日本精機(7287)が2026年8月7日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上収益は832億5200万円で前年同期比9.2%増、営業利益21億9100万円で44.0%増、税引前利益32億600万円で70.9%増、親会社帰属利益は15億1700万円で116.2%増となりました。
ヘッドアップディスプレイの新機種や二輪車用計器の販売が伸び、本業の営業利益が大きく改善しています。一方、純利益の倍増には前年の為替差損が今期は為替差益へ転じた効果もあります。
私は今回を、本業回復がはっきり見える良い決算ですが、通期利益への進捗はまだ低く、次の決算でも増益継続を確認したい内容と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上収益 | ★★★★☆ | 832.52億円、9.2%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 21.91億円、44.0%増 |
| 利益率 | ★★★★☆ | 営業利益率2.0%→2.6%へ改善 |
| 車載部品 | ★★★★★ | 9.3%増収、営業利益104.3%増 |
| 民生部品 | ★☆☆☆☆ | 3.66億円の営業赤字 |
| 自動車販売 | ★★★★☆ | 31.1%増益 |
| ITソリューション | ★★★★★ | 22.0%増収、61.7%増益 |
| 通期予想 | ★★★☆☆ | 営業利益140億円を据え置き |
| 進捗率 | ★★☆☆☆ | 営業利益15.7%、純利益15.2% |
| 特殊要因 | ★★★☆☆ | 為替差損から為替差益への反転あり |
| CF | ★★★★☆ | 営業CF120.44億円、FCF約98.24億円 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率67.6%、実質ネットキャッシュ |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年間80円→90円へ増配 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★☆ | HUD・二輪車計器の収益改善を評価 |
売買判断
保有 ★★★★☆
追加買い ★★★☆☆
売却 ★☆☆☆☆
私は日本精機を保有継続します。
営業利益44%増という本業の改善はかなり良く、車載部品の利益が約2倍になったことも評価できます。ただし通期営業利益140億円に対する進捗は15.7%と低いため、追加買いは第2四半期の利益加速を確認してからでも遅くないと考えます。
本業はしっかり改善
売上総利益は前年102億3600万円から116億5200万円へ増加し、営業利益率も約2.0%から2.6%へ改善しました。
会社はHUDの販売増加に加えて、原価・コスト管理の徹底が増益要因だったと説明しています。
つまり今回は円安だけではなく、製品ミックスとコスト改善によって営業利益が伸びている点を評価できます。
車載部品が利益成長を牽引
主力の車載部品事業は売上682億1500万円で9.3%増、営業利益18億4800万円で104.3%増となりました。
ASEAN、インド、ブラジルで二輪車用計器が堅調だったほか、HUDの新機種立ち上げと販売増加が寄与しています。
一方、民生部品は3億6600万円の営業赤字です。円安によって海外子会社からの輸入コストが上昇したことが響きました。
新たに独立セグメントとなったITソリューションは22%増収、61.7%増益と好調で、規模は小さいものの新しい利益源として注目したいです。
純利益116%増は少し割り引く
営業利益44%増に対して純利益は116.2%増となっています。
前年は為替差損が発生していましたが、今期は為替差益へ転換しました。金融収益も6億200万円から10億9900万円へ増えています。
そのため、純利益が2倍になったから本業も2倍になったとは考えません。
今回最も重要なのは、営業利益そのものが44%増えたことです。
通期進捗はまだ低い
通期予想は据え置きで、
売上収益 3200億円
営業利益 140億円
純利益 100億円
を見込んでいます。
第1四半期の進捗率は売上26.0%に対して、営業利益15.7%、純利益15.2%です。
売上は順調ですが、利益進捗は低めです。残り9か月で営業利益約118億円が必要になるため、第2四半期以降の利益加速が重要になります。
なお、完全子会社化を予定している東洋電装の業績影響は、現時点の通期予想には入っていません。
CFと財務はかなり強い
営業CFは120億4400万円、投資CFは22億2000万円のマイナスで、単純なFCFは約98億2400万円のプラスです。
前年よりCFは減少していますが、十分なプラスを確保しています。
さらに現金及び現金同等物527億円に対して借入金は約200億円。自己資本比率も66.7%から67.6%へ改善しており、財務は非常に強いです。
年間配当は90円へ増配
年間配当予想は中間45円、期末45円の90円です。
前期80円から10円増配となります。
利益回復に加えて増配も進んでいるため、キャピタルゲインを待ちながら保有しやすい状態です。
私ならどう売買するか
私は現在の保有分をそのまま維持します。
HUDと二輪車用計器の販売増加、車載部品の利益倍増、ITソリューションの成長、強い財務、増配まで揃っています。
一方で通期営業利益への進捗はまだ15.7%です。私はここで一気に買い増すより、第2四半期でも営業利益率が改善していることを確認して追加を考えます。
次の決算で見るポイント
最重要は車載部品の営業利益です。HUDの新機種効果と二輪車用計器の好調が続くかを確認します。
次に民生部品の赤字縮小、通期営業利益140億円への進捗、東洋電装の子会社化による業績影響を見ます。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、車載部品の利益改善が一時的に終わり、営業利益率が再び低下した場合です。
また、民生部品の赤字が拡大する、通期営業利益140億円が下方修正される、東洋電装の買収によって財務や利益率が大きく悪化する場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回の日本精機の第1四半期決算は、本業の回復を確認できる良い決算です。
売上収益9.2%増、営業利益44.0%増。特に主力の車載部品は営業利益104.3%増となりました。
純利益116.2%増には為替差損益の改善も含まれますが、それを差し引いても営業利益44%増は十分に強い数字です。
一方、通期営業利益への進捗は15.7%とまだ低いため、今回の総合評価は★★★★☆とします。
私は保有を継続し、追加買いは第2四半期の利益加速を確認してから考えます。
キャピタルゲインという視点では、HUDと新興国の二輪車用計器を伸ばしながら、現在2.6%の営業利益率をさらに引き上げられるかが次の焦点です。
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