柿安本店(2294)が2026年6月10日に発表した2026年4月期決算を分析します。
売上高は360億7200万円で前期比0.1%減、営業利益14億2600万円で4.9%減、経常利益14億7300万円で4.2%減、純利益は8億1100万円で15.7%増となりました。
純利益は増えていますが、本業は減収減益です。
私は今回を、精肉事業の収益改善はかなり良いものの、惣菜・食品・レストランの弱さによって全社利益が伸びず、キャピタルゲイン目的ではもう一段の成長材料が欲しい決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★☆☆ | 360.72億円、0.1%減 |
| 営業利益 | ★★★☆☆ | 14.26億円、4.9%減 |
| 営業利益率 | ★★★☆☆ | 約4.2%→4.0%へ低下 |
| 精肉 | ★★★★★ | 1.7%減収でも31.3%増益 |
| 惣菜 | ★★☆☆☆ | 売上横ばい、21.8%減益 |
| 和菓子 | ★★★★☆ | 3.3%増収、利益ほぼ横ばい |
| レストラン | ★☆☆☆☆ | 3.4%減収、赤字拡大 |
| 2027年4月期 | ★★☆☆☆ | 営業利益1.9%減予想 |
| CF | ★★★★★ | 営業CF15.41億円、単純FCF約8.84億円 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率79.6%、実質無借金 |
| 配当 | ★★★★☆ | 年間85円を維持 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★☆☆ | 利益成長の再加速待ち |
売買判断
保有 ★★★★☆
追加買い ★★☆☆☆
売却 ★★☆☆☆
私は柿安本店を保有継続します。
財務とキャッシュフローが非常に強く、年間85円配当も維持されています。精肉事業の利益改善も評価できます。
ただし、2027年4月期も営業減益予想です。私は追加買いを急がず、惣菜事業などが回復して全社営業利益が増益へ転換するのを確認したいです。
精肉はかなり強い
精肉事業は売上135億7300万円で1.7%減でしたが、営業利益は10億2000万円で31.3%増となりました。
「三重 柿安牛」の販売イベントや「肉の日」、WEB予約など高付加価値商品の販売施策が機能しています。
売上を追うだけでなく利益を増やせているため、今回最も評価できる事業です。
一方、惣菜は売上ほぼ横ばいでも21.8%減益、食品は2.1%増収でも30.6%減益となりました。
レストランも2100万円の営業赤字です。
つまり現在は、精肉の好調を他事業の減益が打ち消している状態です。
純利益15.7%増は本業改善ではない
営業利益は4.9%減なのに純利益は15.7%増となりました。
これは特別損失が前年3億2100万円から1億1000万円へ大きく減った影響です。
減損損失も2億1200万円から5100万円へ減っています。
したがって私は純利益15.7%増よりも、営業利益4.9%減を重視します。
本業が明確に回復した決算とは判断しません。
2027年4月期も慎重
会社の2027年4月期予想は、
売上高 360億円 0.2%減
営業利益 14億円 1.9%減
経常利益 14億5000万円 1.6%減
純利益 8億円 1.4%減
です。
会社は原材料価格の高騰や人手不足など厳しい環境が続くと見ています。
2年連続で営業利益が減る計画ですので、キャピタルゲイン目的ではやや物足りません。
今後は精肉だけでなく、惣菜・和菓子・食品まで利益成長へ戻せるかが重要です。
財務とCFは非常に強い
営業CFは15億4100万円、投資CFは6億5700万円のマイナスで、単純なFCFは約8億8400万円のプラスです。
自己資本比率も78.4%から79.6%へ上昇しました。
現金及び預金は80億5200万円あり、貸借対照表上に通常の借入金はありません。
業績成長力は弱い一方、財務安全性はかなり高い会社です。
年間配当も85円を維持します。
ただし2027年4月期予想ベースの配当性向は101.8%となるため、今後利益が増えなければ増配余地は大きくないと見ます。
私ならどう売買するか
私は現在の保有分をそのまま維持します。
精肉31.3%増益、FCF黒字、自己資本比率79.6%という安心材料がありますので、売却を急ぐ内容ではありません。
一方、全社営業利益は減益で、来期も減益予想です。
そのため追加買いについては、精肉以外の事業まで利益改善が広がったことを確認してからにします。
今回の私の結論
今回の柿安本店の決算は、安定感はありますが、成長性という点ではやや弱い決算です。
精肉事業は31.3%増益と非常に強い一方、惣菜21.8%減益、食品30.6%減益、レストラン赤字となりました。
純利益15.7%増も、前年より特別損失が減った影響が大きく、本業の営業利益は4.9%減です。
そのため今回の総合評価は★★★☆☆とします。
私は保有を継続しますが、追加買いは営業増益への転換を確認してからにします。
キャピタルゲインという視点では、
精肉で実現した高収益化を惣菜・和菓子・食品へ広げ、全社営業利益を再び成長軌道へ戻せるか。
ここが次の焦点です。
コメント