ジュンテンドー(9835)が2026年7月10日に発表した2027年2月期第1四半期決算を分析します。
営業収益は119億5900万円で前年同期比2.3%減となりましたが、営業利益は5億5200万円で17.0%増、経常利益は5億2800万円で15.3%増、四半期純利益は3億6500万円で13.8%増となりました。
売上は減っていますが、値入の改善と販管費削減によって利益率が大きく改善しています。営業利益率は前年同期の約3.9%から4.6%へ上昇しました。
一方、通期営業利益予想は4億2000万円で、第1四半期だけですでに年間予想を上回っています。会社は業績予想を据え置いているため、下期にかなり大きな利益減少を想定している形です。
私は今回を、減収でも利益を伸ばした収益改善は評価できますが、通期予想との大きな乖離を確認する必要がある決算と見ています。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 営業収益 | ★★☆☆☆ | 119.59億円、2.3%減 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 5.52億円、17.0%増 |
| 営業利益率 | ★★★★★ | 約3.9%→4.6%へ改善 |
| 売上総利益率 | ★★★★☆ | 約30.5%→30.8%へ改善 |
| 家庭雑貨・家電 | ★★★★☆ | 約2.7%増、エアコンなどが好調 |
| 農業・園芸 | ★★★☆☆ | 約3.4%減、天候不順が影響 |
| 建築・DIY | ★★★☆☆ | 約1.1%減 |
| 通期予想 | ★★☆☆☆ | 営業利益4.2億円を据え置き |
| 進捗率 | ★★★★★ | 通期営業利益の131.5% |
| 特殊要因 | ★★★★★ | 大きな一時利益に頼らない増益 |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 財務 | ★★☆☆☆ | 自己資本比率30.2%、借入負担は大きい |
| 株主還元 | ★★★☆☆ | 年間10円配当を据え置き |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★☆☆ | 利益率改善は評価、売上成長が必要 |
売買判断
保有 ★★★★☆
追加買い ★★★☆☆
売却 ★★☆☆☆
私はジュンテンドーを保有継続します。
減収にもかかわらず営業利益17%増となり、利益率が改善した点はかなり良いです。今回だけで売却する内容ではありません。
ただし追加買いは急ぎません。
最大の理由は、第1四半期営業利益5億5200万円に対して通期予想が4億2000万円しかないことです。会社が下期にどの程度の利益悪化を想定しているのかを次の決算で確認してから判断します。
減収でも営業利益17%増
営業収益は122億4500万円から119億5900万円へ2.3%減少しました。
一方、営業利益は4億7200万円から5億5200万円へ17.0%増えています。
営業利益率は約3.9%から4.6%へ改善しました。
売上高ベースの売上総利益率も約30.5%から30.8%へ小幅に上昇しています。
さらに販管費は34億2000万円から32億8800万円へ約3.9%減少しました。
つまり今回は、売上を増やした決算ではなく、値入改善とコスト削減によって収益性を高めた決算です。
ここは高く評価します。
売上減少は店舗減少と客数減が影響
会社は営業収益減少の理由として、物価上昇による買い控え、客数減少、競合との価格競争に加えて、前期の不採算店舗閉店による店舗数減少を挙げています。
商品別では家庭雑貨・家庭電器が前年26億900万円から26億7900万円へ増加しました。
省エネ基準改定による需要増加でエアコンが好調だったほか、ごみ袋やラップなども伸びています。
一方、農業・園芸は43億6400万円から42億1600万円へ減少しました。天候不順によって園芸植物、肥料、用土などが低調でした。
趣味・嗜好も15億9000万円から14億8900万円へ減少し、価格競争の影響を受けたペット用品などが不振となっています。
私は今後、店舗整理後の既存店で売上を再び成長へ戻せるかを重視します。
利益改善は本業によるもの
今回の経常利益は15.3%増、純利益は13.8%増です。
特別利益はほぼなく、固定資産除却損など約500万円の特別損失を計上しています。
前年には資産除去債務戻入益約1300万円があり、事業整理損約1100万円もありました。
今回はこうした大きな特殊要因はありません。
営業利益自体が17%増えているため、今回の利益改善は基本的に本業の収益改善によるものと評価できます。
通期予想より第1四半期利益の方が大きい
ここが今回最も重要です。
通期予想は、
営業収益 440億円
営業利益 4億2000万円
経常利益 3億円
