マンション業界の今後を予想|都心再開発・中古住宅・建替え需要で成長できる?有望株は?

目次

マンション業界は今後どうなる?

マンション業界には、主に次のような事業があります。

・新築マンションの開発・分譲
・中古マンションの売買・仲介
・賃貸マンションの開発・運営
・マンション建設
・管理・修繕
・建替え・再開発

以前は、新築マンションを大量に建設・販売することが、業界成長の中心でした。

しかし現在は、建設費の上昇、用地不足、人口減少などによって、従来と同じ方法で販売戸数を増やすことが難しくなっています。

一方、都心部では利便性の高い住宅への需要があり、築年数の古いマンションでは大規模修繕や設備更新が必要になっています。

私は、今後5〜10年を見ると、マンション業界は比較的有望な業界だと考えています。

ただし、業界全体が一様に成長するとは見ていません。

特に注目したいのは、都心・駅近の開発、中古住宅の再生、マンション管理・修繕という3つの市場です。

新築住宅を何戸販売できるかだけでなく、一度建てたマンションから長期間にわたって収益を得られる企業が強くなると考えています。

新築マンションは「販売戸数減少・価格上昇」が進む

マンション市場で大きな変化が起きているのが、新築物件の価格です。

2025年の首都圏における新築分譲マンションの発売戸数は、2万1,962戸でした。

前年から4.5%減少し、1973年の調査開始以来、最も少ない水準となりました。

一方、平均価格は9,182万円と、前年比17.4%上昇しました。

東京23区に限ると、平均価格は1億3,613万円です。

つまり現在のマンション市場では、

新築マンションの供給戸数が減る

建設費や用地取得費は上昇する

販売価格が高くなる

という変化が起きています。

ただし、平均価格の上昇には高額物件の供給構成も影響します。

平均価格が上がったからといって、すべての地域・物件の価格が同じように上昇しているわけではありません。

今後は地域、駅からの距離、建物の品質によって価格差が広がる可能性があります。

マンション価格の上昇には限界もある

2026年8月の首都圏新築マンション市場では、発売戸数が前年同月比12.4%減の1,140戸となりました。

平均価格は9,770万円で、前年同月比5.4%下落しています。

初月契約率は61.1%でした。

これは、マンションの販売価格が長期的に上昇してきた一方で、購入者が価格についていけなくなる可能性も示しています。

今後、住宅ローン金利が上昇すれば、毎月の返済額も増えます。

そのため、価格を引き上げても売れる物件と、販売が長期化する物件との差が大きくなると考えています。

マンション企業を見る場合は、平均販売価格だけでなく、契約率や販売在庫の動向も重要です。

都心・駅近マンションは限られた土地が強みになる

国内人口は減少していますが、すべての地域で住宅需要が同じように減るわけではありません。

通勤、通学、買い物、医療などの利便性を考えると、都心や主要駅周辺のマンションには需要が集まりやすいと考えられます。

例えば、

・駅から近い
・複数路線を利用できる
・商業施設が徒歩圏内にある
・医療機関や公共施設が充実している
・災害リスクに配慮した立地である

といった条件です。

こうした立地では、土地の供給に限界があります。

そのため大手デベロッパーにとって、都心や駅前の優良な用地を確保できるかが競争力になります。

一方、地方都市や郊外でも駅前などの利便性が高い地域には需要があるため、東京だけが成長市場というわけではありません。

都市再開発がマンション開発の中心になる

都心では、マンションを建設できる広い土地が少なくなっています。

そのため今後は、既存の建物を取り壊して土地を再利用する再開発が重要になります。

例えば、

古いビルや住宅が並ぶ地区

複数の土地をまとめる

商業施設・オフィス・住宅を一体開発する

新しい街を作る

という流れです。

再開発では、単独のマンションを建設するより多くの調整や資金が必要になります。

