海運業界は今後どうなる?
海運業には、
・コンテナ船
・自動車船
・LNG船
・原油タンカー
・ケミカルタンカー
・鉄鉱石・石炭などを運ぶドライバルク船
・物流
・フェリー
など、さまざまな事業があります。
世界のモノの貿易量の約8割は海上輸送によって運ばれているため、世界経済が存在する限り海運は必要です。
UNCTADでは、2026〜2030年の世界海上貿易量について年平均約2%の成長を見込んでいます。
半導体やAIのような高成長市場ではありませんが、世界人口や新興国経済が拡大するほど、
・食料
・資源
・エネルギー
・自動車
・工業製品
を運ぶ需要も増えます。
私は、**今後5〜10年を見ると、海運業界は「中立からやや強気」**で見ています。
ただし、海運会社を選ぶ場合は単純な海運市況の上昇だけを狙うのではなく、
「市況が悪くても利益を出せる事業をどれだけ持っているか」
を見ることが重要だと考えています。
海運は世界経済に不可欠なインフラ
日本は島国です。
原油、天然ガス、鉄鉱石、石炭、小麦など、多くの資源や食料を海外から輸入しています。
さらに日本企業が海外へ、
・自動車
・機械
・化学製品
・鉄鋼製品
などを輸出する際にも船が必要です。
航空貨物は速い一方、輸送コストが非常に高く、大量の資源や製品を運ぶことには向いていません。
そのため世界貿易が存在する限り、
大量輸送では海運が中心
という構造は簡単には変わらないと考えています。
海運業は「距離」が利益を左右する
海運業を見る場合、単純な貨物量だけでは判断できません。
非常に重要なのが、
トンマイル
です。
これは、
貨物量 × 輸送距離
で考える指標です。
例えば同じ100万トンの原油を運ぶ場合でも、近い国から運ぶより遠い国から運ぶ方が船を長期間使用します。
つまり海運会社にとっては、
どれだけ貨物があるかだけでなく、どれだけ遠くまで運ぶか
が重要になります。
地政学リスクが航海距離を伸ばす
近年の海運市場を大きく左右しているのが地政学リスクです。
紅海や中東情勢によって、本来スエズ運河を通る船がアフリカ南端の喜望峰を迂回するケースがあります。
航海距離が伸びると、
・航海日数増加
・燃料使用量増加
・船腹供給減少
につながります。
実際、2024年には世界の海上輸送量の増加以上にトンマイルが増加しました。
これは海運会社にとって運賃を押し上げる要因になります。
一方、情勢が正常化して航海距離が短くなれば、船の供給余力が急に増える可能性があります。
このため海運株は、
地政学リスクが業績を大きく動かす特殊な業界
でもあります。
コンテナ船は非常に市況変動が大きい
海運株が2020年代前半に大きく注目された最大の理由がコンテナ船です。
コロナ禍による物流混乱によってコンテナ運賃が急騰し、日本郵船、商船三井、川崎汽船が出資するOCEAN NETWORK EXPRESS、いわゆるONEが巨額の利益を上げました。
一方、物流が正常化すると運賃は大きく下落しました。
つまりコンテナ船は、
需要増加
+
港湾混雑
+
航路混乱
+
船腹供給
によって利益が大きく変わります。
今後も紅海情勢や米中貿易などによって短期的な運賃上昇は起こるでしょう。
しかし長期投資では、
コロナ期の超高収益を通常状態だと思わないこと
が重要です。
コンテナ船には新造船供給というリスクもある
海運市況が良いと船会社は大量に新造船を発注します。
しかし船が完成するまでには数年かかります。
そのため、
市況上昇
↓
大量発注
↓
数年後に大量竣工
↓
船腹過剰
↓
運賃下落
というサイクルが起こります。
これは海運業の典型的な循環です。
特にコンテナ船では今後も新造船の供給が続くため、貨物量が伸びても船の増加速度がそれ以上になれば運賃が下落する可能性があります。
LNG船は比較的安定収益を作りやすい
今後の海運業で特に注目したいのがLNG船です。
LNG船は液化天然ガスをマイナス162度前後で運ぶ特殊な船です。
一般貨物船より建造費が高く、高度な技術が必要になります。
さらに多くの場合、
10年、20年単位の長期契約
を結びます。
そのため短期的な海運市況に左右されにくく、安定した収益を得やすい特徴があります。
日本の大手海運3社はLNG船で世界的にも大きな船隊を持っています。
