カメイ(8037)が2026年8月6日に発表した2027年3月期第1四半期決算を分析します。
売上高は1506億2100万円で前年同期比6.7%増、営業利益60億5900万円で50.6%増、経常利益66億6400万円で49.1%増、純利益45億7300万円で55.8%増となりました。
特に主力のエネルギー事業が13.2%増収、305.6%増益と急伸しています。
好調な第1四半期を受けて会社は通期業績予想を上方修正し、年間配当も115円から136円へ増配予定としました。
私は今回を、主力エネルギー事業の収益性が大幅に改善し、利益進捗・財務・株主還元まで揃ったかなり強い決算と評価します。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★☆ | 1506.21億円、6.7%増 |
| 営業利益 | ★★★★★ | 60.59億円、50.6%増 |
| 営業利益率 | ★★★★★ | 約2.9%→4.0%へ改善 |
| 売上総利益率 | ★★★★★ | 約17.1%→18.1%へ改善 |
| エネルギー事業 | ★★★★★ | 13.2%増収、305.6%増益 |
| 食料事業 | ★☆☆☆☆ | 4.0%減収、営業赤字へ転落 |
| 自動車関連 | ★★★★☆ | 7.7%増収、4.6%減益 |
| 海外・貿易 | ★★★☆☆ | 7.1%増収、32.6%減益 |
| 上期進捗 | ★★★★★ | 営業利益63.6%、純利益70.6% |
| 通期予想 | ★★★★★ | 営業利益178.9億円へ上方修正 |
| CF | ★★★☆☆ | 第1四半期CF計算書は未作成 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率52.4%→54.7% |
| 株主還元 | ★★★★★ | 年115円→136円へ増配 |
| キャピタルゲイン期待 | ★★★★★ | 上方修正+利益率改善を高評価 |
売買判断
保有 ★★★★★
追加買い ★★★★☆
売却 ★☆☆☆☆
私はカメイを保有継続します。
営業利益50.6%増という数字だけでなく、売上総利益率と営業利益率の両方が改善しています。
さらに第1四半期終了時点で業績予想と配当予想を上方修正しました。
追加買いも前向きですが、今回の利益成長はエネルギー事業への依存度が高いため、急騰を追うより押し目で増やします。
エネルギー事業の利益が約4倍
今回最大のポイントはエネルギー事業です。
売上高は727億6900万円で13.2%増、営業利益は41億200万円で305.6%増となりました。
前年同期の営業利益は10億1100万円でしたので、約4倍です。
中東情勢の緊迫化によって原油価格が上昇する中、石油製品の安定供給と適切なコスト転嫁を進めたことが利益拡大につながりました。
産業用燃料油では新規顧客・深耕開拓を進め、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」など脱炭素関連商材の販売も強化しています。
LPガスについても新規顧客獲得や営業権取得を進めています。
原油高を単なるコスト増ではなく、販売価格へ適切に転嫁して利益成長につなげられたことを高く評価します。
全社営業利益率も大幅改善
売上高は6.7%増ですが、営業利益は50.6%増です。
営業利益率は、
約2.9% → 約4.0%
へ改善しました。
売上総利益も240億7500万円から272億1000万円へ約13%増えています。
売上総利益率も約17.1%から18.1%へ上昇しました。
販管費は約5.5%増えていますが、それ以上に粗利益が伸びたため営業利益が大きく増えています。
今回の決算は、売上数量だけでなく収益性そのものが改善した決算です。
エネルギー以外は強弱がある
一方、全事業が好調というわけではありません。
食料事業は売上95億8800万円で4.0%減となり、前年1億7200万円の営業黒字から7400万円の営業赤字へ転落しました。
米相場の下落によって利益率が低下しています。
建設関連事業も14.9%減収、22.3%減益です。
自動車関連は7.7%増収ですが、営業利益は4.6%減。
海外・貿易事業も7.1%増収に対して32.6%減益となりました。
ペット関連も35.9%減益、ファーマシー事業は赤字が拡大しています。
