今回はかなり強い決算です。売上+20.5%に対して営業利益+51.6%、経常利益+60.6%、純利益+58.9%。さらに社会基盤システムと宇宙先端システムがしっかり伸びており、内容も良いです。
今回の決算を5段階で評価
まず最初に、今回のセックの第1四半期決算を私なりに5段階で評価してみました。
| 評価項目 | 星評価 | 私の見方 |
|---|---|---|
| 売上成長 | ★★★★☆ | +20.5%。十分に強い |
| 利益成長 | ★★★★★ | 営業利益+51.6%、純利益+58.9% |
| 利益率改善 | ★★★★★ | 売上以上に利益が伸びている |
| 社会基盤システム | ★★★★★ | 売上+33.7%。官公庁向けが好調 |
| 宇宙先端システム | ★★★★★ | 売上+22.2%。宇宙・自動走行が伸長 |
| 受注残 | ★★★★★ | 全体で+22.3%。先行きの安心材料 |
| 財務健全性 | ★★★★★ | 自己資本比率83.9% |
| 通期業績予想 | ★★★★☆ | 会社計画は保守的に見える |
| 株主還元 | ★★★★☆ | 年間62円配当予想 |
| 総合評価 | ★★★★★ | かなり良い決算。内容も質が高い |
総合評価:★★★★★(4.7 / 5)
今回の決算を一言で表すなら、
「増収だけでなく、利益率改善・受注残・成長テーマまで揃った強い1Q」
という評価です。
現時点での売買判断
保有:★★★★★ → 基本は継続保有
新規買い:★★★★☆ → 買い候補。ただし決算後の急騰は追わない
売却:★☆☆☆☆ → 今回の決算を理由に売る必要はほぼない
セック(3741)が2026年8月10日に、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
今回の数字を見て、私はかなり良い決算だったと思います。
売上高は20.5%増。
営業利益は51.6%増。
経常利益は60.6%増。
純利益は58.9%増。
単純に売上が増えただけではありません。
利益が売上以上のペースで伸びている
というのが今回の一番良いところです。
まずは1Qの数字を確認
今回の業績は次の通りです。
| 2027年3月期1Q | 前年同期比 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 27.72億円 | +20.5% |
| 営業利益 | 4.40億円 | +51.6% |
| 経常利益 | 5.17億円 | +60.6% |
| 純利益 | 3.53億円 | +58.9% |
数字だけでもかなり強いです。
特に営業利益率を見ると、
前年同期は約12.6%。
今回は約15.9%です。
売上規模を伸ばしながら利益率まで改善しています。
私はこういう決算をかなり評価します。
売上総利益の伸びが強い
損益計算書を見ると、
売上高は、
23.00億円 → 27.72億円
売上総利益は、
6.53億円 → 8.76億円
へ増加しました。
一方、販管費は、
3.63億円 → 4.35億円
です。
その結果、営業利益は、
2.90億円 → 4.40億円
まで増えています。
売上の伸びに対して販管費の増加を抑えられているため、営業レバレッジが効いています。
これは成長企業としてかなり良い形です。
単に案件数を増やして人件費も同じだけ増える会社ではなく、
売上成長が利益成長に結びついている
ことが確認できます。
社会基盤システムがかなり強い
今回一番目立つのは社会基盤システムです。
売上高は、
13.63億円
で、
前年同期比+33.7%
となりました。
司法分野をはじめとした官公庁向けの開発が引き続き好調とのことです。
しかも全社売上高に占める比率は、
49.2%
まで上昇しています。
つまり今のセックは、売上のほぼ半分を社会基盤システムが占めています。
私はここをかなり重要だと思っています。
官公庁案件は民間の景気敏感案件とは性格が違います。
案件獲得までの時間は長い一方で、受注できれば比較的長期・大型になりやすいです。
今後もこの分野が伸びるなら、業績の安定性も高まりそうです。
宇宙先端システムも+22.2%
もう一つの成長分野が宇宙先端システムです。