そのため、資金力、用地取得能力、行政や地権者との調整能力を持つ大手企業が有利になりやすい分野です。

野村不動産は「プラウド」と都市開発を組み合わせる

マンション業界で注目したい企業の一つが野村不動産ホールディングスです。

同社は「プラウド」ブランドの住宅分譲に加え、都市開発、仲介、資産運用、マンション管理などを展開しています。

2026年3月期の売上高は約9,425億円、営業利益は約1,382億円となりました。

同社の経営計画では、2028年3月期の事業利益について、

住宅部門630億円
都市開発部門520億円
仲介・CRE部門200億円

を目標としています。

さらに長期的には、事業利益の年平均成長率8%程度、ROE10%以上を目指しています。

新築マンションの分譲だけでなく、都市開発や仲介なども組み合わせられる点が強みです。

中古マンション市場は今後さらに重要になる

新築マンションの価格が上昇すると、中古マンションを検討する人が増える可能性があります。

例えば、

希望する地域の新築マンションが高額

同じ地域の中古マンションを探す

購入後にリフォームする

という選択です。

中古マンションでは、建築時期、耐震性能、管理状態、修繕履歴などによって物件の価値が異なります。

そのため単純に「中古だから割安」と判断することはできません。

一方、立地や管理状態の良い中古マンションには、今後も一定の需要があると考えています。

中古マンションは購入後のリノベーションが成長分野になる

中古マンション市場では、物件を売買するだけでなく、購入後のリノベーションも重要です。

例えば、

・キッチンや浴室の交換
・壁や床の改修
・間取りの変更
・断熱性能の改善
・収納の増設

などです。

新築マンションの価格が高くなるほど、中古住宅を購入して自分の好みに改修する選択肢が広がる可能性があります。

マンション関連企業にとっては、

中古物件の仲介

リノベーション

販売・管理

という一連のサービスから利益を得られることが魅力です。

老朽化マンションは修繕・建替え市場を拡大させる

マンション業界の長期的な成長市場として、特に注目したいのが建物の老朽化です。

国土交通省の推計では、2024年末時点で築40年以上の分譲マンションは約148万戸ありました。

これらに加え、現在はまだ築40年に達していないマンションも、今後次々と高経年化していきます。

古くなったマンションでは、

・外壁の修繕
・屋上防水
・給排水管の交換
・エレベーター更新
・耐震性の確認

などが必要になります。

つまり、新築マンションの発売戸数が減少しても、既存マンションの修繕・維持管理に必要な仕事は増える可能性があるということです。

建替えだけでなく「長く使う」需要も増える

古いマンションのすべてが建替えられるわけではありません。

建替えには多額の費用がかかり、区分所有者の合意形成も必要です。

建設費が高くなるほど、建替えによって各所有者が負担する金額も増える可能性があります。

そのため、

建替えが難しい

建物の状態を調査する

必要な大規模修繕を行う

建物を長期間使用する

という方向も重要になります。

今後は、マンションの寿命を延ばすための管理・修繕技術を持つ企業にも、成長機会があると考えています。

マンション管理はストック型収益になる

新築マンションの分譲は、物件が完成して引き渡される時期に利益が集中します。

一方、マンション管理では建物が存在する限り、継続的な管理需要があります。

例えば、

・共用部分の清掃
・設備点検
・管理組合の運営支援
・修繕計画の作成
・大規模修繕の手配

などです。

管理受託戸数が増えれば、継続的な収益基盤を拡大できます。

ただし、人件費や設備更新費の上昇に対応できず、管理委託料へ適切に反映できなければ利益率が低下します。

今後のマンション管理事業では、管理戸数の増加と、1戸当たりの収益性改善の両方が重要になります。

長谷工は建設から管理・修繕まで対応できる

この分野で注目したいのが長谷工コーポレーションです。