AI時代にもLNG輸送は重要になる
AIデータセンターの増加によって世界の電力需要は増加しています。
再生可能エネルギーだけでは24時間安定した電力を供給することが難しいため、天然ガス発電も重要な役割を持ちます。
天然ガスを大量に輸入する国ではLNG船が必要になります。
さらに、
・米国
・カタール
・オーストラリア
などで大型LNGプロジェクトが進めば、新しいLNG船需要が発生します。
そのため私は、海運業の中では、
LNG輸送は今後5〜10年でも比較的有望
だと考えています。
商船三井はLNG・海洋事業を大きく育てる
LNGを中心としたエネルギー輸送に特に強いのが商船三井です。
商船三井は、
・LNG船
・FSRU
・LNG関連インフラ
・洋上風力支援船
・海洋事業
・不動産
・物流
などを拡大しています。
2026年度から始まった「BLUE ACTION 2035 Phase 2」では、これまで積み上げてきた大型投資を実際の利益へ変える「成果実現」の段階へ移りました。
大きなポイントは、
海運市況に依存する会社から、安定収益型の社会インフラ企業へ変わろうとしていること
です。
浮体式データセンターという新しい発想もある
商船三井は2026年、日立製作所と中古船を改造した浮体式データセンターの共同開発を始めました。
AIデータセンターでは、
・大量の土地
・大量の電力
・大量の冷却水
が必要になります。
これを海上へ移すという発想です。
まだ将来の事業ですが、
船を「物を運ぶ設備」以外に使う
という意味では非常に興味深い取り組みです。
海運会社が持つ船舶運航、海洋構造物、エネルギー関連の技術を使えば、今後新しい海洋インフラ事業へ広がる可能性があります。
自動車船も日本企業が強い分野
日本の大手海運会社が強いもう一つの分野が自動車船です。
自動車船は内部が巨大な立体駐車場のようになっており、一度に数千台の自動車を運びます。
日本、韓国、中国などアジアで生産された自動車を、
・北米
・欧州
・中東
・豪州
などへ輸送します。
今後EV化が進んでも、
自動車を海外へ運ぶ必要があること自体は変わりません。
むしろ中国を含めアジアの自動車輸出が増えれば、世界の自動車船需要を押し上げる可能性があります。
川崎汽船は自動車船が大きな強み
川崎汽船では、自動車船が重要な収益源です。
さらに、
・鉄鋼原料船
・LNG船
・ドライバルク
・ONE
などを持っています。
現在は新しい中期経営計画へ向け、
利益成長と資本効率改善
を強く意識しています。
2026年には最大1,300億円という大規模な自己株式取得も決定しました。
海運大手の中でも、株主還元への姿勢が非常に強い会社の一つです。
銅・鉄鉱石など資源輸送にも需要がある
AI、EV、再生可能エネルギーが拡大すると、
・銅
・鉄鉱石
・ニッケル
・ボーキサイト
・その他重要鉱物
などの需要が増えます。
これらの資源は鉱山から消費国へ大量に輸送する必要があります。
そこで必要になるのがドライバルク船です。
例えば鉄鉱石では、
ブラジル・豪州
↓
中国・日本・韓国
という大量輸送が行われます。
世界的な電化が進むほど鉱物資源の輸送需要も増える可能性があります。
日本郵船はLNGそのものにも投資
日本郵船は船でLNGを運ぶだけでなく、LNG資源そのものへの投資も進めています。
2026年には、豪州、カナダ、米国、ペルーなどの複数LNGプロジェクトに権益を持つMidOcean Energyへの出資参画を決定しました。
つまり、
LNG資源
↓
LNG生産
↓
LNG輸送
というバリューチェーンへ関与することになります。
単純な輸送会社から、
エネルギー事業そのものへ投資する企業
へ広がっている点は注目できます。
日本郵船は総合物流企業からさらに変わろうとしている
日本郵船は、
・海運
・航空貨物
・物流
・自動車物流
・エネルギー
・不動産
など非常に幅広い事業を持っています。
中期経営計画では2030年へ向け、
「総合物流企業の枠を超える」
ことを掲げています。
2026年度までに約1.2兆円規模の事業投資を行う計画を進めており、その中心には、
・LNG
・脱炭素
・物流
・自動車
・新規事業
があります。