売上高は、
8.18億円
で、
前年同期比+22.2%
となりました。
車両自動走行の研究開発案件や、宇宙関連の開発が堅調に推移しています。
この分野もかなり面白いです。
セックというと少し地味なIT企業に見えますが、
宇宙
自動走行
官公庁
社会インフラ
というテーマを持っています。
単なる受託開発企業として見るより、先端技術に強いシステム開発企業として見たほうが実態に近いと思います。
インターネット分野は減収
もちろん全部が良いわけではありません。
インターネット分野は、
4.27億円 → 3.69億円
となり、
▲13.4%
です。
民間企業向けDX案件は増えたものの、非接触IC関連の開発ピークアウトが影響しました。
ここは少し弱いです。
ただし会社全体では社会基盤と宇宙先端が補っており、結果として20.5%増収になっています。
私は今回、インターネット分野の減収を大きなマイナス材料とは見ていません。
むしろ、
成長率の高い分野へ売上構成が移っている
と見ることもできます。
受注高より受注残を見たい
今回、少し気になるのが受注高です。
全体の受注高は、
17.18億円
で、
前年同期比66.4%
となっています。
つまり受注高そのものは前年より減っています。
一見すると少し不安です。
ただし受注残高を見ると、
80.10億円
で、
前年同期比+22.3%
です。
私は今回、受注高よりこちらを重視します。
特に社会基盤システムの受注残は、
62.31億円
前年同期比+24.1%
です。
宇宙先端システムも、
10.54億円
+20.3%
あります。
つまり、
これから売上になる案件をかなり抱えている
ということです。
1Q受注高が低かっただけで将来の売上が急減する状況には見えません。
社会基盤の受注高▲71%は少し注意
ただし社会基盤システムの受注高は、
前年同期比で、
28.8%
です。
かなり減っています。
この数字だけを見ると心配です。
ただ、受注残が62億円を超えているため、私は現時点では「受注失速」とまでは判断していません。
大型案件の受注タイミングによって四半期ごとにブレる可能性があります。
それでも次の決算では、
社会基盤の新規受注が戻ってくるか
は確認したいです。
ここが数四半期続けて弱いようなら、話は変わります。
財務はほぼ文句なし
財務についてはかなり強いです。
自己資本比率は、
83.9%
です。
前期末の82.9%からさらに上昇しました。
現金及び預金は、
約61.08億円
あります。
総資産が約119.9億円なので、資産の半分以上が現金です。
短期借入金も約1.21億円しかありません。
財務面はかなり安全です。
成長投資や配当を続ける余力もあります。
私は今回の5段階評価で財務健全性を★★★★★にしました。
経常利益が+60.6%なのは補助金の影響もある
ここは少し注意したいです。
営業利益は+51.6%。
経常利益は+60.6%。
経常利益のほうが伸びています。
理由の一つは、
補助金収入5,688万円
です。
前年同期は1,450万円でした。
つまり経常利益+60.6%のすべてが本業によるものではありません。
だから私は、
経常利益より営業利益+51.6%を重視
します。
それでも十分に強いです。
補助金を除いても本業の利益成長はかなり高いので、決算評価は変わりません。
通期予想はかなり控えめに見える
会社の2027年3月期通期予想は、
| 通期予想 | 前年比 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 118億円 | +5.2% |
| 営業利益 | 19.8億円 | +5.3% |
| 経常利益 | 23億円 | +11.5% |
| 純利益 | 15.75億円 | +4.3% |
です。
これに対して1Qは、
売上+20.5%。
営業利益+51.6%。
純利益+58.9%。
かなり差があります。
ただし会社は、
「概ね計画通り」
としており、通期予想は据え置いています。
この表現を見ると、会社にとって1Qの強さはある程度想定内だった可能性があります。
それでも、今後このペースが続けば上方修正余地は出てきそうです。
1Q進捗率もかなり良い
通期営業利益19.8億円に対して、1Q営業利益は4.40億円。