同社はマンション建設に強みを持つ一方、分譲、仲介、管理、修繕なども展開しています。

2026年3月期末の分譲マンション管理戸数は、約44.8万戸でした。

さらに管理運営事業では、2026年3月期の売上高が約1,654億円、営業利益が約82億円となっています。

マンションを建設して終わるのではなく、その後の管理や修繕にも関わることができます。

今後は、新築工事の利益に加えて、既存マンションからの継続収益をどこまで増やせるかが重要になると考えています。

建設費の上昇は販売価格と利益率の両方に影響する

マンション開発では、土地代だけでなく建設費も大きな負担になります。

建設費が上昇する要因には、

・建設作業員の不足
・人件費の上昇
・鉄鋼やセメントなどの資材価格
・物流費
・工期の長期化

などがあります。

販売価格を引き上げられれば、建設費の増加を吸収できる場合もあります。

しかし、販売価格が高くなりすぎると購入希望者が減る可能性があります。

そのため今後は、用地取得時点で収益性を見極め、建設費と販売価格を適切に管理できる企業が有利になるでしょう。

建設会社には工事採算の改善余地がある

マンション建設会社では、受注額を増やすことだけが成長ではありません。

例えば、

・標準化された設計
・工場製作部材の活用
・施工工程の効率化
・建設DX
・適切な受注価格の設定

などによって利益率を高められます。

長谷工のようにマンション建設の経験が豊富な企業では、過去の施工実績を生かした原価管理が重要になります。

一方、工事の受注時点から完成までに建設費が大きく上昇した場合、予定していた利益を確保できなくなる可能性もあります。

東京建物は「Brillia」と都心再開発を展開

マンション開発会社として注目したいのが東京建物です。

同社は「Brillia(ブリリア)」ブランドの住宅分譲を展開しています。

さらに、都心のオフィスビルや複合再開発、投資家向け物件の開発・売却なども行っています。

2025〜2027年度の中期経営計画では、2027年度の事業利益950億円、ROE10%を目標としていました。

その後、2026年度の事業利益予想は1,020億円となり、中期計画の利益目標を1年前倒しで上回る見通しを示しています。

ただし、この利益予想には投資家向け物件の売却など、マンション分譲以外の事業も含まれています。

東京建物をマンション関連株として見る場合は、住宅分譲の利益だけでなく、再開発や保有不動産の売却が全社利益にどう貢献するかも確認する必要があります。

富裕層向けマンションは独自の市場を持つ

一般家庭向けの新築マンションでは、住宅ローン金利や世帯年収が購入可能額を左右します。

一方、富裕層向けの高額マンションでは、購入者の資産規模や立地への評価などが重要になる場合があります。

例えば、

・都心の一等地
・駅直結の大型再開発
・眺望の良い高層階
・充実した共用施設
・希少性の高い住戸

などです。

こうした物件は高い販売価格を設定できる可能性がありますが、開発費や販売リスクも大きくなります。

富裕層向けだから必ず利益率が高いわけではありません。

希少な立地を適切な価格で取得し、購入者が価値を感じる物件を供給できるかが重要です。

三井不動産は住宅分譲以外にも利益源を持つ

三井不動産は、パークホームズ、パークコート、パークタワーなどの住宅ブランドを展開しています。

一方、同社の事業はマンションだけではありません。

・オフィスビル
・商業施設
・物流施設
・ホテル
・国内外の不動産開発
・不動産マネジメント

なども手がけています。

2027年3月期は、営業収益2兆8,000億円、事業利益4,500億円、純利益2,850億円を計画しています。

そのうち分譲部門の事業利益予想は2,100億円ですが、この部門には国内住宅分譲だけでなく投資家向け物件や海外住宅分譲なども含まれます。

マンション市場に加えて、幅広い不動産事業の成長も取り込めることが同社の特徴です。

マンションの省エネ性能も重要になる

今後のマンション開発では、住宅の省エネ性能も重要になります。