海運大手3社の中では、最も事業分散が進んだ会社の一つです。
海運会社が物流会社へ変わる
船だけを運航すると海運市況の影響を大きく受けます。
そこで大手各社は、
港
↓
倉庫
↓
トラック
↓
鉄道
↓
航空
↓
船
まで組み合わせる総合物流へ進んでいます。
顧客からすると、
「船だけお願いする」
のではなく、
「工場から海外の店舗まで全部運んでもらう」
方が便利です。
物流全体を契約できれば、単純な海上運賃以外からも利益を得られます。
飯野海運は海運+不動産という独特な会社
大手3社以外で注目したいのが飯野海運です。
飯野海運は、
・オイルタンカー
・ケミカルタンカー
・大型ガス船
・ドライバルク船
などを運航しています。
一方で東京都心を中心に不動産も保有しています。
これは海運会社としては珍しい構造です。
海運市況が悪化しても、不動産収入が利益を下支えします。
つまり、
海運+不動産
という事業ポートフォリオそのものが安定性につながっています。
飯野海運は2030年度ROE10%を目指す
飯野海運は2026年度から新中期経営計画を開始しました。
2030年度には、
事業コア利益225億円
ROE10%
ROIC5%
を目標としています。
さらに株主還元では配当性向40%を基準とし、新たに1株30円の下限配当も導入しました。
大手海運3社と比べれば企業規模は小さいですが、
・ガス
・ケミカル
・不動産
という比較的安定した事業を持つ点を評価しています。
海運の脱炭素化は巨大な投資テーマになる
船舶は長期間使用します。
現在新しく建造する船は、20年以上運航される可能性があります。
そのため今後建造する船については、
・LNG
・メタノール
・アンモニア
・水素
・バイオ燃料
など、将来の環境規制を考える必要があります。
世界の新造船ではすでに代替燃料へ対応した船の比率が大きく上昇しています。
今後は単に船を増やすのではなく、
どの燃料を使える船を持っているか
が競争力になります。
IMOの環境規制はまだ議論が続いている
国際海運では、2050年前後のGHG排出ネットゼロを目指す方向性が示されています。
船舶燃料のGHG強度規制や排出量への価格付けを組み合わせる「IMO Net-Zero Framework」についても議論が進められています。
ただし2026年9月時点では最終的な制度採択には至っておらず、2026年末へ向けて加盟国間の協議が続いています。
制度の詳細は変わる可能性がありますが、
船舶の脱炭素化そのものが長期的に進む方向は変わりにくい
と考えています。
環境対応船を持つ企業が有利になる
環境規制が強化されれば、古い船ほど運航コストが高くなる可能性があります。
反対に、
・燃費が良い
・LNGを使える
・メタノールを使える
・将来アンモニアへ対応できる
などの船を持つ会社は競争力を維持しやすくなります。
NSユナイテッド海運などでもメタノール二元燃料船への大型投資を進めています。
今後の海運会社では、
新しい船への投資能力そのものが企業格差を広げる
可能性があります。
海運株は株主還元が大きく変わった
以前の海運会社は、
好況
↓
大型投資
↓
不況
↓
赤字
というサイクルを繰り返す傾向がありました。
しかし近年は資本効率を意識する会社が増えています。
・増配
・自己株買い
・資産売却
・ROE目標
などを明確にする企業が増えました。
特に商船三井では2026年度から1株205円を起点とした累進配当を導入しています。
さらに純利益に対して総還元性向40%を目安とする方針です。
これは海運株を長期保有するうえで以前との大きな違いです。
今後成長が期待できる分野
海運業界で今後特に成長を期待したいのは、
・LNG船
・自動車船
・ガス・エネルギー輸送
・銅など重要鉱物輸送
・海外物流
・海洋事業
・洋上風力支援船
・低炭素・脱炭素船
・物流DX
・船舶管理サービス
などです。
特に私は、
LNG+自動車船+安定収益型事業
の3つに注目しています。
コンテナ運賃だけに依存する企業よりも、長期契約や非海運事業を持つ会社を高く評価したいと考えています。
今後低迷が予想される分野
市況だけに依存するコンテナ船
コンテナ需要は長期的には増えると考えています。
