KDDI(9433)が2026年8月7日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は1兆4873億円で前年同期比5.1%増、営業利益は3142億円で21.1%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1955億円で22.1%増となりました。
さらに一時的な損益を除いた調整後営業利益も21.1%増、調整後純利益も21.6%増です。
つまり今回は特殊利益で数字を作ったのではなく、通信収入、金融、デバイス、AI・サイバーセキュリティ、データセンターなど本業の成長による好決算と評価できます。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★☆ | 1兆4873億円、5.1%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 3142億円、21.1%増 |
| 利益率 | ★★★★★ | 営業利益率18.3%→21.1%へ改善 |
| テレコムコア | ★★★★★ | 3.4%増収、19.5%増益 |
| パーソナルグロース | ★★★★☆ | 8.6%増収、9.3%増益 |
| ビジネスグロース | ★★★★★ | 11.7%増収、21.6%増益 |
| 通期予想 | ★★★★☆ | 調整後営業利益1.21兆円を据え置き |
| 進捗率 | ★★★★★ | 通期調整後営業利益の約26.0% |
| 特殊要因 | ★★★★★ | 調整後利益と実績値がほぼ同じ |
| CF | ★★☆☆☆ | 営業CF1135億円の赤字、金融事業の資金変動が主因 |
| 財務 | ★★★★☆ | 親会社持分比率26.6%→27.2% |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年間80円→84円へ増配予定 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 通信回復+AI・金融成長を評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はKDDIの保有を継続します。
今回最も評価するのは、売上5.1%増に対して営業利益が21.1%伸びたことです。しかも通信だけでなく、金融、AI、データセンターなど成長分野も増益に貢献しています。
追加買いも前向きです。キャピタルゲインを考えても、これまでの安定高配当株という評価から、再び利益成長株として評価される余地がある決算だと考えます。
営業利益率が大きく改善
売上高は1兆4157億円から1兆4873億円へ5.1%増えました。
営業利益は2595億円から3142億円へ21.1%増加し、営業利益率は約18.3%から21.1%へ改善しています。
さらに販管費は前年3626億円から3556億円へ減少しています。
単なる増収ではなく、コストを抑えながら利益を大きく伸ばした点が今回の強さです。
通信本体が19.5%増益
新しいセグメント区分のテレコムコアは、売上高1兆837億円で3.4%増、調整後営業利益2107億円で19.5%増となりました。
モバイル収入の増加が寄与しています。
KDDIにとって通信は利益の土台ですので、ここが再び二桁増益へ戻っていることはかなり重要です。
通信事業が安定しながら、次の成長事業へ投資できる状態になっています。
AI・データセンターは21.6%増益
キャピタルゲインという意味で特に注目したいのがビジネスグロースです。
売上高は1652億円で11.7%増、調整後営業利益は185億円で21.6%増でした。
サイバーセキュリティ、AIインテグレーション、データセンター収入の増加が牽引しています。
KDDIは通信会社ですが、今後は法人向けAI・セキュリティ・データセンターをどこまで大きな利益柱へ育てられるかが株価評価にも影響してくると考えます。
金融・ローソンも利益成長に貢献
パーソナルグロースは売上高2808億円で8.6%増、調整後営業利益555億円で9.3%増でした。
金融事業やデバイス関連収入が増加し、ローソンの持分法投資利益も増えています。
通信契約者に金融やローソンなどのサービスを組み合わせ、顧客一人当たりの価値を高める戦略が利益にも表れ始めています。
特殊利益に頼らないのが今回の強み
今回の営業利益は3142億4800万円、調整後営業利益は3142億6200万円です。
ほとんど差がありません。
調整後利益は非経常的な損益や事業ポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除いた数字ですので、今回の21%増益はほぼ本業の実力と考えてよいです。
私はここをかなり高く評価します。
通期営業利益への進捗は約26%
通期予想は据え置きです。
売上高 6兆4100億円
調整後営業利益 1兆2100億円
調整後純利益 7310億円
を計画しています。
第1四半期の進捗率は、
売上高 約23.2%
調整後営業利益 約26.0%
調整後純利益 約26.5%
です。
利益は25%を上回っており順調です。
しかも通期の調整後営業利益計画は5.0%増に対して、第1四半期は21.1%増です。
このペースが続けば、今後は上方修正も意識したくなります。
CF赤字は中身を見る必要がある
営業CFは前年3311億円のプラスから1135億円のマイナスへ転じ、FCFも2579億円のマイナスとなりました。
数字だけ見るとかなり悪いです。
ただし最大の要因は金融事業の借入金が前年3600億円増加から、今回は6640億円減少へ転じたことです。
通信本業のキャッシュ創出力が突然崩れたというより、金融事業特有の資金移動の影響が大きいため、私は今回のCFだけで業績を低評価にはしません。
一方、現金は1兆788億円から7869億円へ減っていますので、次回もCFは確認します。
財務と株主還元
総資産は18兆8542億円、親会社所有者帰属持分は5兆1271億円です。
親会社所有者帰属持分比率は26.6%から27.2%へ改善しました。
借入金・社債も全体では減少しています。
年間配当予想は前期80円から84円へ4円増配です。
さらに第1四半期には自己株式取得のため2500億円を預け金として支出しており、株主還元も引き続き強力です。
私ならどう売買するか
私はKDDIを保有継続します。
営業利益21.1%増、テレコムコア19.5%増益、ビジネスグロース21.6%増益という内容なら、売却する理由はありません。
通信本体が回復しながら、AI・データセンター・金融という成長事業も伸びています。
私は現在の保有分を維持し、株価が調整する場面では追加買いを検討します。
次の決算で見るポイント
最重要はテレコムコアです。今回19.5%増益となった通信本体の利益成長を維持できるかを見ます。
次にAI・サイバーセキュリティ・データセンターを含むビジネスグロースの二桁成長、金融・ローソンの利益拡大を確認します。
通期調整後営業利益1兆2100億円に対する進捗がさらに上振れるかも重要です。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、モバイル収入が再び減少し、テレコムコアの利益成長が止まった場合です。
また、AI・データセンターなど成長事業が失速する、金融事業を含めたCF悪化が長期化する、通期業績が下方修正される場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回のKDDIの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
売上高5.1%増に対して営業利益21.1%増、純利益22.1%増。営業利益率も約18.3%から21.1%へ改善しました。
さらにテレコムコア19.5%増益、ビジネスグロース21.6%増益と、通信本体とAI・データセンター関連が同時に伸びています。
特殊利益に頼っておらず、年間配当も80円から84円へ増配予定です。
そのため今回の総合評価は★★★★★です。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点で今後重要なのは、KDDIを単なる安定高配当の通信株で終わらせないことです。
通信本体の利益回復を維持しながら、AI・データセンター・金融を第二の成長エンジンとしてどこまで拡大できるか。
ここが次の焦点です。
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