ニトリHD(9843)2027年3月期第1四半期決算を分析|減収減益も営業利益率は改善、上期進捗は60%超

ニトリホールディングス(9843)が2026年8月7日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。

売上収益は2262億5900万円で前年同期比2.3%減、営業利益365億4500万円で1.1%減、税引前利益371億8300万円で0.1%増、純利益257億5700万円で1.5%減となりました。

減収減益ではありますが、営業利益率は15.9%から16.2%へ改善しています。

また、上期営業利益602億円に対する進捗率は60.7%と高く、現時点では通期計画に対して順調です。

私は今回を、既存店売上の弱さは気になるものの、物流費削減や島忠の収益改善によって利益率を維持した、見た目より悪くない決算と評価します。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
売上収益★★☆☆☆2262.59億円、2.3%減
営業利益★★★☆☆365.45億円、1.1%減
営業利益率★★★★★15.9%→16.2%へ改善
国内既存店売上★★☆☆☆前年比96.7%
国内既存店客数★★☆☆☆前年比97.5%
ニトリ事業★★★☆☆1.1%減収、1.6%減益
島忠事業★★★★☆8.8%減収でも5.3%増益
海外事業★★★★☆台湾好調、中国は収益改善を優先
上期進捗★★★★★営業利益60.7%、純利益61.2%
通期予想★★★★☆営業利益1303億円、3.8%増を維持
在庫★★★★★1221.67億円→1128.77億円へ減少
CF★★★☆☆第1四半期CF計算書は未作成
財務★★★★★親会社持分比率64.8%
株主還元★★★★☆分割後年間32円予定
キャピタルゲイン期待★★★★☆既存店回復なら上昇余地あり

売買判断

保有 ★★★★☆

追加買い ★★★☆☆

売却 ★★☆☆☆

私はニトリHDを保有継続します。

減収減益という数字だけを見ると弱いですが、営業利益率が改善し、上期計画への進捗も60%を超えています。

そのため売却を急ぐ内容ではありません。

ただし国内既存店売上が96.7%まで落ちているため、追加買いは既存店売上の回復を確認してから考えます。

国内既存店売上96.7%が最大の弱点

国内では第1四半期にニトリ10店舗、デコホーム10店舗を出店しました。

新商品の「OT001シリーズ」「折り畳めるコードレス扇風機」「ふんわりつつみこむまくら」「レンジグリルシリーズ」などは好調でした。

5月までは売上・客数とも堅調でしたが、6月は平均気温が近年より低かったことなどから季節商品の販売が伸び悩みました。

その結果、国内既存店は、

客数 97.5%
売上高 96.7%

となっています。

私は今回の決算で最も注意したいのはここです。

利益率は維持できても、既存店売上が継続的に前年割れする状態では大きな株価上昇は期待しにくいと考えます。

減収でも営業利益率は改善

売上収益は2.3%減少しましたが、営業利益は1.1%減にとどまりました。

その結果、営業利益率は、

15.9% → 16.2%

へ改善しています。

販管費は前年874億8600万円から859億1400万円へ減少しました。

配送体制の適正化による物流経費減少や、前年に発生した新物流センター稼働関連費用の一巡が寄与しています。

広告についてもテレビCMや紙媒体を見直し、SNSやYouTubeなどデジタル広告を拡大しています。

売上が弱い中でもコストコントロールによって利益率を上げたことは評価できます。

島忠は8.8%減収でも5.3%増益

島忠事業は売上272億5800万円で8.8%減となりました。

しかしセグメント利益は31億5000万円で5.3%増です。

売場面積の適正化、ニトリ店舗の出店、外部テナント誘致、共用部活用などによって収益性を改善しました。

PB商品の拡大も進めています。

家具では中高価格帯PB「yutoria」、衣料品では「Neasyシリーズ」などを展開しています。

つまり島忠は現在、

売上規模を追うより、不採算部分を整理して利益率を上げる段階

にあります。

減収でも増益になっている点は評価できます。

海外は出店拡大と収益性改善を両立

第1四半期には海外で、

台湾 3店舗
中国大陸 2店舗
タイ 1店舗

を出店しました。

海外店舗数は211店舗となっています。

台湾のデコホームは引き続き好調です。

一方、中国大陸では前年に不採算店舗の撤退や売場最適化を進め、現在は収益性を重視した店舗展開へ切り替えています。

海外事業は将来の成長余地が大きい一方、無理な店舗拡大を行わず採算を重視している点は良いと考えます。

上期営業利益への進捗は60.7%

会社の通期予想は、

売上収益 9570億円
営業利益 1303億円
税引前利益 1310億円
純利益 910億円

です。

第1四半期の通期進捗率は、

売上収益 約23.6%
営業利益 約28.0%
税引前利益 約28.4%
純利益 約28.3%

となっています。

さらに上期予想に対しては、

売上収益 約49.5%
営業利益 約60.7%
純利益 約61.2%

です。

売上の進捗より利益の進捗がかなり高くなっています。

会社は通期予想を据え置いていますが、収益面では余裕のあるスタートと見ています。

在庫減少も評価

棚卸資産は前期末の1221億6700万円から1128億7700万円へ減少しました。

約93億円の減少です。

小売企業では売上が鈍化した際に在庫が積み上がると値下げ販売や利益率悪化につながります。

今回は売上が減少している中でも在庫も減らせています。

営業債権も減少しており、運転資金管理という意味では悪くありません。

財務は非常に強い

親会社所有者帰属持分比率は62.9%から64.8%へ上昇しました。

現金及び現金同等物は1450億1000万円から1535億2300万円へ増加しています。

一方、借入金は短期・長期合計で1600億円から1500億円へ減少しました。

財務面で大きな不安はありません。

第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業CFについては中間決算で確認します。

配当は実質増配

2025年10月1日に1株を5株へ株式分割しています。

前期の配当を分割後換算すると、

中間15.4円
期末15.4円

で年間30.8円相当です。

2027年3月期は、

中間16円
期末16円
年間32円

を予定しています。

したがって実質的には増配です。

大幅な増配ではありませんが、安定した株主還元は続いています。

私ならどう売買するか

私は現在の保有分を維持します。

今回のマイナス材料は、

売上2.3%減

営業利益1.1%減

国内既存店売上96.7%

既存店客数97.5%

です。

一方、

営業利益率15.9%→16.2%

島忠5.3%増益

上期営業利益進捗60.7%

在庫約93億円減少

親会社持分比率64.8%

は評価できます。

そのため私は売却せず保有します。

ただし追加買いについては、国内既存店売上が100%を超えてくることを確認してからでも遅くないと考えます。

今回の私の結論

今回のニトリHDの第1四半期決算は、数字上は減収減益ですが、内容はそれほど悪くありません。

売上収益2.3%減、営業利益1.1%減となりましたが、営業利益率は15.9%から16.2%へ改善しました。

物流費削減などのコストコントロールが効き、島忠も減収ながら増益となっています。

さらに上期営業利益予想への進捗は60.7%です。

一方、国内既存店売上96.7%、客数97.5%という弱さは無視できません。

そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。

私は保有を継続し、追加買いは国内既存店の回復を確認してからにします。

キャピタルゲインという視点では、

高い利益率を維持しながら国内既存店を再び成長軌道へ戻し、島忠と海外事業を第二・第三の成長エンジンにできるか。

ここが次の焦点です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次