利益320億円への進捗を見ます。
第1四半期好調を受けて通期業績の上方修正が出るかにも注目します。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、既存ブランドの売上成長が止まり、営業利益率が再び大きく低下する場合です。
また、在庫だけが増えて値下げ販売が拡大する、PBやキャラクター商品の販売が失速する、通期営業利益668億円を下方修正する場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回のしまむらの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
売上高7.9%増、営業利益16.8%増、純利益19.0%増。営業利益率も約9.1%から9.8%へ改善しました。
しまむら7.3%増、アベイル9.6%増、バースデイ6.2%増、シャンブル19.4%増、台湾17.3%増と、主要事業が揃って成長しています。
通期営業利益への進捗は26.8%、上期計画に対しては55.8%です。
在庫増加は確認したいものの、財務も非常に強く、分割調整後では配当も増配となります。
そのため今回の総合評価は★★★★★です。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点で今後重要なのは、単純に低価格衣料を大量に売ることではありません。
PB・キャラクター商品・ECを活用して売上を伸ばしながら、現在9.8%まで高まった営業利益率を10%台へ引き上げられるか。
ここが実現すれば、しまむらの利益成長と株価評価はさらに一段上がる可能性があると考えます。
コメント