したがって今回の全社大幅増益は、エネルギー事業の急成長にかなり支えられていると見ています。
ここは次の決算で確認したいポイントです。
自動車は売上成長を維持
自動車関連事業は売上222億7000万円で7.7%増となりました。
国産車は生産・供給体制の正常化や法人営業強化によって販売台数が伸びています。
レンタカーも国内観光需要やインバウンド需要によって好調です。
一方、輸入車は販売競争が激しく、セグメント営業利益は14億7000万円で4.6%減となりました。
利益率改善が進めば、エネルギーに次ぐ利益成長源として期待できます。
通期予想を上方修正
会社は第1四半期の好調を受けて通期業績予想を上方修正しました。
修正後の通期予想は、
売上高 6249億1000万円
営業利益 178億9000万円
経常利益 195億7000万円
純利益 120億5000万円
です。
前年比では、
売上高 7.2%増
営業利益 5.4%増
経常利益 4.9%増
純利益 1.3%増
を見込んでいます。
第1四半期の通期進捗率は、
売上高 約24.1%
営業利益 約33.9%
経常利益 約34.1%
純利益 約37.9%
です。
さらに上期予想への進捗率は、
売上高 約53.2%
営業利益 約63.6%
経常利益 約64.0%
純利益 約70.6%
となっています。
上方修正後でもかなり高い利益進捗です。
財務も非常に強い
自己資本比率は52.4%から54.7%へ改善しました。
現金及び預金は685億7100万円から763億5400万円へ増加しています。
一方、短期借入金は326億1100万円から279億9700万円へ減少しました。
長期借入金も43億8400万円から42億7400万円へ減少しています。
現預金が有利子負債を大きく上回っており、財務余力は十分です。
第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業CFについては中間決算で確認します。
配当115円から136円へ増配
年間配当予想は136円です。
前期115円から21円増、約18%の増配となります。
中間68円、期末68円を予定しています。
カメイは長期経営方針の中で、配当性向を段階的に40%程度まで引き上げる方針を示しています。
今回の増配は、その株主還元強化が実際の数字として表れたものです。
利益成長だけでなく、資本効率・株主還元を意識した経営へ変化している点も評価できます。
新規事業も進めている
カメイは既存事業だけでなく、新しい成長分野への投資も進めています。
宮城県蔵王町ではAIスマート農業技術を活用したアスパラガスの実証栽培を開始しました。
また東北では、中小型太陽光発電所を集約・再生・長期運用する「百年ソーラー東北事業」も進めています。
現時点で利益への寄与は小さいですが、エネルギー商社から周辺成長分野へ事業領域を広げようとしている点は中長期的に注目します。
私ならどう売買するか
私は現在の保有分を維持します。
今回評価しているのは、
売上高6.7%増
営業利益50.6%増
営業利益率約4.0%へ改善
エネルギー事業305.6%増益
上期営業利益進捗63.6%
通期業績予想を上方修正
年間配当115円→136円
自己資本比率54.7%へ改善
です。
注意するのは、エネルギー事業以外では減益・赤字の事業が多いことです。
それでも主力事業の収益力改善と高い進捗を考えれば、現時点では強気で保有します。
今回の私の結論
今回のカメイの第1四半期決算は、かなり強い好決算です。
売上高6.7%増に対して営業利益50.6%増、純利益55.8%増となりました。
特にエネルギー事業は305.6%増益と急伸しています。
営業利益率も約2.9%から4.0%へ改善し、上期営業利益予想への進捗は63.6%、純利益では70.6%です。
さらに会社は通期業績予想を上方修正し、年間配当も115円から136円へ増配しました。
一方、食料・建設・海外・ペット・ファーマシーなどでは利益面の弱さが残っています。
そのため今回の総合評価は★★★★★とします。
私は保有を継続し、押し目では追加買いを検討します。
キャピタルゲインという視点では、
エネルギー事業の高収益を維持しながら、現在弱い他事業の利益率を改善し、全社的な「稼ぐ力」の向上につなげられるか。
ここが次の焦点です。
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