ユニシアホールディングス(3547)2026年11月期第2四半期決算を分析|売上73%増、ピソラ寄与で急拡大も利益率低下、今後の業績と売買判断

ユニシアホールディングス(3547、旧・串カツ田中ホールディングス)が2026年7月15日に発表した2026年11月期第2四半期決算を分析します。中間期の売上高は178億5900万円で前年同期比73.4%増、EBITDAは16億800万円で82.0%増、営業利益は8億1300万円で20.2%増、経常利益は7億3700万円で6.4%増となりました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は3億6600万円で40.0%減となっています。

今回の決算は、数字の見た目以上に中身を分けて考える必要があります。

売上高73.4%増の最大の要因は、2025年12月1日に完全子会社化したピソラが6カ月分フルに連結されたことです。ピソラだけで63億4500万円の売上高を計上しているため、「既存事業だけで73%成長した」という決算ではありません。

一方で、主力の串カツ田中も売上高19.4%増、営業利益29.0%増とかなり好調です。つまり今回の増収増益はM&Aだけによるものではなく、既存の中核事業もきちんと伸びています。

もう一つ重要なのは、営業利益20.2%増に対してEBITDAが82.0%増えていることです。ピソラ買収に伴って半年で2億9517万円ののれん償却費が発生しており、この費用が営業利益を押し下げています。ピソラ単体では営業利益9600万円ですが、のれん償却前営業利益は3億9129万円です。

したがって今回のユニシアホールディングスは、

「ピソラ買収で売上規模が一気に拡大し、既存の串カツ田中も好調。ただし、のれん償却と買収資金の借入負担によって営業利益率・経常利益率が抑えられている決算」

と見るのが適切です。

キャピタルゲインを考えるうえでは、売上73%増よりも、ピソラ買収後に営業利益率を再び引き上げられるかが次の焦点になります。

目次

今回の決算を5段階で評価

評価項目評価コメント
売上高★★★★★178.59億円、前年同期比73.4%増。ただしピソラ連結効果が大きい
EBITDA★★★★★16.08億円、82.0%増。M&A後の稼ぐ力は強い
営業利益★★★★☆8.13億円、20.2%増
利益率★★★☆☆営業利益率は約6.6%から約4.6%へ低下
串カツ田中★★★★★売上19.4%増、営業利益29.0%増
ピソラ★★★★☆売上63.46億円、営業利益0.96億円。のれん償却前は3.91億円
国内その他★★☆☆☆増収だが営業赤字が拡大
ハウスミール★★★☆☆利益は41.5%増だが事業譲渡方針
内装工事★★☆☆☆売上・営業利益とも大幅減。ただし下期受注には期待
通期予想★★★★☆売上364億円、営業利益13.4億円へ予想を修正
進捗率★★★★★営業利益約60.7%、経常利益約59.4%、純利益約73.2%
特殊要因★★★☆☆税負担増、株主優待引当金、ピソラのれん償却などあり
財務★★☆☆☆ピソラ買収で借入金・のれんが急増、自己資本比率29.1%
CF★★★☆☆営業CFは10.97億円のプラスだが、M&Aで投資CFは大幅マイナス
株主還元★★★☆☆前期15円配当、今期配当予想は未定
キャピタルゲイン期待★★★★☆中核事業好調+ピソラ成長。ただし財務負担と利益率が課題

売買判断

保有 ★★★★☆

新規買い ★★★☆☆

売却 ★★☆☆☆

今回の決算なら、私がすでに保有している場合は基本的に売却を急ぎません。

営業利益は20.2%増にとどまっていますが、主力の串カツ田中が売上19.4%増、営業利益29.0%増と強く、ピソラものれん償却前では3億9100万円を稼いでいます。

