ラウンドワン(4680)2027年3月期1Q決算を分析|売上18%増でも純利益は減益、今後の業績と売買判断

今回は、売上はかなり強い一方で、利益の伸びが鈍く、純利益は減益という内容です。さらに高級飲食事業の先行赤字と借入増もあるため、私は「悪くはないが、手放しでは評価しにくい決算」と見ます。

目次

今回の決算を5段階で評価

まず最初に、今回のラウンドワンの第1四半期決算を私なりに5段階で評価してみました。

評価項目星評価私の見方
売上成長★★★★★+18.2%。かなり強い
営業利益成長★★★☆☆+4.3%。売上ほど利益が伸びていない
最終利益★★☆☆☆▲1.1%。純利益は減益
日本事業★★★★★全カテゴリーが二桁増収
米国事業★★★★☆売上は強いが利益率悪化が気になる
高級飲食★★☆☆☆まだ売上ゼロで8億円超の赤字
通期業績予想★★★★☆売上+15.6%、営業利益+14.9%を維持
財務健全性★★★☆☆現金は増えたが借入も増加、自己資本比率26.1%
株主還元★★★☆☆年18円配当を維持
総合評価★★★☆☆売上は強いが、利益率低下を次の決算で確認したい

総合評価:★★★☆☆(3.6 / 5)

今回を一言で表すなら、

「客は来ている。売上も伸びている。しかし、今は成長投資の負担が利益を抑えている決算」

という評価です。

現時点での売買判断

保有:★★★★☆ → 基本は継続保有

新規買い:★★★☆☆ → 決算だけで飛びつかず、株価と2Q利益を確認

売却:★★☆☆☆ → 1Q減益だけで売る必要はない


ラウンドワンが2026年8月10日に2027年3月期第1四半期決算を発表しました。

最初に数字だけを見ると、少し判断に迷う決算です。

売上収益は、

+18.2%

とかなり伸びています。

一方で営業利益は、

+4.3%

しか伸びていません。

さらに親会社株主に帰属する四半期利益は、

▲1.1%

です。

つまり、

売上はかなり強いのに、利益がついてきていない

という決算です。

ただし中身を見ると、日本や米国の既存事業が弱くなったわけではありません。

むしろ利用客はかなり増えています。

利益を抑えている理由には、出店投資や高級飲食事業など、将来成長のための先行費用が含まれています。

そのため私は、今回を単純な悪決算とは見ていません。

まず1Qの数字を確認

2027年3月期第1四半期は、

2027年3月期1Q前年同期比
売上収益513.77億円+18.2%
営業利益63.39億円+4.3%
税引前利益52.67億円+2.1%
純利益33.68億円▲1.1%
EBITDA174.92億円+5.9%