進捗率は、
約22.3%
です。
数字だけなら25%に届いていません。
ただし2Q累計会社予想は営業利益8.8億円です。
1Q時点でちょうどその半分、
4.40億円
まで進んでいます。
かなり計画通りです。
経常利益は2Q累計予想10.4億円に対して1Q5.17億円。
純利益も7.1億円に対して3.53億円。
ほぼ半分です。
つまり会社が言う、
「概ね計画通り」
はかなりその通りです。
私はここも安心材料だと思います。
配当は62円へ増配予定
2027年3月期の年間配当予想は、
62円
です。
前期は60円でした。
2円増配の予定です。
大幅増配ではありませんが、
高い自己資本比率を維持しながら継続して株主還元している
点は評価できます。
成長株でありながら無配ではないというのも、長期保有では安心感があります。
では、株はどうするか
今回の決算を見て私が保有していたなら、
基本はそのまま保有
です。
むしろ今回の数字で売却理由はほぼありません。
売上+20%。
営業利益+50%。
社会基盤+33%。
宇宙先端+22%。
受注残+22%。
自己資本比率83.9%。
かなりバランスの良い決算です。
FFRIのように「次の決算まで様子を見るための保有」ではありません。
今回のセックなら、
業績シナリオを信頼して保有を続ける
という判断です。
新規買いもかなり検討しやすい
新規買いについても私は前向きです。
今回の数字だけなら、
買いたい決算
だと思います。
ただし株価が決算後に急騰しているなら追いかけません。
会社の成長率がどれだけ高くても、株価がそれ以上に上がってしまえば投資妙味は小さくなります。
そのため、
決算内容は★★★★★
株価が買えるかどうかは別問題
です。
押し目があるならかなり検討したい銘柄です。
私が今後一番見るのは受注
次の決算で私が注目するのは、利益ではありません。
利益については今回かなり強いことが確認できました。
次は、
受注高
です。
特に社会基盤システム。
受注残は非常に大きいですが、1Q受注高がかなり低かったためです。
ここが2Qで回復するなら、かなり安心できます。
逆に、
売上は好調
利益も好調
でも新規受注だけ減少が続く
という状態なら、その先の成長が鈍化する可能性があります。
私はセックについて、
売上 → 利益 → 受注残 → 新規受注
の順番で見ていきたいと思います。
私が売却を考える条件
今後売却を考えるのは、
社会基盤システムの受注残が減り始める
宇宙先端システムの成長が止まる
営業利益率が再び低下する
官公庁向け大型案件が減少する
といった状況になった場合です。
特に社会基盤と宇宙先端。
この2つが現在の成長エンジンです。
ここが強い限り、私は簡単には売りません。
今回の私の結論
セックの2027年3月期第1四半期決算は、
かなり良い決算
だったと思います。
売上+20.5%。
営業利益+51.6%。
経常利益+60.6%。
純利益+58.9%。
さらに社会基盤システムが+33.7%、宇宙先端システムが+22.2%と、今後期待したい事業が実際に伸びています。
受注残も全体で+22.3%。
財務は自己資本比率83.9%。
私は今回、
★★★★★(4.7 / 5)
と評価しました。
満点の5.0にしなかった理由は、
社会基盤の1Q受注高が弱かったこと
経常利益には補助金収入の増加も含まれていること
です。
ただし本業の営業利益が51.6%伸びている以上、決算全体の評価はかなり高いです。
現時点での私の方針は、
保有分 → 継続保有
新規買い → 買い候補。押し目ならかなり検討したい
売却 → 今回の決算を理由に売る必要はほぼない
です。
今回のセックを見て改めて感じるのは、
派手なテーマ名だけではなく、実際に売上・利益・受注残まで伸びている会社は強い
ということです。
宇宙、自動走行、官公庁、社会インフラ。
テーマ性だけなら十分です。
そこに今回は利益成長まで加わりました。
次の決算では、
この強い利益成長が続くのかではなく、次の売上につながる新規受注が戻ってくるのか。
私はそこを一番確認したいと思います。
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