純利益 1億5000万円
となっています。
しかし第1四半期だけで、
営業利益 5億5200万円
経常利益 5億2800万円
純利益 3億6500万円
を計上しています。
通期進捗率は、
営業収益 約27.2%
営業利益 約131.5%
経常利益 約176.1%
純利益 約243.5%
です。
さらに上期予想を見ると営業利益8億2000万円ですので、第2四半期に必要なのは約2億6700万円です。
一方、上期営業利益8億2000万円に対して通期は4億2000万円ですから、会社計画上は下期に約4億円の営業赤字となる計算です。
今回の資料では、その下期赤字予想の具体的な理由までは記載されていません。
私はここを勝手に楽観視せず、第2四半期決算で確認します。
財務は改善余地がある
自己資本比率は前期末30.5%から30.2%へわずかに低下しました。
現金及び預金は18億5300万円から25億5400万円へ増加しています。
一方、短期借入金、1年以内返済予定長期借入金、長期借入金を合わせると約148億円あります。
前期末から借入金自体は約10億円減少しており、この点は改善しています。
ただし現預金に対して借入金はまだかなり大きいため、財務は強いとは評価しません。
支払利息も前年2800万円から4700万円へ増加しています。
商品在庫はやや増加
商品在庫は131億8000万円から137億2700万円へ約5億4600万円増えました。
売上高が前年同期比2.3%減っている中で在庫が増えているため、次回は確認したいポイントです。
ホームセンターでは季節性による在庫変動もありますので、この1四半期だけで問題とは判断しません。
ただし売上低迷が長期化し、在庫だけが増える状態になると値下げ販売によって利益率を圧迫する可能性があります。
CFは次回確認
第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
そのため営業CFやFCFについては今回の資料から判断できません。
現金は増加し、借入金は減っていますので数字上は悪くありませんが、実際の営業キャッシュ創出力は中間決算で確認します。
配当は年間10円を維持
年間配当予想は10円で、前期と同額です。
今回利益が改善していますが、現時点では増配はありません。
キャピタルゲインを意識すると、今後は利益改善だけでなく増配や自社株買いなど資本効率向上策が出てくるかにも期待したいです。
私ならどう売買するか
私はジュンテンドーを保有継続します。
売上は減っていますが、値入改善と販管費削減によって営業利益率が4.6%まで上昇しました。
不採算店舗を整理しながら利益を伸ばせている点は評価できます。
一方、通期予想は第1四半期実績を下回る特殊な計画になっています。
そのため現在の保有分は維持しますが、追加買いについては第2四半期決算を確認してから判断します。
次の決算で見るポイント
最重要は売上高です。
利益率改善だけでは長期的な成長には限界がありますので、店舗整理後に既存店売上を増収へ戻せるかを確認します。
次に営業利益率4%台の維持、農業・園芸商品の回復、在庫水準、借入金減少を見ます。
そして通期営業利益4億2000万円を上方修正するのか、それとも会社が想定する下期の利益悪化が実際に発生するのかが最大の注目点です。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、減収が続いたうえに営業利益率まで再び悪化する場合です。
また、不採算店舗を整理しても既存店売上が回復しない、商品在庫と借入金が増える、現在の高い第1四半期利益にもかかわらず下期赤字が想定以上に大きくなる場合も評価を下げます。
今回の私の結論
今回のジュンテンドーの第1四半期決算は、減収ながら利益改善が進んだ決算です。
営業収益は2.3%減ですが、営業利益17.0%増、純利益13.8%増となりました。
値入改善と販管費削減によって営業利益率は約3.9%から4.6%へ上昇しています。
一方、通期営業利益予想4億2000万円に対して、第1四半期ですでに5億5200万円を計上しています。
単純計算では会社が下期に営業赤字を見込んでいる形となるため、ここは慎重に確認する必要があります。
財務も自己資本比率30.2%で、借入負担はまだ大きめです。
そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。
私は保有を継続しますが、追加買いは第2四半期で売上回復と通期予想の方向性を確認してからにします。
キャピタルゲインという視点で重要なのは、第1四半期だけの高利益ではありません。
不採算店舗整理とコスト改善で高まった利益率を維持しながら、再び売上成長へ戻せるか。
ここが次の焦点です。
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