クスリのアオキホールディングス(3549)が2026年7月2日に発表した2026年5月期決算を分析します。
売上高は5668億6500万円で前期比13.0%増、営業利益270億9600万円で1.9%増、経常利益277億2200万円で0.8%増、純利益は171億3300万円で3.7%減となりました。
売上は二桁成長ですが、営業利益率は5.3%から4.8%へ低下しています。
さらに前年には3億9200万円の株式報酬費用があり、これを除いて比較すると営業利益は実質0.4%増です。
私は今回を、フード・生鮮・調剤と店舗拡大による成長力は強いものの、2026年5月期は利益率低下が課題。2027年5月期の利益再加速を確認したい決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★★ | 5668.65億円、13.0%増 |
| 営業利益 | ★★★☆☆ | 1.9%増、実質では0.4%増 |
| 営業利益率 | ★★☆☆☆ | 5.3%→4.8%へ低下 |
| フード | ★★★★★ | 2301億円、16.0%増 |
| 生鮮 | ★★★★★ | 714億円、21.4%増 |
| 調剤 | ★★★★★ | 598億円、15.3%増 |
| 店舗拡大 | ★★★★★ | ドラッグストア111店舗を新規出店 |
| 2027年5月期 | ★★★★★ | 営業利益18.1%増を計画 |
| CF | ★★★☆☆ | 営業CF373億円、FCFは約56億円の赤字 |
| 財務 | ★★☆☆☆ | 自己資本比率41.4%→34.3% |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年64円へ増配+大型自社株買い |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★☆ | 来期利益率回復なら評価上昇へ |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★☆☆
売却 ★☆☆☆☆
私はクスリのアオキHDを保有継続します。
フード&ドラッグ戦略そのものはかなり順調です。
ただし2026年5月期は売上13%増に対して利益がほぼ横ばいですので、私は今すぐ大きく追加するより、2027年5月期に営業利益率が本当に回復するかを確認しながら増やします。
売上13%増でも利益はほぼ横ばい
売上高は5014億円から5669億円へ大きく伸びました。
一方、営業利益は266億円から271億円への増加にとどまりました。
売上総利益率も約26.5%から26.4%へわずかに低下し、販管費は売上以上のペースで増えています。
新規出店、人件費、店舗運営費など成長投資の負担が利益率を圧迫していると見ます。
今回は増収率の高さより営業利益率4.8%への低下を注意して見る決算です。
フード・生鮮・調剤はかなり強い
商品別では、
フード 16.0%増
生鮮 21.4%増
調剤 15.3%増
となりました。
この3カテゴリーだけで売上の約64%を占めます。
「薬を買う場所」から、生鮮食品や日常食品までまとめて購入できるフード&ドラッグへの転換がかなり進んでいます。
2026年5月期にはドラッグストア111店舗、調剤薬局38店舗を新設しました。
さらに食品スーパーのM&Aや事業譲受によって37店舗を取得しています。
売上13%増にはこうした新店・M&A効果も含まれるため、すべてを既存店成長とは見ませんが、成長スピードそのものはかなり速いです。
純利益3.7%減は特別損失も影響
純利益は3.7%減となりました。
減損損失が前年13億2900万円から25億300万円へ増え、店舗閉鎖関連費用などを合わせた特別損失は37億1200万円となっています。
したがって最終減益だけを大きな悪材料とは見ません。
ただし本業の営業利益も実質ほぼ横ばいですので、「特殊要因だけで減益した」と考えるのも違います。
2027年5月期は利益成長を再加速
次期予想は、
売上高 6400億円 12.9%増
営業利益 320億円 18.1%増
経常利益 308億円 11.1%増
純利益 190億円 10.9%増
です。
営業利益率は4.8%から5.0%へ回復する計画です。
さらにドラッグストア90店舗、調剤薬局31店舗を新設する予定です。
私は2027年5月期で最も重要なのは売上6400億円ではなく、営業利益を売上以上の18%伸ばせるかだと考えます。
CFと財務は注意
営業CFは373億2100万円と前年から大幅に増えました。
一方、投資CFは428億8300万円の赤字で、単純なFCFは約55億6200万円のマイナスです。
新規出店など有形固定資産へ334億8000万円を投資しています。
さらに長期借入金も大きく増加し、自己資本比率は41.4%から34.3%へ低下しました。
現在は成長投資をかなり積極化している局面です。
私はここを悪材料だけとは見ませんが、店舗拡大による利益成長が借入増加を上回れるかは今後の重要ポイントです。
株主還元はかなり強い
株主還元は大きく強化されています。
2027年5月期の年間配当は64円予定で、2026年5月期の56円から増配です。
しかも2026年5月期の56円には40円の設立40周年記念配当が含まれていましたので、普通配当ベースでは大幅な引き上げになります。
さらに2026年5月期には約239億円の自己株式を取得し、948万700株を消却しています。
この自社株買い・消却は一株当たり利益という点でもかなり大きなプラス材料です。
私ならどう売買するか
私は現在の保有を継続します。
フード16%増、生鮮21%増、調剤15%増という成長力に加え、2027年5月期は営業利益18%増を計画しています。
一方、2026年5月期は営業利益率低下と借入増加があります。
そのため私は現在の保有分を維持し、次の決算で営業利益が二桁増益へ加速していれば追加買いを強めます。
今回の私の結論
今回のクスリのアオキHDの決算は、売上成長は非常に強いものの、利益面ではやや物足りない決算です。
売上高13.0%増に対し、営業利益は1.9%増。株式報酬費用の影響を除けば実質0.4%増です。
一方、フード・生鮮・調剤は二桁成長を続け、2027年5月期は営業利益18.1%増を計画しています。
大型自社株買い、自己株消却、年間64円への増配も評価できます。
そのため今回の総合評価は★★★★☆とします。
私は保有を継続し、追加買いは営業利益率の回復を確認しながら行います。
キャピタルゲインという視点では、
フード&ドラッグで売上を拡大するだけでなく、営業利益率を5%台へ戻し、店舗投資と借入増加以上の利益成長を実現できるか。
ここが次の焦点です。
コメント