さらに通期営業利益13億4000万円に対して中間期で8億1300万円まで進んでおり、単純進捗率は約60.7%です。

業績そのものはかなり順調です。

一方、新規買いは★★★☆☆とします。

理由は、ピソラ買収で総資産・借入金・のれんが急増していることと、連結営業利益率が前年の約6.6%から約4.6%へ低下しているためです。

成長性だけなら★★★★☆以上でもよいのですが、現在は「M&Aで規模を拡大した後、その買収を本当に利益成長へ変えられるか」を確認する段階です。

そのため私なら高値を一括で追うのではなく、次の決算でピソラの利益率と連結営業利益率の改善を確認しながら買います。

売上高73.4%増はかなり強いが、M&A効果が大きい

中間期の売上高は前年同期102億9900万円から178億5900万円へ増加しました。

増加額は約75億6000万円です。

一方、今回から連結されたピソラの売上高は63億4560万円です。

つまり増収額のかなり大きな部分をピソラが占めています。

ただし、ピソラを単純に除いて考えても、現在の売上高は約115億1400万円です。

前年同期の連結売上高102億9900万円と比較すると約11.8%増となります。

これは私が今回評価しているところです。

「売上73%増=すべてM&A」ではありません。

既存事業側でも二桁程度の売上成長が確認できます。

特に串カツ田中が強いため、ピソラを買収しなければ成長が止まっていた会社ではありません。

売上総利益は93.0%増

売上総利益は前年同期58億8200万円から113億5000万円へ増加しました。

増加率は93.0%です。

売上高の73.4%増を上回っています。

売上総利益率を単純計算すると、

前年同期 約57.1%

今期 約63.6%

となります。

連結ベースでは粗利益率がかなり上昇しています。

ただし、これはピソラが新たに加わったことによる事業構成の変化もありますので、「串カツ田中単体の原価率が急改善した」と判断するべきではありません。

あくまでグループ全体の事業ミックスが変わった結果として見る必要があります。

営業利益は20.2%増だが、営業利益率は低下

営業利益は前年同期6億7700万円から8億1300万円へ増加しました。

20.2%増です。

しかし営業利益率を計算すると、

前年同期 約6.6%

今期 約4.6%

となります。

約2ポイント低下しています。

売上総利益率は上がったのに、営業利益率は低下しました。

理由は販管費です。

販売費及び一般管理費は52億500万円から105億3700万円へ増加し、前年の約2倍となっています。

売上高に対する販管費率を計算すると、前年の約50.5%から今期は約59.0%まで上昇しています。

M&Aによって売上規模は大きくなりましたが、現段階では利益率改善までには至っていません。

ここが今回の決算で最も注意したい部分です。

EBITDA82%増は営業利益より強い

一方、EBITDAは8億8300万円から16億800万円へ82.0%増加しています。

営業利益20.2%増と比べるとかなり大きな差です。

これは減価償却費とのれん償却額が増えているためです。

ユニシアホールディングスでは、

EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

と定義しています。

ピソラ買収によって、半年だけで2億9517万円ののれん償却費が発生しました。

キャッシュアウトを伴わないのれん償却を除けば、買収した事業の実際の収益力は営業利益の数字より良く見えます。

その意味では、今回の営業利益20%増だけを見て「M&A効果が弱い」と判断する必要もありません。

ピソラは売上63億円、営業利益9600万円

今回から新しく独立セグメントとなったピソラは、売上高63億4560万円、営業利益9612万円でした。

会社計画に対して売上高は102.0%、のれん償却前営業利益は3億9129万円で計画比107.8%となっています。

計画を上回っている点はプラスです。

しかし表面的な営業利益率を計算すると約1.5%しかありません。

かなり低く見えます。

ところが、のれん償却前では営業利益率は約6.2%です。

つまり、

ピソラそのものの店舗事業が低収益なのではなく、買収に伴うのれん償却が利益を大きく押し下げている

という構造です。

この違いは非常に重要です。

ピソラの買収価格は約95億円

ピソラの取得原価は95億3万円です。

現金を対価として発行済株式と新株予約権を取得し、100%子会社化しました。

アドバイザリー費用などの取得関連費用も1億8299万円発生しています。

ユニシアホールディングスにとってかなり大きなM&Aです。

今回の会社規模を考えると、「少し新規事業を加えた」というレベルではありません。

会社そのものの利益構造、財務構造を大きく変える買収です。

したがって今後のユニシアホールディングスを評価するときには、以前の「串カツ田中の業績」だけを見ていては不十分です。

のれんは約88.6億円

ピソラ買収に伴って発生したのれんは88億5512万円です。

償却期間は15年間の均等償却です。

貸借対照表上では、中間期末ののれん残高は85億5995万円となっています。

非常に大きな金額です。

中間期末の純資産が73億9200万円ですので、のれん残高は純資産額を上回っています。

