IP(キャラクタービジネス)の今後を予想|世界で稼ぐ日本IPの有望株は?

目次

IP(キャラクタービジネス)の今後はどうなる?

IP・キャラクタービジネスについて、私は今後5~10年を「強気」と見ています。

矢野経済研究所によると、国内キャラクタービジネス市場は2025年度に前年比3.2%増の2兆8,767億円。2026年度にはさらに3.0%増の2兆9,635億円まで拡大すると予測されています。

3%成長だけを見ると、AIや半導体ほど高成長には見えません。

しかし私は、IP企業の成長余地は市場全体の数字以上に大きいと考えています。

理由は、日本のキャラクターが国内だけではなく世界市場で収益化され始めているからです。

マリオ
ポケモン
ガンダム
ドラゴンボール
ONE PIECE
ハローキティ

など、日本発IPにはすでに世界的な認知があります。

今後は「日本で商品を売る」だけでなく、

ゲーム
玩具
カード
アニメ
映画
ライセンス
テーマパーク
イベント
店舗
アパレル

へ収益源を広げられます。

つまりキャラクターは、企業にとって一度作って終わる商品ではなく、数十年間利益を生み続ける無形資産になり得ます。

IPビジネス最大の魅力は「同じキャラクターを何度も売れる」こと

普通の商品には寿命があります。

家電なら新モデルへ切り替わり、自動車も数年ごとにモデルチェンジします。

しかし強いキャラクターは違います。

ガンダムは1979年から続き、マリオも1980年代から世界中で利用されています。

ハローキティも50年以上続いています。

さらに一つのIPから、

ゲームを販売する
玩具を販売する
カードを販売する
映画を制作する
商品化権を貸す
テーマパークへ展開する

ことができます。

同じIPを使って複数の会社・商品・国から利益を得られるため、ヒットIPを持つ企業は非常に高い収益性を実現できます。

私はこれをIP企業最大の強みと考えています。

これからは「IPを作る力」より「育て続ける力」

キャラクタービジネスでは新しいヒットを生み出すことも重要です。

しかし私は、それ以上に重要なのが既存IPを長く育てる能力だと思います。

バンダイナムコHDも現在の中期計画で、IPを生み出すだけではなく「そだてつづける」ことを重視しています。

ガンダム、たまごっち、アイドルマスター、パックマンなどをゲーム・玩具・映像だけに限定せず、ライセンス事業などへ広げる戦略です。

これは非常に重要です。

キャラクタービジネスでは、

「今年ヒットしたIP」

より、

「10年後もファンがお金を使っているIP」

の方が企業価値は高くなります。

SNSで古いキャラクターが再び成長できる

キャラクタービジネスにはもう一つ面白い特徴があります。

一度人気が落ちたキャラクターでも復活できます。

TikTok
Instagram
YouTube
X

などによって若い世代へ再発見されるからです。

矢野経済研究所も2025年度市場拡大の背景として、周年施策による既存ファンとの接点強化に加え、SNSでの情報拡散による新規層への認知拡大を挙げています。

以前ならテレビ番組が終了すればキャラクターの露出も急速に減りました。

しかし現在はSNS、動画配信、ゲームなどによって世代を超えてIPを再利用できます。

この構造は、過去数十年に大量のIPを作ってきた日本企業にはかなり有利だと考えています。

キャラクターショップも重要になる

今後はデジタルだけではありません。

リアル店舗もIPビジネスの重要な成長分野です。

矢野経済研究所もキャラクターショップの出店増加によって、キャラクター商品の購入機会や購入頻度の増加を期待しています。

キャラクター店舗には単純な商品販売以上の意味があります。

ファンが世界観を体験できるからです。

そのため、

ショップ
テーマパーク
カフェ
ホテル
イベント

など「体験型IPビジネス」が今後さらに増える可能性があります。

私はこれをLBE(Location Based Entertainment)として重要視しています。

最大の成長余地は海外

日本の人口は減少します。

そのためキャラクタービジネスで大きく成長するためには海外が不可欠です。

この点で日本IPはかなり強い位置にいます。

東映アニメーションは2031年3月期に売上高2,000億円、営業利益500億円を目標とする「VISION2030」を掲げ、将来的に海外売上比率70%超を目指しています。

任天堂もゲームだけではなく映画へIPを拡張しています。

マリオ映画に続き、任天堂は映画関連の二次利用事業を強化する「ニンテンドースターズ」を整備しており、「ゼルダの伝説」の実写映画も展開予定です。

私は今後の日本IP企業について、

国内ファン数ではなく世界ファン数

を見る必要があると考えています。

IP企業はAI時代にも強い

AIが普及するとコンテンツ制作コストは下がる可能性があります。

画像
動画
翻訳
ゲーム制作
マーケティング

などの効率が高まるからです。

一方、AIによって大量のコンテンツが作られるほど、「何を見るか」「何を買うか」を決めるブランドの重要性は高まる可能性があります。

誰でもキャラクター画像を作れる時代になるほど、

マリオ
キティ
ガンダム

のように世界中で認知されたブランド価値は簡単には作れません。

私はAI時代では「コンテンツを作る能力」以上に、ファンがすでに存在するIPを持っていることが大きな資産になると考えています。

一方でIP株には期待先行リスクもある

IPビジネス自体は強気ですが、IP関連株なら何でも買えるわけではありません。

注意したいのは、

人気IPへの依存度が高すぎる
新しいIPが育っていない
ライセンス先を増やしすぎてブランド価値を落とす
大型ゲームの失敗で利益が急減する
人気上昇を株価が先に織り込みすぎる