となりました。

売上は434.85億円から513.77億円へ増加。

約79億円増えています。

ところが営業利益は、

60.76億円から63.39億円。

増加額は約2.6億円だけです。

この差が今回最大のポイントです。

売上総利益は増えたが、販管費もかなり増えた

損益計算書を見ると、

売上収益は、

434.85億円 → 513.77億円

売上総利益は、

80.53億円 → 100.03億円

まで増えました。

これは良いです。

しかし販売費及び一般管理費が、

18.05億円 → 36.10億円

へ倍増しています。

その結果、営業利益は、

60.76億円 → 63.39億円

にとどまりました。

つまり今回、

本業の粗利益はしっかり増えた

一方で、

成長のための費用も一気に増えた

ということです。

私はここを次の決算で最も確認したいです。

日本事業の売上はかなり強い

日本の既存事業を見ると、かなり良いです。

ボウリング収入は、

+11.3%

アミューズメントは、

+21.3%

カラオケは、

+14.8%

スポッチャは、

+13.7%

です。

全部二桁増です。

これはかなり強いと思います。

特にアミューズメント+21.3%が目立ちます。

ラウンドワンというと以前は、

「ボウリング場」

のイメージが強かったですが、今はかなり違います。

クレーンゲーム、

カラオケ、

スポッチャ、

コラボ企画、

など複数の集客装置を持っています。

そのため私は今のラウンドワンを、

総合アミューズメント企業

として見ています。

クレーンゲーム需要が引き続き強い

会社も今回、

クレーンゲーム需要が高い状態が続いている

と説明しています。

食品や日用品などの景品を中心としたクレーンゲーム専用エリア、

「とれすぎ~のアイランド」

は6月末時点で、

76店舗

まで導入されました。

ここはかなり面白いです。

クレーンゲームは単なるゲーム機ではなく、景品の選定次第でかなり集客力が変わります。

アニメやキャラクターとのコラボも相性が良い。

ラウンドワンの強みは、

スポーツ施設+アミューズメント+IPコンテンツ

を一つの店舗で組み合わせられることだと思っています。

米国も売上はかなり伸びている

米国事業も売上は強いです。

ボウリング収入は、

+15.2%

アミューズメントは、

+20.7%

飲食その他は、

+25.3%

スポッチャは、

+7.8%

となりました。

特にアミューズメントと飲食が20%以上伸びています。

ラウンドワンにとって米国は、中長期成長を考えるうえで非常に重要です。

日本より人口が多く、出店余地も大きいからです。

ただし、売上だけを見ると今回かなり良いのですが、

利益を見ると少し違います。

米国事業の利益はかなり減っている

セグメント利益を見ると、

前年同期の米国事業は、

28.44億円

でした。

今回は、

16.18億円

です。

かなり減っています。

ここは今回の決算でかなり注意したいところです。

売上が大きく伸びているにもかかわらず、利益は落ちています。

店舗拡大に伴う費用や人件費、その他の投資コストなどが影響している可能性があります。

ただし決算短信だけでは、その減益理由が十分細かく説明されていません。

そのため私は、

米国の利益率悪化が一時的なのか

を次の決算で確認します。

もし売上20%成長を続けながら利益率が回復するのであれば、かなり強い成長ストーリーになります。

逆に売上だけ増えて利益が伸びない状態が続くなら評価を下げます。

日本事業は逆にかなり増益

一方、日本事業のセグメント利益は、

前年同期、

36.46億円

から、

今回、

55.43億円

まで増加しています。

約52%増です。

これはかなり強いです。

つまり今回の全社営業利益が+4.3%しか伸びなかったのは、

日本が弱かったからではありません。

日本はかなり好調です。

米国利益の低下と、新規の高級飲食事業への先行投資が日本の増益を相殺しています。

この構造は理解しておいたほうがいいと思います。

高級飲食事業は8億円超の赤字

今回から独立セグメントになったのが、

高級飲食事業

です。

いわゆる、

ラウンドワンデリシャス

です。

1Qはまだ売上がありません。

その一方でセグメント損失は、

▲8.06億円

となっています。

前年同期も▲3.96億円だったので、赤字幅が拡大しています。

これは今のところ完全な先行投資です。

米国で日本食レストランを展開していくプロジェクトで、会社は現在開業準備を進めています。

ここについて私はかなり慎重に見ています。

ラウンドワンデリシャスは面白いが、本業とは全く違う

ラウンドワンの本業は、

ボウリング、

クレーンゲーム、

カラオケ、

スポッチャ、

です。

高級日本食レストランは、かなり違うビジネスです。

もちろん米国で高品質な日本食需要があるのは理解できます。

ただ、

店舗運営力がそのまま高級飲食で通用するか

は別問題です。

現時点では売上ゼロで、

四半期だけで約8億円の赤字。

これから店舗を増やせば、さらに費用が先行する可能性があります。

私はラウンドワンの今後を見るうえで、この事業をかなり注意して見ます。

成功すれば新しい収益源になります。

失敗すれば、本業の利益を食う可能性があります。

営業利益+4.3%だけを見て悲観しない理由

ここまでを見ると、

「利益が伸びていないから悪い決算」

とも思えます。

ただし私はそこまで悲観していません。

理由は、

日本事業の利益が非常に強い

からです。

既存のラウンドワンそのものが不調なのであれば問題です。

しかし今回、

日本のボウリング、

アミューズメント、

カラオケ、

スポッチャ、

はすべて二桁増収。

日本事業利益も大幅に増えています。

つまり現在利益を抑えているのは、

新しい成長投資の部分

です。

ここが将来利益を生むなら、今の費用増は許容できます。

通期予想はかなり強い

会社は通期業績予想を変更していません。

2027年3月期は、

通期予想前年比
売上収益2,190.90億円+15.6%
営業利益330.50億円+14.9%
税引前利益274.50億円+8.0%
純利益182.60億円+9.9%