このこと自体で直ちに危険という意味ではありません。

ピソラが計画通り利益を上げ続けるのであれば、買収による超過収益力として回収できます。

しかしピソラの収益が大きく悪化すれば、将来的にはのれんの減損リスクを意識する必要があります。

M&A企業を見るときに売上高だけではなく、買収先の利益推移が重要なのはこのためです。

串カツ田中はかなり良い

今回、私が最も高く評価したいのは実はピソラより串カツ田中です。

串カツ田中の売上高は99億6355万円で前年同期比19.4%増、営業利益は14億466万円で29.0%増となりました。

営業利益率を計算すると約14.1%です。

前年同期は約13.0%でした。

売上が約19%増えただけでなく、利益率まで改善しています。

これは非常に強いです。

会社は「無限串」を集客ドライバーとして来店者数が増えたことや、季節限定の高付加価値メニューによって客単価維持を図ったと説明しています。

つまり既存の主力事業が失速しているからM&Aで数字を作っているわけではありません。

ここはキャピタルゲインを考えるうえでも大きな安心材料です。

串カツ田中だけで連結営業利益を上回る

串カツ田中のセグメント利益は14億500万円です。

ところが連結営業利益は8億1300万円しかありません。

ピソラなどを含む各セグメント利益の合計は14億9100万円ですが、全社費用などの調整額がマイナス6億7700万円あります。

前年同期の調整額はマイナス4億6100万円でした。

つまり全社費用などの負担が約2億1600万円増えています。

ピソラ買収後の企業規模拡大に伴って、本社費用なども増えていることが分かります。

今後営業利益率を上げるためには、店舗の収益性だけでなく、この全社費用を効率化できるかも重要になります。

国内その他は増収でも赤字拡大

国内その他の売上高は5億8778万円で前年同期比61.7%増となりました。

一方、営業損失は6366万円で、前年同期の4793万円の赤字から損失が拡大しています。

ここには「京都天ぷら 天のめし」「富之上」など新業態が含まれています。

売上は伸びていますので、現在は新規業態を育成する先行投資段階と見ることもできます。

ただしキャピタルゲイン目的なら、いつまでも「成長投資だから赤字」で許容するわけにはいきません。

今後、店舗数拡大とともに黒字化できるかを確認したいです。

ハウスミールは利益増でも売却方針

ハウスミール事業は売上高6億300万円で1.4%減でしたが、営業利益は2887万円で41.5%増となりました。

利益は改善しています。

しかし会社は飲食事業へ経営資源を集中するため、Antwayとの業務提携を解消し、ハウスミール事業の譲渡に向けた協議を進めています。

譲渡予定日は2026年11月30日です。会社は当期末の譲渡予定であるため、2026年11月期業績への影響は軽微と見込んでいます。

私はこの判断をそれほど悪く見ません。

串カツ田中、ピソラ、新業態という飲食事業へ集中し、非中核事業を整理するという方向が明確だからです。

内装工事事業はかなり弱い

内装工事事業は売上高6億8215万円で前年同期比36.3%減、営業利益2477万円で67.5%減となりました。

今回のセグメントでは最も弱いです。

ただし会社は、グループ外部からのリフォーム・新装工事の受注が増加しており、その売上が下期以降に反映される見通しと説明しています。

したがって第2四半期までの大幅減益だけで構造的悪化と決めるのは早いです。

次の決算で本当に売上回復するかを確認したいです。

経常利益はわずか6.4%増

営業利益は20.2%増なのに、経常利益は6.4%増にとどまりました。

理由を見るとかなり分かりやすいです。

支払利息は前年同期1082万円から1億462万円へ急増しました。

さらに今期は支払手数料8250万円も発生しています。

これはピソラ買収に伴う借入・資金調達の影響を考えるうえで重要です。

M&Aによって営業利益は増えていますが、その買収資金に対する金融コストも増えています。

今後は、

ピソラが増やす営業利益 > 買収に伴うのれん償却+支払利息+その他関連コスト

という状態を作れるかが重要です。

純利益40%減は本業悪化が主因ではない

親会社株主に帰属する中間純利益は前年6億1030万円から3億6615万円へ40.0%減少しました。

ここだけを見るとかなり悪い決算に見えます。

しかし税引前利益を見ると、前年6億3933万円から今期7億4509万円へ増加しています。

つまり税引前までは増益です。

純利益が大きく減った最大の理由は法人税等です。

前年同期の法人税等合計は1965万円しかありませんでした。

今期は3億7853万円です。

前年には法人税等調整額がマイナス1億7585万円となっており、税負担が非常に小さくなっていました。今期は逆に法人税等調整額7936万円のプラスです。

したがって今回の純利益40%減を、

「本業の利益が40%落ちた」

と見るのは間違いです。

営業利益も税引前利益も増えています。

キャピタルゲイン目的なら、私は純利益の前年比より営業利益と経常利益を重視します。

株主優待引当金で約2900万円の利益減

今回から株主優待制度に必要と見込まれる費用について、株主優待券が利用された時点ではなく、合理的に見積もった金額を株主優待引当金として計上する方法へ変更しています。