しかし新造船供給も増えているため、運賃が常に高水準を維持するとは限りません。
コロナ期のような超高利益を前提にするのは危険です。
古い低燃費船
環境規制が強化されるほど、燃費の悪い船は不利になります。
燃料費だけでなく、将来的にはCO2排出コストも負担になる可能性があります。
スポット契約だけに依存する企業
スポット運賃が上昇すれば大きく儲かりますが、下落すれば利益も急減します。
LNG船など長期契約を増やして収益を安定させられる企業の方が、中長期投資では評価しやすいと考えています。
財務余力の小さい海運会社
新しい環境対応船には巨額の投資が必要です。
財務基盤が弱い会社では新造船投資が難しくなり、古い船を使い続けることで競争力が低下する可能性があります。
今後有望な銘柄
① 商船三井(9104)
海運業界で本命として最も注目したいのが商船三井です。
理由は、
海運市況依存から安定収益型企業への転換が最も進んでいる
と考えているからです。
LNG船を中心に、
・エネルギー輸送
・海洋事業
・洋上風力
・物流
・不動産
・フェリー・クルーズ
などへ展開しています。
2026年度から「BLUE ACTION 2035 Phase 2」が始まり、それまで積み上げてきた投資を利益へ変える段階へ入りました。
さらに2026年度から205円を起点とする累進配当を導入しました。
2026年9月4日の終値は6,969円。
予想PER9.98倍、PBR0.80倍、予想配当利回り2.94%です。
年初来高値7,509円からは約7%下の水準です。
成長性:★★★★★
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★★
割安度:★★★★★
株主還元:★★★★★
総合投資判断:★★★★★
LNG、海洋、物流、不動産など市況に左右されにくい事業を増やしながら、PER約10倍、PBR0.8倍という株価評価です。
今後の投資成果が利益へ表れてROEが上昇すれば、PBR1倍超への評価修正も期待できます。
今回の4社では、成長性と現在の株価水準を最も高く評価しています。
② 日本郵船(9101)
日本郵船も海運大手の中では非常に魅力があります。
最大の強みは事業の幅です。
・コンテナ船ONE
・自動車船
・LNG船
・ドライバルク
・航空貨物
・物流
・エネルギー関連
などを持っています。
2026年にはMidOcean Energyへの出資も決定し、LNGの輸送だけではなく資源そのものへの関与を強めました。
2027年3月期については、7月に経常利益予想を上方修正しています。
年間配当も240円を予定しています。
2026年9月4日の終値は7,158円。
予想PER12.05倍、PBR0.93倍、予想配当利回り3.35%です。
この日は7,440円まで上昇し、年初来高値を更新しました。
成長性:★★★★★
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★★
割安度:★★★★☆
株主還元:★★★★★
総合投資判断:★★★★★
企業としての安定感では商船三井と並ぶ存在です。
航空・物流まで含めた総合物流網と、LNG、自動車船という成長分野を持っています。
一方、株価は2026年にかなり上昇しているため、現在からの上昇余地を考えて2位としました。
③ 川崎汽船(9107)
3番目に注目したいのが川崎汽船です。
特に、
自動車船+資源輸送+ONE
という組み合わせが魅力です。
自動車船では世界的な自動車輸送需要を取り込み、LNG船や鉄鋼原料船も安定収益へ貢献します。
さらに注目したいのが株主還元です。
2027年3月期は年間120円の配当を予定しています。
加えて2026年には最大1,300億円の自己株式取得を決定しました。
自己資本比率を適正化し、ROEを引き上げることを強く意識しています。
2026年9月4日の終値は3,328円。
予想PER15.41倍、PBR1.16倍、予想配当利回り3.61%です。
年初来高値3,591円からは約7%下の水準です。
成長性:★★★★☆
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★☆
割安度:★★★☆☆
株主還元:★★★★★