例えば、

・断熱性能
・高効率給湯設備
・省エネ型空調
・太陽光発電
・共用部分の電力管理

などです。

光熱費を抑えられる住宅は、居住者にとって経済的な利点があります。

新築住宅では、建設時の性能だけでなく、入居後に発生する光熱費や維持費まで含めて評価されるようになるでしょう。

ただし、高性能化には建築費がかかります。

今後は、省エネ性能を高めながら、購入者が負担できる価格に抑えられるかが重要になると考えています。

マンション管理DXは人手不足対策になる

マンション管理では、清掃、点検、会計、問い合わせ対応など、多くの業務が発生します。

一方、管理人や設備点検を担う人材の確保は容易ではありません。

そのため、

・遠隔監視
・オンライン管理組合支援
・設備点検のデジタル化
・修繕履歴のデータ管理
・居住者向けアプリ

などの活用が進む可能性があります。

管理業務を効率化できれば、管理会社は人件費の上昇を抑えながらサービスを提供しやすくなります。

さらに、建物の状態をデータで把握できれば、必要な修繕を計画的に実施することにも役立ちます。

金利上昇はマンション業界の大きなリスク

マンション業界を見るうえで、住宅ローン金利の動向は欠かせません。

例えば同じ価格のマンションでも、住宅ローン金利が上がれば毎月の返済額は増加します。

その結果、

・購入予算を引き下げる
・新築から中古へ変更する
・購入時期を延期する

といった行動が起こる可能性があります。

また、マンション開発会社自身も用地取得や建設のために資金を借り入れています。

金利が上昇すると、購入者の負担と、開発会社の資金調達コストが同時に増える可能性があります。

そのため、今後のマンション関連株では、住宅ローン金利だけでなく企業の有利子負債や資金繰りも確認する必要があります。

価格が上昇しても販売数量が減れば成長とは限らない

マンション業界では、平均販売価格が上昇すると市場が好調に見えることがあります。

しかし、

高額物件の販売比率が上がる

平均価格が上昇する

販売戸数は減少する

という場合もあります。

企業の利益を考える際には、

・引渡し戸数
・1戸当たりの利益
・契約率
・販売在庫
・用地取得費
・建設費

などを合わせて見る必要があります。

特にマンション分譲では、利益計上が引渡し時期に集中しやすいため、四半期ごとの増減だけで長期的な成長性を判断しないことが重要です。

今後成長が期待できる分野

マンション業界で今後特に成長を期待したいのは、

・都心・駅近マンション
・都市再開発
・中古マンションの仲介
・中古住宅のリノベーション
・マンション管理
・大規模修繕・設備更新
・老朽化マンションの再生
・省エネ・高機能住宅
・マンション管理DX

などです。

特に私は、都心再開発+中古住宅の再生+管理・修繕の3分野に注目しています。

新築マンションの販売数量が増えなくても、既存住宅を長く使うための事業や、希少性の高い立地での開発には成長余地があります。

今後低迷が予想される分野

人口減少地域での無計画な新築供給

地域の住宅需要を上回るマンションを供給すれば、販売在庫が増える可能性があります。

今後は全国一律の出店・開発より、地域の人口動態や住宅需要を踏まえた用地取得が重要になります。

販売価格の上昇だけに頼る分譲事業

建設費が上がった分を販売価格へ転嫁し続けることには限界があります。

購入者の所得や住宅ローン負担と見合わない価格設定では、販売が長期化する可能性があります。

管理・修繕が不十分な中古マンション

中古マンションでは立地や室内の状態だけでなく、共用部分の管理や修繕積立金も重要です。

適切な管理・修繕が行われていない物件は、将来の維持費や売却時の評価に影響する可能性があります。

建設費と金利上昇に対応できない開発会社

マンション開発には、土地取得から完成・引渡しまで長い期間が必要です。

資金調達コストや建設費が上昇した場合でも、利益を確保できる計画を立てられるかが重要になります。

今後有望な銘柄

① 野村不動産ホールディングス(3231)