これによって営業利益、経常利益、税引前利益がそれぞれ2890万円減少しました。

金額としては連結営業利益8億1300万円の数%程度です。

今回の利益を大きく左右する特殊要因ではありませんが、前年との比較では多少マイナスに働いています。

逆に言えば、この会計上の影響を受けても営業利益は20.2%増えています。

通期予想は売上364億円

2026年11月期の最新会社予想は、

売上高364億円

EBITDA29億7000万円

営業利益13億4000万円

経常利益12億4000万円

親会社株主に帰属する当期純利益5億円

です。

前年比では売上高72.6%増、EBITDA54.8%増、営業利益13.0%増、経常利益0.3%増、純利益32.8%減を見込んでいます。

今回、会社は通期業績予想を修正したと記載しています。

ただし、今回アップロードされた決算短信には修正前の具体的な予想数値や修正理由の詳細は掲載されておらず、別途公表した「連結業績予想の修正に関するお知らせ」を参照する形になっています。

そのためこの記事では、資料に記載されていない修正前の数字を推測せず、最新予想だけを使って評価します。

営業利益進捗率は約60.7%

通期予想に対する中間期進捗率を単純計算すると、

売上高 約49.1%

EBITDA 約54.1%

営業利益 約60.7%

経常利益 約59.4%

純利益 約73.2%

となります。

売上高はほぼ50%です。

それに対して営業利益と経常利益は約60%まで進んでいます。

これはかなり良いです。

特に純利益はすでに73%まで進んでいますが、先ほど説明した通り税金の影響が大きいため、私は営業利益約60.7%の方を重視します。

中間期で通期営業利益計画の6割を超えているので、業績進捗としては強いと判断します。

下期営業利益に必要なのは約5.27億円

通期営業利益予想は13億4000万円です。

中間期ですでに8億1300万円を計上しています。

したがって下期に必要なのは約5億2700万円です。

上期実績よりかなり少ない利益で会社計画を達成できます。

もちろん下期には新規出店費用や原材料費、人件費などが増える可能性があります。

それでも現在の進捗だけを見れば、会社計画に対して十分な余裕があります。

キャピタルゲイン目的では、次回決算でも60%超の高進捗が維持され、通期上振れ期待が高まるかに注目したいです。

財務はピソラ買収で完全に別の会社になった

中間期末の総資産は253億4400万円となり、前期末96億8600万円から約2.6倍へ増加しました。

純資産も41億1900万円から73億9200万円へ増加しています。

一方、自己資本比率は42.3%から29.1%へ低下しました。

これはピソラ買収の影響です。

のれんが約85.6億円、有形固定資産も約49億円増加しています。

つまりユニシアホールディングスはM&Aによって、

資産規模も負債規模も一気に拡大した

状態です。

ここは以前の串カツ田中ホールディングスとは財務の見方を変える必要があります。

借入金は約122億円まで増加

1年内返済予定の長期借入金は21億9073万円。

長期借入金は100億2201万円です。

合計すると約122億1300万円となります。

前期末は1年内返済予定分約6億2500万円、長期借入金約12億300万円でした。

つまり借入負担は大幅に増えています。

一方、現金及び預金は38億8400万円です。

買収によって会社の成長力は増しましたが、同時に財務レバレッジもかなり高くなりました。

私は今回の財務評価を★★☆☆☆としました。

倒産懸念を示す数字という意味ではありません。

しかし今後は営業利益成長と同じくらい、

借入金をどのペースで減らせるか

を見る必要があります。

支払利息の増加はすでに数字へ出ている

先ほど触れた通り、支払利息は約1080万円から約1億460万円へ増加しました。

半年だけで約1億円です。

借入金が増えた以上、今後も営業利益と経常利益の間には一定の差が出ます。

したがって今後ピソラの営業利益が増えても、その一部は金融費用に消えます。

M&Aが成功したかを見る場合には、

売上成長

営業利益成長

だけではなく、

経常利益まできちんと増えているか

を見る必要があります。

営業CFは10.97億円で良好

営業活動によるキャッシュ・フローは10億9717万円のプラスとなりました。