といったケースです。

特に現在は日本IPへの評価がかなり高まっています。

そのため良い会社でもPER30倍、40倍まで上昇すれば、好決算だけでは株価が上がらないことがあります。

IP企業では、

キャラクターの人気

と、

その株を今買う魅力

を必ず分けて考えたいと思います。

IP(キャラクタービジネス)株を見るための投資判断軸

今回は「成長性」「IPポートフォリオ」「海外成長力」「収益化力」「株価水準」の5項目で評価します。

特に重視するのはIPポートフォリオです。

一つのキャラクターだけに依存する企業より、複数の大型IPを持ち、一つが弱くても別のIPで補える企業を高く評価します。

有望銘柄① バンダイナムコホールディングス(7832)

今回の本命はバンダイナムコホールディングスです。

最大の理由はIPポートフォリオの厚さです。

ガンダム
ドラゴンボール
ONE PIECE
たまごっち
アイドルマスター
パックマン

などを持っています。

さらに重要なのは、そのIPを一つの商品だけに使っていないことです。

玩具
カード
ゲーム
アニメ
アミューズメント
イベント

へ横展開できます。

2027年3月期第1四半期は、

売上高 3,284億円
営業利益 692億円
純利益 511億円

となり、グループ全体として第1四半期過去最高を更新しました。

営業利益は前年同期519億円から約33%増えています。特にトイホビー事業は売上高1,927億円、営業利益539億円まで拡大しました。ガンダム、ドラゴンボール、ONE PIECEなど定番IPが引き続き好調です。

投資判断軸

成長性:★★★★★
IPポートフォリオ:★★★★★
海外成長力:★★★★★
収益化力:★★★★★
株価水準:★★★☆☆

総合投資判断:強気

2026年9月4日の終値は5,565円

直前9月3日時点の予想PERは約27倍、PBRは約4倍です。9月1日には5,850円の年初来高値を付けています。

株価は高値圏なので「割安株」ではありません。

しかし第1四半期営業利益が約33%増えていることを考えると、成長率に対して極端な割高さとも言い切れません。

そして何より、一つの作品へ依存しないIPポートフォリオを評価しています。

現在の日本IP株で1社だけ選ぶなら、最もバランスが良いと考えます。

有望銘柄② サンリオ(8136)

2位はサンリオです。

キャラクタービジネスへの純度なら今回1位です。

ハローキティだけではなく、

シナモロール
クロミ
マイメロディ
ポムポムプリン

など複数の大型キャラクターを持っています。

そして現在のサンリオで最も評価しているのは、キャラクター商品を自社で大量製造するだけではなく、ライセンス事業を拡大していることです。

ライセンス収入は製造在庫を大量に持たずに利益を得られるため、高収益化しやすいビジネスです。

さらにサンリオはIPポートフォリオの拡充と収益化手段の多層化を進め、物販、デジタル、ゲームなどへ事業を拡張しています。

2027年3月期第1四半期は、

売上高 520億円 20.7%増
営業利益 224億円 11.1%増
経常利益 226億円 12.0%増
純利益 155億円 約9%増

となりました。

営業利益率は40%を超える非常に高い水準です。

投資判断軸

成長性:★★★★★
IPポートフォリオ:★★★★★
海外成長力:★★★★★
収益化力:★★★★★
株価水準:★★★☆☆

総合投資判断:強気

2026年9月4日の終値は1,265.5円

会社予想EPSベースでは予想PER24.05倍、PBR9.40倍、予想配当利回り1.26%です。

PBR9倍超だけを見ると非常に高く見えます。

しかしこれは設備や土地を大量に必要とせず、IPから高い利益を生み出すビジネスだからでもあります。

一方、前年まで営業利益が50%以上伸びていた時期と比較すると、今期第1四半期は営業利益11%増へ成長速度が落ちています。

ここは注意したいところです。

私はサンリオを、

「高成長企業から安定成長IP企業へ移れるか」

を見る段階に入ったと考えています。

今後、北米・欧州で再び利益成長率が加速すれば1位へ上げたい銘柄です。

有望銘柄③ 任天堂(7974)