マンション業界で本命として最も注目したいのが野村不動産ホールディングスです。

最大の理由は、住宅分譲に加えて、都市開発、仲介、資産運用、管理まで幅広い事業を持つことです。

同社は「プラウド」ブランドのマンションを展開し、都心や主要都市の住宅開発に強みを持っています。

さらに2028年3月期には、

住宅部門の事業利益630億円
都市開発部門の事業利益520億円
仲介・CRE部門の事業利益200億円

を目標としています。

長期的には事業利益の年平均成長率8%程度、ROE10%以上を目指しています。

2026年9月18日の終値は910円。

予想PER9.0倍、PBR0.97倍、予想配当利回り4.84%です。

2027年3月期の年間配当予想は44円です。

年初来高値1,166円からは約22%下落しています。

成長性:★★★★★
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★☆
割安度:★★★★★
株主還元:★★★★★

総合投資判断:★★★★★

マンション分譲だけでなく、都市開発や仲介、管理など複数の利益源を持つ点に注目しています。

予想PERは9倍前後、PBRは1倍を下回り、配当利回りも4%台です。

ただし、2027年3月期第1四半期は前年同期から減益となりました。マンションの引渡し時期による利益変動もあるため、通期計画の進捗と今後の販売契約状況を確認する必要があります。

住宅・都市開発部門の利益成長が計画どおり進めば、株価評価が見直される可能性があると考えています。

② 東京建物(8804)

2番目に注目したいのが東京建物です。

同社は「Brillia」ブランドのマンションに加え、都心再開発、オフィスビル、投資家向け不動産などを展開しています。

東京建物の特徴は、住宅分譲と都市再開発を組み合わせて成長できることです。

2025〜2027年度の中期経営計画では、2027年度の事業利益950億円、ROE10%を目標としていました。

その後、2026年度の事業利益予想は1,020億円となり、中期計画の利益目標を1年前倒しで上回る見通しを示しています。

ただし、利益成長には投資家向け物件売却など、住宅分譲以外の事業も貢献しています。

2026年9月18日の終値は3,236円。

予想PER10.33倍、PBR1.10倍、予想配当利回り3.89%です。

2026年12月期の年間配当予想は126円です。

年初来高値4,374円からは約26%下落しています。

成長性:★★★★★
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★★
割安度:★★★★★
株主還元:★★★★☆

総合投資判断:★★★★★

都心マンションや再開発という成長テーマを持ちながら、予想PERは10倍台前半です。

ただし、物件売却による利益は年度によって変動するため、好調な年度の利益がそのまま毎年続くとは限りません。

今後は都心再開発による利益の拡大に加え、継続的な賃貸収益や住宅分譲の利益がどれだけ積み上がるかに注目しています。

③ 長谷工コーポレーション(1808)

3番目は長谷工コーポレーションです。

今回の4社では、マンションの建設と管理・修繕に最も直接的に関わる企業です。

同社はマンション建設に加えて、

・マンション分譲
・不動産仲介
・マンション管理
・大規模修繕
・リノベーション

などを展開しています。

2026年3月期末の分譲マンション管理戸数は、約44.8万戸です。

管理運営事業の売上高は約1,654億円、営業利益は約82億円となり、前年同期から増収増益となりました。

同社の強みは、新築マンションの建設だけでなく、完成後の管理・修繕からも収益を得られることです。

2026年9月18日の終値は2,733円。

予想PER10.97倍、PBR1.27倍、予想配当利回り3.66%です。

2027年3月期の年間配当予想は100円です。

年初来高値3,531円からは約23%下落しています。

成長性:★★★★☆
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★☆
割安度:★★★★☆
株主還元:★★★★★

総合投資判断:★★★★★

老朽化マンションが増える中、管理・修繕事業には長期的な需要があります。

一方、主力のマンション建設事業は、建設費の上昇や新築マンションの供給動向によって利益が変動します。

今後は建設事業の利益率を維持しながら、管理・修繕などの継続収益を増やせるかが重要になると考えています。

④ 三井不動産(8801)