前年同期の7億1968万円から増えています。

税引前利益7億4509万円に加えて、減価償却費5億25万円、のれん償却額2億9517万円などがキャッシュを押し上げています。

利益が増えただけでなく、本業から現金を生み出している点はプラスです。

営業CFという意味では今回かなり良いです。

投資CF95億円の赤字はほぼピソラ買収

一方、投資活動によるキャッシュ・フローは95億1870万円のマイナスです。

非常に大きいですが、中身を見る必要があります。

ピソラ取得に伴う子会社株式取得の支出が84億1726万円あります。

さらに有形固定資産取得が10億5741万円です。

つまり投資CFの大幅赤字の大部分はM&Aです。

通常の営業で毎半年95億円を使っているわけではありません。

したがって私はCFそのものを極端に悪いとは評価しません。

しかし買収資金を借入で賄っていますので、今後はピソラが営業CFを増やし、その借入返済原資になることが重要です。

財務CFは88.3億円のプラス

財務活動によるキャッシュ・フローは88億3044万円のプラスです。

長期借入れによる収入71億540万円、増資による収入30億400万円などがありました。

M&Aに必要な資金を借入と増資によって調達したことが分かります。

結果として現金及び現金同等物は期首34億4100万円から38億5000万円へ約4億円増えています。

現金残高は維持していますが、その背景には大型の資金調達があります。

今後は外部から資金を入れ続けるのではなく、買収した事業から生まれる営業CFで借入を減らせるかが重要です。

新株発行による希薄化にも注意

ピソラ買収に伴って第三者割当増資も実施しています。

発行済株式数は前期末942万8280株から1106万1399株へ増加しています。

第三者割当により163万3119株が新たに発行されています。

したがって今後は会社全体の純利益だけではなく、1株当たり利益も見る必要があります。

M&Aによって利益が30%増えても、株式数が大きく増えれば1株当たり利益の伸びはそれより小さくなります。

キャピタルゲインを考えるうえでは非常に重要です。

配当予想は未定

2025年11月期の年間配当は15円でした。

2026年11月期については中間配当0円で、期末を含む年間配当予想は現時点で未定です。

買収によって借入金が大きく増えているため、今後の資金配分には注意が必要です。

一方で株主優待制度は存在し、今回から株主優待引当金も計上しています。

したがって株主還元を完全にやめたという内容ではありません。

ただ、今回の資料だけでは今期の具体的な年間配当額は分かりませんので、数字を推測することはしません。

さらに5億円を新規出店用に借入

決算期末後の2026年6月30日には、みずほ銀行から5億円を追加借入しています。

借入期間は5年間で、資金使途は2026年11月期の直営店新規出店の設備投資です。

ピソラ買収だけではなく、今後も出店拡大を継続する方針です。

成長投資としては前向きですが、すでに借入金が大きいだけに、私は出店数そのものより投資回収を重視します。

新店をたくさん出して売上を増やすだけではなく、各店舗が利益を生み、借入金を減らせる状態になるかが重要です。

今回の決算で最も評価したいポイント

一つ目は串カツ田中です。

売上19.4%増、営業利益29.0%増、営業利益率も約14.1%へ改善しました。

二つ目はEBITDAです。

82.0%増と非常に強く、M&A後のキャッシュベースの収益力が拡大しています。

三つ目はピソラです。

売上は計画比102.0%、のれん償却前営業利益は計画比107.8%と、少なくとも現時点では買収時の計画を上回っています。

四つ目は営業利益進捗率です。

通期予想に対して約60.7%まで進んでいます。

五つ目は営業CFです。

10億円を超えるプラスを確保しています。

この5点を考えると、業績面ではかなり評価できる決算です。

一方で気になるポイント

一つ目は営業利益率です。

前年約6.6%から約4.6%へ低下しました。

二つ目は財務です。

借入金は約122億円まで増え、自己資本比率は29.1%まで低下しています。

三つ目はのれんです。

ピソラ関連だけで約85.6億円あり、純資産を上回る規模です。

四つ目は経常利益です。

営業利益20.2%増に対して経常利益は6.4%増にとどまりました。

支払利息が大きく増えているためです。

