全国保証(7164)が2026年8月5日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
営業収益は117億7200万円で前年同期比2.5%増、営業利益77億2400万円で0.1%増、経常利益93億3500万円で7.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は65億6200万円で9.4%増となりました。
純利益は順調に伸びていますが、本業の営業利益はほぼ横ばいです。経常利益が伸びたのは、資産運用利回りの向上や持分法投資利益の計上が寄与しています。
そのため今回は、安定感は非常に高いものの、本業の利益成長にはやや物足りなさが残る決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 営業収益 | ★★★☆☆ | 117.72億円、2.5%増 |
| 営業利益 | ★★★☆☆ | 77.24億円、0.1%増 |
| 利益率 | ★★★★☆ | 営業利益率約65.6%と非常に高い |
| 信用保証事業 | ★★★★☆ | 保証債務残高が堅調 |
| 経常利益 | ★★★★★ | 93.35億円、7.9%増 |
| 純利益 | ★★★★★ | 65.62億円、9.4%増 |
| 通期予想 | ★★★☆☆ | 純利益0.5%増の慎重な計画 |
| 進捗率 | ★★★☆☆ | 通期営業利益18.4%、純利益20.1% |
| 特殊要因 | ★★★★☆ | 資産運用収益・持分法利益の寄与あり |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率49.2%、投資有価証券3190億円 |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 株主還元 | ★★★★☆ | 年間120円→123円へ増配予定 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★☆☆ | 安定感は高いが本業利益の加速待ち |
売買判断
保有 ★★★★☆
追加買い ★★★☆☆
売却 ★☆☆☆☆
私は全国保証の保有を継続します。
営業利益率は65%を超えており、財務も強く、配当も増配予定です。安定保有には非常に向いています。
一方、キャピタルゲインを強く狙うなら営業利益0.1%増は少し物足りません。私は今すぐ大きく買い増すより、保証収益の成長と営業利益の再加速を確認したいです。
営業収益2.5%増でも営業利益は横ばい
営業収益は114億8100万円から117億7200万円へ増えましたが、営業利益は77億1200万円から77億2400万円とほぼ横ばいでした。
営業利益率は前年約67.2%から約65.6%へ少し低下しています。
主な理由は営業費用の増加です。債務保証損失引当金繰入額が10億5600万円から13億2100万円へ増えたほか、人件費やその他営業費用も増加しました。
全国保証は非常に高利益率の会社ですが、今回については売上増加を営業利益増加へ十分につなげられなかった点が注意材料です。
経常利益7.9%増は資産運用が貢献
経常利益は86億5200万円から93億3500万円へ7.9%増えました。
受取利息が10億6600万円から14億500万円へ増加し、今期は持分法による投資利益2億6900万円も計上しています。
つまり今回の純利益9.4%増は、本業の保証事業だけでなく約3190億円の投資有価証券などを活用した資産運用収益の改善も大きく寄与しています。
資金を寝かせず利益へつなげている点は全国保証の強みですが、私は営業利益と経常利益を分けて評価します。
求償債権と引当金は確認したい
求償債権は前期末198億8000万円から214億6500万円へ増えています。
一方、貸倒引当金も99億500万円から109億7100万円へ増加しました。
また債務保証損失引当金は約91億円を維持しています。
住宅ローン保証会社ですので、代位弁済など信用コストの動きは非常に重要です。
現時点で決算全体を悪化させる水準ではありませんが、今後求償債権や保証損失引当金が急速に増えるようなら注意が必要です。
通期予想に対する進捗はまだ低め
通期予想は、
営業収益 606億円
営業利益 420億円
経常利益 472億円
純利益 327億円
です。
第1四半期の進捗率は、
営業収益 約19.4%
営業利益 約18.4%
経常利益 約19.8%
純利益 約20.1%
となります。
単純な25%には届いていません。
ただし会社は通期予想を変更しておらず、年間では営業利益1.5%増、純利益0.5%増を計画しています。
今回だけで下方修正を警戒する段階ではありませんが、第2四半期で進捗がどこまで回復するかを確認したいです。
財務は非常に強い
総資産4937億円、純資産2429億円、自己資本比率は49.2%です。
現金及び預金は692億9300万円、投資有価証券は3190億2500万円あります。一方、長期借入金は300億円です。
全国保証の場合、保証料を前受収益として受け取り、長期間にわたって収益化するビジネスモデルです。長期前受収益は1842億6900万円あり、将来の収益源を大きく積み上げています。
このストック型の収益構造は、全国保証を長期保有する大きな理由です。
配当は120円から123円へ
2027年3月期は中間50円、期末73円、年間123円の配当予想です。
前期120円から3円増配となります。
大幅増配ではありませんが、利益成長が小さい中でも増配を続けている点は評価できます。
全国保証は大幅な業績成長より、安定した利益と継続的な株主還元を積み上げるタイプの銘柄だと考えます。
私ならどう売買するか
私は保有を継続します。
利益率65%超、強い財務、前受保証料を積み上げるストック型ビジネス、増配という組み合わせは非常に安定しています。
ただしキャピタルゲイン目的では、営業利益0.1%増のままでは株価を大きく押し上げる材料として少し弱いです。
私は追加買いを急がず、第2四半期で営業利益成長が再び強まるかを確認します。
次の決算で見るポイント
最も重要なのは保証債務残高と営業利益です。
営業収益が伸びながら営業利益率65%前後を維持できるかを見ます。
次に求償債権、債務保証損失引当金、貸倒引当金など信用コストを確認します。
資産運用利回りの上昇が経常利益をどこまで押し上げるかも重要です。
売却を考える条件
私が売却を考えるのは、保証債務残高が減少し、営業収益と営業利益が継続的な減少へ転じた場合です。
また、求償債権や保証損失引当金が急増し、信用コストによって高利益率が崩れる場合も評価を下げます。
逆に本業利益が再加速しながら増配が続くなら、私は保有を継続します。
今回の私の結論
今回の全国保証の第1四半期決算は、悪くはありませんが、強烈な好決算でもありません。
営業収益2.5%増、営業利益0.1%増に対し、経常利益7.9%増、純利益9.4%増となりました。
経常利益以下が強いのは資産運用利回りの上昇や持分法投資利益の寄与があり、本業の営業利益自体は横ばいです。
一方、営業利益率は65%を超え、自己資本比率49.2%、年間配当も120円から123円へ増配予定です。
そのため今回の総合評価は★★★★☆です。
私は保有を継続します。追加買いは営業利益の再加速を確認してからにします。
キャピタルゲインを考えるなら、次に必要なのは資産運用益だけではありません。
保証債務残高の拡大を営業利益の成長へつなげ、再び本業で数%以上の増益を実現できるか。
ここが次の焦点です。
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