を予想しています。

営業利益+14.9%。

これは1Qの+4.3%よりかなり高いです。

つまり会社は、

2Q以降に利益成長が加速する

と考えていることになります。

1Q営業利益の進捗率

通期営業利益330.5億円に対して、

1Q営業利益は63.39億円。

進捗率は、

約19.2%

です。

単純な25%には届きません。

ただしラウンドワンは季節性があります。

会社自身も、

長期休暇の多い第2四半期と第4四半期に売上が増える傾向

があると説明しています。

夏休みや春休みがありますから、これは理解できます。

そのため1Q進捗率19%だけを見て、

「通期未達」

とは判断しません。

むしろ2Qが非常に重要です。

ただ、上期利益予想はほぼ横ばい

少し気になるのは上期予想です。

第2四半期累計では、

売上+12.8%。

営業利益は、

+0.4%

です。

さらに純利益は、

▲10.8%

の予想です。

つまり会社自身も、

上期は売上が伸びても利益はほとんど増えない

と見ています。

通期で営業利益+14.9%を達成するためには、

下期にかなり利益が加速する必要があります。

ここは重要です。

今回の1Qだけでなく、

2027年3月期全体が、

前半は投資、後半で回収

という計画になっています。

金融費用も増えている

もう一つ注意したいのが金融費用です。

前年同期は、

10.72億円

今回は、

14.38億円

まで増えています。

これが税引前利益の伸びを抑えています。

営業利益は+4.3%でも、

税引前利益は+2.1%。

純利益は▲1.1%です。

財務面を見ると、この理由も分かります。

借入金が増えている

1Q末の社債・借入金は、

流動部分が、

108.21億円 → 123.05億円

非流動部分が、

382.95億円 → 522.51億円

まで増えています。

約154億円の増加です。

会社も、負債増加の主因として社債・借入金の増加約139億円を挙げています。

おそらく新規出店などの成長投資に使う資金です。

ただし借入が増えれば、

金融費用も増える

ので、最終利益を圧迫します。

ここは今後チェックしたいです。

現金も増えているので、直ちに危険ではない

ただ、借金だけ増えたわけではありません。

現金及び現金同等物は、

549.50億円 → 641.79億円

まで増えています。

約92億円増です。

そのため現時点で資金繰りを心配する必要はありません。

ただ、

自己資本比率26.7% → 26.1%

と若干低下しています。

財務を★★★★★とするほどではないという評価です。

配当は年間18円を維持

2027年3月期も、

1Q4.5円、

2Q4.5円、

3Q4.5円、

期末4.5円、

年間、

18円

を予定しています。

業績成長に対して配当が増えていないので、株主還元という意味では少し物足りません。

ただ、今は出店や新規事業へかなり資金を使っている段階です。

私はラウンドワンについては、

配当より成長投資優先

でもよいと思っています。

その代わり、その投資が利益成長へつながることが条件です。

では、株はどうするか

今回の決算を見て私が保有していたなら、

基本は継続保有

です。

1Q純利益▲1.1%だけを理由に売ることはしません。

理由は、

日本事業がかなり好調だから

です。

本業の需要自体が弱くなっているわけではありません。

むしろ売上は18%伸びています。

問題は、

その売上増をいつ利益に変えられるか

です。

私はそこを2Q以降で確認します。

新規買いは少し待ちたい

新規買いについては、

決算だけなら積極的に飛びつく内容ではありません。

売上+18%は魅力的です。

しかし営業利益は+4%。

純利益は減益。

さらに上期営業利益予想も+0.4%です。

だから私は、

次の2Qで利益率改善が確認できるか

を見たいです。

ただし、今回の決算で株価が大きく下がり、

本業の強さ以上に売られるのであれば、

押し目買いは検討できます。

保有は★★★★☆、新規は★★★☆☆

今回私は、

保有★★★★☆

新規買い★★★☆☆

としました。

理由はPPIHのときと似ています。

会社そのものが悪いわけではありません。

むしろ売上の成長力はかなり高いです。

ただ、

利益が伴っていない状態で、高い株価を追うのは避けたい

という判断です。

すでに持っているなら成長を見守る。

新規なら少し待つ。

私はこのくらいがちょうどいいと思います。

私が次の決算で一番見る数字

次の決算で一番見たいのは、

米国事業の営業利益

です。

売上は十分伸びています。

問題は利益です。

次に、

高級飲食事業の赤字額

を見ます。

▲8億円が縮小するのか。

それとも出店本格化でさらに膨らむのか。

そして3つ目に、

全社営業利益率

を見ます。

売上18%成長に対して利益4%成長という状態から、

通期計画の、

売上+15.6%、営業利益+14.9%

に近づいてくる必要があります。

私が売却を考える条件

私が売却を考えるのは、

日本の既存事業まで成長が鈍化する

米国で売上は伸びても利益減少が続く

高級飲食の赤字が想定以上に拡大する

通期営業利益330.5億円が下方修正される

借入と金融費用だけが増え続ける

という状態になった場合です。

特に私は、

高級飲食事業が本業の利益を食い続けないか

を警戒します。

新規事業への挑戦自体は評価します。

ただし、何年も赤字を垂れ流すようなら話は別です。

今回の私の結論

ラウンドワンの2027年3月期第1四半期決算は、

「売上は非常に強いが、利益面では少し物足りない決算」

だったと思います。

売上収益、

+18.2%

営業利益、

+4.3%

純利益、

▲1.1%

です。

ただし本業が悪いわけではありません。

日本では、

ボウリング+11.3%。

アミューズメント+21.3%。

カラオケ+14.8%。

スポッチャ+13.7%。

かなり強いです。

日本事業の利益も大幅増です。

一方で、

米国の利益低下

高級飲食事業▲8億円

借入金増加

金融費用増加

が全社利益を抑えています。

そのため総合評価は、

★★★☆☆(3.6 / 5)

としました。

現時点での私の方針は、

保有分 → 継続保有

新規買い → 2Qの利益改善を確認してからでも遅くない

決算後に大きく下落 → 本業が崩れていなければ押し目候補

全売却 → 今回の1Qだけでは考えない

です。

ラウンドワンは今、

「客数と売上を増やす段階」から、「その成長投資を利益へ変える段階」

に入っているように見えます。

だから次の決算はかなり重要です。

私が見るのは売上ではありません。

米国と高級飲食への投資が、いつ利益として返ってくるのか。

そこが見えてくれば、今回の★★★☆☆は★★★★☆以上へ上げられると思っています。

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