3位は任天堂です。

世界的なIP力では今回1位でもおかしくありません。

マリオ
ゼルダ
どうぶつの森
スプラトゥーン
ピクミン

など強力なIPがあります。

任天堂の魅力は、ゲームを販売するだけではなくなっていることです。

映画
テーマパーク
グッズ
イベント

へIPを広げています。

任天堂は映画IPの二次利用事業も強化しており、映画を入口として商品やライブイベントなどへIPを展開する体制を作っています。

これは任天堂を「ゲームハード会社」から「世界IP会社」へ変える可能性があります。

ただし現在はNintendo Switch 2のハードサイクルの影響が非常に大きい会社でもあります。

そのためIPそのものの成長と、ゲーム機世代交代による業績変動を分けて見る必要があります。

投資判断軸

成長性:★★★★☆
IPポートフォリオ:★★★★★
海外成長力:★★★★★
収益化力:★★★★★
株価水準:★★★☆☆

総合投資判断:やや強気~強気

2026年9月4日の終値は8,839円

会社予想ベースのPERは32.87倍、PBR3.49倍です。年初来高値10,890円からは約19%下にあります。

企業のIP価値は非常に高いです。

ただし現在の会社予想利益に対してPER30倍を超えるため、バンダイナムコやサンリオより株価評価は高めです。

Switch 2のソフト販売や映画・テーマパーク展開が利益へどこまで加わるかを確認しながら狙いたい銘柄です。

有望銘柄④ 東映アニメーション(4816)

4位は東映アニメーションです。

東映アニメーションは、

ONE PIECE
ドラゴンボール
プリキュア
デジモン

など世界的IPを展開しています。

特に今後評価したいのが海外です。

中期経営計画「VISION2030」では、2031年3月期に

売上高 2,000億円
営業利益 500億円

を目標としています。

さらに将来的な海外売上比率70%超を目指します。

2027年3月期第1四半期も、

売上高 220億円 13.1%増
営業利益 74.7億円 13.5%増
経常利益 82.4億円 15.4%増
純利益 60.3億円 15.3%増

と二桁増益でした。

「ドラゴンボール」シリーズの海外配信権販売などが映像事業を押し上げています。

投資判断軸

成長性:★★★★★
IPポートフォリオ:★★★★★
海外成長力:★★★★★
収益化力:★★★★★
株価水準:★★☆☆☆

総合投資判断:やや強気

2026年9月4日の終値は3,115円

予想PER35.16倍、PBR約3.8倍、配当利回り1.41%です。

しかも9月4日に3,170円の年初来高値を更新しています。

企業の長期成長ストーリーは非常に魅力的です。

特に海外比率70%超を実現できれば、日本人口減少の影響をほとんど受けないIP企業へ変われます。

ただし現在は高値更新中で、PER35倍まで評価されています。

そのため今は高値を追うより、調整した場面で狙いたいと考え4位にします。

IP(キャラクタービジネス)の有望銘柄ランキング

1位 バンダイナムコホールディングス(7832)
ガンダム+ドラゴンボール+ONE PIECE+多事業展開。1Q営業利益約33%増。IPポートフォリオと収益成長のバランスを最も評価。

2位 サンリオ(8136)
ハローキティ+シナモロール+クロミ。IP純度と利益率は最高クラス。今後は海外利益の再加速に注目。

3位 任天堂(7974)
マリオ+ゼルダ+世界的ブランド。映画・テーマパークへのIP展開が次の成長源。

4位 東映アニメーション(4816)
ONE PIECE+ドラゴンボール+海外展開。2031年売上2,000億円を目指すが、現在はPER35倍・年初来高値圏。

今回かなり迷ったのはサンリオとバンダイナムコです。

キャラクタービジネスへの純度ならサンリオを1位にします。

しかし株式投資として見ると、バンダイナムコは第1四半期営業利益が約33%増え、複数IPと複数事業を持っています。

一方、サンリオは売上高20%増に対して営業利益は11%増と、以前より利益成長速度が落ちています。

そのため2026年9月時点では、

業績モメンタム+IP分散=バンダイナムコ

を1位としました。

ただしサンリオの海外利益が再加速すれば、順位は簡単に逆転します。

まとめ

IP(キャラクタービジネス)の将来性を5段階で評価するなら「5」です。

国内市場だけなら2026年度予想は約3%成長なので、爆発的な市場ではありません。

しかし日本IP企業を見る場合、国内市場だけで判断するのは適切ではありません。

これからの成長源は、

海外
映画
動画配信
ゲーム
カード
テーマパーク
キャラクターショップ
ライセンス

です。

特に私はライセンスビジネスを高く評価しています。

自社で工場を持って商品を大量生産しなくても、他社の商品へキャラクター使用を許諾することで収益を得られます。

人気IPが世界へ広がれば、少ない追加資本で利益を増やせる可能性があります。

そしてAI時代になるほど、コンテンツそのものは大量に作られるようになります。

私はそのとき逆に、

「世界中の人がすでに知っているキャラクター」

の価値は高まると考えています。

今後のIP株では、「今年何がヒットしたか」ではなく、「そのIPが10年後、20年後にも世界で商品・ゲーム・映画・施設へ展開されているか」を見ることが重要です。

現時点では本命をバンダイナムコホールディングス(7832)

IP純度と海外成長を重視する対抗をサンリオ(8136)

世界ブランドを長期で保有するなら任天堂(7974)

海外アニメIPの成長を狙うなら東映アニメーション(4816)に注目します。

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