総合投資判断:★★★★☆
自動車船、ONE、資源輸送という事業ポートフォリオは魅力的です。
ただし現在は日本郵船、商船三井よりPER・PBRが高いため、株価上昇余地を考えて3位としました。
大規模な自己株買いによるEPS改善は今後の重要な材料です。
④ 飯野海運(9119)
4番目は飯野海運です。
大手3社とは少し違い、
・ケミカルタンカー
・大型ガス船
・オイルタンカー
・ドライバルク
・不動産
という独特の事業構成を持っています。
特にガス・ケミカル輸送は専門性が高く、一般的なコンテナ船とは違う市場です。
さらに東京都心の不動産事業が、海運市況悪化時の利益を下支えします。
2026年度から始まった中期経営計画では2030年度に、
事業コア利益225億円
ROE10%
ROIC5%
を目標としています。
株主還元も配当性向40%を基準とし、30円の下限配当を導入しました。
2026年9月4日の終値は1,733円。
予想PER13.10倍、PBR1.09倍、予想配当利回り3.06%です。
年初来高値1,932円からは約10%調整しています。
成長性:★★★★☆
テーマ性:★★★★☆
収益力:★★★★☆
割安度:★★★★☆
株主還元:★★★★☆
総合投資判断:★★★★☆
大手3社ほどのスケールはありませんが、時価総額が小さいため利益規模が拡大した場合には株価への影響も大きくなります。
海運+不動産という安定性を持ちながらROE10%を実現できれば、中小型海運株の中では評価を高められる可能性があります。
まとめ
海運業界は、世界経済に不可欠な産業です。
世界の商品貿易の大部分は海上輸送によって運ばれており、世界人口や経済規模が拡大する限り、海上輸送そのものがなくなる可能性はありません。
2026〜2030年についても、世界の海上貿易量は年平均約2%の成長が予想されています。
一方で、
・コンテナ運賃
・新造船供給
・地政学リスク
・為替
・燃料価格
・世界景気
などによって利益が大きく変動します。
そのため、海運業界の将来性を5段階で評価するなら「3」です。
市場そのものの成長率は高くありませんが、LNG、自動車船、重要鉱物輸送、物流、海洋事業などを持つ大手企業だけを見るなら、将来性は「4」に近いと考えています。
今後5〜10年で重要になるのは、コンテナ運賃が上がるかどうかではありません。
市況の良い時に稼ぐだけでなく、市況が悪い時でも利益を維持できる企業へ変われるか
が最大のポイントです。
今回取り上げた4銘柄を、今後の成長性と現在の株価からの上昇余地を重視して順位付けするなら、1位 商船三井(9104)、2位 日本郵船(9101)、3位 川崎汽船(9107)、4位 飯野海運(9119)と考えています。
本命は商船三井です。
LNGを中心とした長期契約型事業、不動産、物流、海洋事業などを増やしており、海運市況依存から最も積極的に離れようとしています。
それでいて2026年9月時点では予想PER約10倍、PBR0.8倍です。
累進配当も導入したため、市況変動の大きい海運株としては以前より長期保有しやすくなりました。
対抗は日本郵船です。
総合力では商船三井とほぼ互角だと考えています。
LNG、自動車船、物流、航空まで幅広い事業を持ち、2026年にはLNG資源事業への投資も拡大しました。
ただし株価が年初来高値圏まで上昇しているため、現在からの株価上昇余地を重視して2位としました。
川崎汽船は自動車船の収益力と大規模な自己株買いが魅力です。現在のPBRは大手3社で最も高いため順位は3位ですが、資本効率改善が進めばEPS成長によってさらに株価が上昇する可能性があります。
飯野海運は企業規模では大手3社に及びませんが、ガス・ケミカル輸送と不動産という独特な事業構成があります。中期計画で掲げるROE10%を実現できれば、小型海運株として評価が変わる可能性があります。
海運業界は今後、「船を持って運賃を稼ぐ産業」から、「LNG・資源・自動車・物流・海洋インフラを長期契約で支え、安定したキャッシュフローを作る世界規模の社会インフラ産業」へ変化できるかが重要になると考えています。
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