4番目は三井不動産です。

同社は「パークホームズ」「パークコート」「パークタワー」などの住宅ブランドを展開しています。

さらに、

・都心再開発
・オフィスビル
・商業施設
・物流施設
・ホテル
・海外不動産事業

など、幅広い事業を持っています。

2027年3月期は、

営業収益2兆8,000億円
事業利益4,500億円
純利益2,850億円

を計画しています。

同社の強みは、マンション分譲だけでなく、賃貸・施設運営など複数の事業から利益を得られることです。

2026年9月18日の終値は1,485円。

予想PER14.09倍、PBR1.23倍、予想配当利回り2.49%です。

2027年3月期の年間配当予想は37円です。

年初来高値2,158円からは約31%下落しています。

成長性:★★★★★
テーマ性:★★★★★
収益力:★★★★★
割安度:★★★★☆
株主還元:★★★★☆

総合投資判断:★★★★★

三井不動産は、マンション関連事業に加えてオフィス、商業施設、海外不動産など、複数の成長市場を持っています。

年初来高値から株価が大きく下落している点は注目できますが、不動産会社では金利上昇や物件価格の変化が利益と企業価値の両方に影響します。

今回はマンション事業への直接的な関わりと現在の株価指標を重視して4位としましたが、幅広い不動産事業の成長を取り込める企業として注目しています。

まとめ

マンション業界は、国内人口の減少によって新築物件の販売戸数を大幅に増やし続けることが難しい業界です。

実際に、2025年の首都圏新築マンション発売戸数は約2.2万戸まで減少しました。

一方、平均価格は9,000万円を超え、東京23区では1億円を大きく上回りました。

今後は販売価格の上昇だけに頼るのではなく、

・都心・駅近の再開発
・中古マンションの仲介
・リノベーション
・管理・大規模修繕
・老朽化マンションの再生
・省エネ・高機能住宅

などへ事業を広げることが重要になります。

特に、マンションは完成してから何十年も使用される建物です。

新築物件の販売だけでなく、長期間にわたる管理、修繕、設備更新にも需要があります。

そのため、マンション業界の将来性を5段階で評価するなら「4」です。

ただし、業界全体が一様に成長するという意味ではありません。

住宅ローン金利の上昇、建設費の高騰、地域による人口動態の違いによって、企業や物件ごとの差は大きくなると考えています。

今回取り上げた4銘柄を、今後の成長性と現在の株価からの上昇余地を重視して順位付けするなら、1位 野村不動産ホールディングス(3231)、2位 東京建物(8804)、3位 長谷工コーポレーション(1808)、4位 三井不動産(8801)と考えています。

本命は野村不動産ホールディングスです。

プラウドブランドの住宅分譲に加え、都市開発、仲介、管理など複数の収益源を持っています。

2028年3月期へ向けて住宅・都市開発部門の利益成長を計画しており、現在の予想PER9倍前後、PBR1倍割れという株価水準から、計画の進捗に注目しています。

対抗は東京建物です。

都心再開発とBrilliaブランドを持ち、2026年度の事業利益予想は中期経営計画の目標を1年前倒しで上回る水準です。

ただし、投資家向け物件売却による利益変動もあるため、住宅分譲や賃貸事業の継続的な収益力も確認したいところです。

長谷工コーポレーションは、マンション建設だけでなく、約44.8万戸の管理基盤を持つ点が特徴です。老朽化マンションが増える中、修繕・管理からの収益拡大に注目しています。

三井不動産はマンションだけでなく、オフィス、商業施設、海外不動産など幅広い事業を持っています。今後は国内住宅分譲の収益に加えて、再開発や賃貸事業が全社利益をどこまで押し上げるかが重要になるでしょう。

マンション業界は今後、「新築住宅を建設して販売する産業」から、「都市の住環境を開発し、既存住宅の売買・管理・修繕・再生まで長期間支える総合住宅サービス産業」へ変化していくと考えています。

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