ユー・エス・エス、USS(4732)が2026年8月4日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は312億5600万円で前年同期比14.1%増、営業利益161億5000万円で9.8%増、経常利益163億4800万円で9.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は109億4600万円で7.0%増となりました。
主力のオートオークションで出品台数4.7%増、成約台数8.4%増、成約率も62.9%から65.1%へ改善しています。好調を受けて通期業績予想を早くも上方修正しており、配当予想も年間56.40円へ修正しました。
一方、売上高14.1%増に対して営業利益は9.8%増のため、営業利益率は前年約53.7%から約51.7%へ低下しています。非常に高収益であることに変わりありませんが、この点は次回も確認したいです。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 312.56億円、14.1%増 |
| 営業利益 | ★★★★☆ | 161.50億円、9.8%増 |
| 利益率 | ★★★★☆ | 営業利益率51.7%。依然高水準だが前年より低下 |
| オートオークション | ★★★★★ | 成約台数8.4%増、成約率65.1%へ改善 |
| 買取販売 | ★★★★☆ | 14.0%増収、営業赤字から黒字転換 |
| リサイクル | ★★★★★ | 80.9%増収、営業利益約5.3倍 |
| 通期予想 | ★★★★★ | 売上・利益を上方修正 |
| 進捗率 | ★★★★☆ | 通期営業利益の25.8%、上期計画の51.9% |
| 特殊要因 | ★★★★★ | 大きな特別利益に頼らない本業中心の増益 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率76.8% |
| CF | ★★★★☆ | 営業CF43.09億円、実質FCFもプラス |
| 株主還元 | ★★★★★ | 180億円の自己株取得+年間56.40円配当 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 上方修正と強力な株主還元を評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はUSSの保有を継続します。
今回特に評価するのは、増収増益だけでなく、オートオークションの成約率改善、通期上方修正、約180億円の自己株式取得まで揃っていることです。
追加買いも前向きですが、営業利益率がやや低下しているため、決算後の急騰を追うより押し目で増やしたいと考えます。
オートオークションは数量・成約率とも改善
主力オートオークション事業は売上高242億600万円で8.5%増、営業利益157億2800万円で7.6%増となりました。
出品台数は95万台で4.7%増、成約台数は61万9000台で8.4%増。成約率は前年62.9%から65.1%まで上昇しています。さらにインターネット参加サービス「CIS」の月会費改定も増収に寄与しました。
営業利益率は約65.0%と依然として圧倒的な高収益です。
オートオークション市場全体でも成約率は66.1%から67.4%へ上昇しており、市場環境そのものが好調ですが、USS自身も成約台数を市場以上のペースで伸ばしています。
買取販売とリサイクルも改善
中古自動車等買取販売は売上高32億6200万円で14.0%増、前年2500万円の営業赤字から6500万円の黒字へ転換しました。
リサイクル事業はさらに強く、売上高34億2100万円で80.9%増、営業利益2億8400万円で433.8%増です。金属スクラップの取扱量増加や金属相場、大規模解体工事の増加が寄与しました。
オートオークション以外の利益源も改善している点はプラスです。
営業利益率低下だけは確認したい
売上総利益は173億7400万円から191億6600万円へ増えましたが、売上原価も100億1500万円から120億9000万円へ増加しています。
営業利益率は約53.7%から約51.7%へ低下しました。
もっとも51%台という利益率自体は非常に高いです。
今回はリサイクルなど売上高の伸びが大きい事業の構成比が上がっていることもありますので、利益率低下だけで悪い決算とは考えません。ただし今後50%台を維持できるかは見ていきます。
大きな特殊利益はなく利益の質は高い
特別利益は2400万円、特別損失は1900万円に過ぎません。
営業利益161億5000万円に対して極めて小さく、今回の純利益増加は資産売却益などによって作られたものではありません。
そのため今回の9.8%営業増益は、ほぼ本業の成果として評価できます。
通期予想を早くも上方修正
会社は好調な出品・成約台数を受け、通期予想を上方修正しました。
売上高は1198億円から1218億円、営業利益は610億円から626億円、純利益は416億円から426億円へ引き上げています。
第1四半期の進捗率は営業利益約25.8%、純利益約25.7%です。上方修正後でもほぼ四半期分をきっちり稼いでいます。
上期営業利益311億3000万円に対しては約51.9%まで進んでおり、順調です。
財務とCFは非常に強い
自己資本比率は76.8%で、前期末76.7%からほぼ横ばいです。
営業CFは43億900万円、投資CFは8億4500万円のマイナスですので、単純計算では約34億6400万円のプラスです。
一方、財務CFは318億800万円のマイナスとなっています。これは業績悪化ではなく、自己株式取得約180億円と配当約137億円が主因です。
現金が減っている理由が積極的な株主還元という点は重要です。
株主還元はかなり強い
2027年3月期の年間配当予想は56.40円です。前期54.70円から1.70円増配となります。
さらに5月には1033万2900株、約180億円の自己株式を取得しました。
純利益成長率は7%ですが、EPSは21.73円から23.83円へ約9.7%増えています。自己株式取得によって一株当たり利益を押し上げる効果も出ています。
キャピタルゲインを考えるうえでも、この株主還元はかなり大きな材料です。
私ならどう売買するか
私はUSSを保有継続します。
オートオークションの成約率改善、本業増益、通期上方修正、増配、約180億円の自社株買いまで揃っており、今回売却する理由はありません。
追加買いも検討しますが、営業利益率が少し低下しているため、私は株価が大きく上昇したところでは追わず、押し目で増やします。
次の決算で見るポイント
最優先はオートオークションの成約率です。今回65.1%まで改善しましたので、さらに高い水準を維持できるかを確認します。
次に出品台数・成約台数、営業利益率50%台の維持、そして上方修正後の営業利益626億円への進捗を見ます。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、出品台数と成約台数が継続的に減少し、成約率まで悪化する場合です。
また、売上は伸びても営業利益率が大きく低下していく場合や、現在の強い株主還元姿勢が後退する場合も評価を見直します。
今回の私の結論
今回のUSSの第1四半期決算は、安定した本業成長に加えて上方修正と株主還元まで揃った好決算です。
売上高14.1%増、営業利益9.8%増。オートオークション成約率は62.9%から65.1%へ改善しました。
営業利益率が53.7%から51.7%へ低下した点は注意しますが、依然として非常に高収益です。
さらに通期営業利益を626億円へ上方修正し、年間配当56.40円、約180億円の自己株式取得も実施しています。
そのため今回の総合評価は★★★★★です。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
次の焦点は、好調な中古車オークション市場を背景に成約率と高利益率を維持し、今回上方修正した626億円をさらに上回れるかです。
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