五つ目は国内その他と内装工事です。

新規業態はまだ赤字、内装工事は大幅減益です。

六つ目は配当です。

今期予想がまだ未定です。

キャピタルゲインという視点ではどう見るか

キャピタルゲイン目的では、今回のユニシアホールディングスはかなり面白い決算です。

最大の理由は、

串カツ田中の既存事業成長とピソラによるM&A成長が同時に起きている

ことです。

既存の串カツ田中だけでも営業利益29%増。

そこへ年間売上100億円規模も視野に入るピソラが加わっています。

一方で現在は、のれん償却と借入金利負担によって連結利益率が低下しています。

つまり今後の株価評価を変える最大の条件は、

売上成長ではなく利益率改善

だと考えます。

売上高364億円を達成するだけでは足りません。

営業利益率が4%台から5%、6%と再び上がってくれば、売上規模拡大と利益率改善が同時に起こります。

これはキャピタルゲインを狙ううえで非常に強い形です。

私ならどう売買するか

すでにユニシアホールディングスを保有しているなら、私は今回の決算では売却しません。

営業利益20.2%増だけを見るとそれほど派手ではありませんが、中身は悪くありません。

主力の串カツ田中は営業利益29%増。

ピソラも計画以上。

EBITDAは82%増。

営業利益進捗率は60%超です。

少なくとも次の決算まで確認したい内容です。

一方、新規買いなら一括では入りません。

財務負担が以前とは大きく違うからです。

まず一部を買い、第3四半期でピソラののれん償却前利益が伸びていること、串カツ田中の二桁成長が続いていること、連結営業利益率が改善方向へ向かっていることを確認できれば追加します。

特に営業利益率が4%台から5%台へ上がる兆候が出れば、私は買い評価を一段上げます。

次の決算で見るポイント

最優先は連結営業利益率です。

今回約4.6%です。

売上規模が拡大する中で5%台へ回復するかを見ます。

二つ目は串カツ田中です。

今回売上19.4%増、営業利益29.0%増でした。

この高成長を維持できるかが重要です。

三つ目はピソラです。

営業利益9600万円ではなく、のれん償却前営業利益3億9100万円からどれだけ伸びるかを見ます。

四つ目は全社費用です。

セグメント調整額がマイナス6億7700万円まで増えています。

会社規模拡大に伴う本社コストを抑制できるかが重要です。

五つ目は支払利息です。

借入増加によって経常利益が抑えられているため、営業利益と経常利益の差を確認します。

六つ目は借入金です。

営業CFを使って借入残高が減り始めるかを見ます。

七つ目は国内その他です。

新業態の赤字が縮小するかを確認します。

八つ目は内装工事です。

会社が説明する下期受注の売上反映が本当に数字へ出るかを見ます。

そして最後は通期営業利益13億4000万円です。

中間期で60.7%まで進んでいるため、上方修正余地が意識できる状態を維持できるかに注目します。

売却を考える条件

私が売却を考える一つ目の条件は、串カツ田中が減収減益へ転じた場合です。

現在の利益基盤は依然として串カツ田中です。

ここが崩れるとM&A成長だけに依存することになります。

二つ目はピソラです。

のれん償却前営業利益が低下し、買収時に期待した収益性が出なくなる場合は警戒します。

三つ目は営業利益率です。

売上高が増えているのに4%台からさらに低下する場合は、規模拡大が利益成長へつながっていないと判断します。

四つ目は借入金です。

営業CFを出しているにもかかわらず借入金が増え続ける場合は注意します。

五つ目は経常利益です。

営業利益は増えるのに利息負担によって経常利益が伸びない状態が長期化する場合、M&Aの財務効率を再評価します。

六つ目はのれんです。

ピソラの収益悪化によって減損リスクが現実味を帯びるようなら、保有比率を下げます。

逆に串カツ田中の成長、ピソラの利益拡大、営業利益率改善、借入金減少が同時に進むなら、私は簡単には売却しません。

今回の私の結論

今回のユニシアホールディングスの2026年11月期第2四半期決算は、かなり良い部分と、M&A後ならではの注意点がはっきりした決算です。

売上高は73.4%増の178億5900万円。

EBITDAは82.0%増の16億800万円。

営業利益は20.2%増の8億1300万円です。

一方、純利益は40%減っています。

しかし純利益減少の主因は本業悪化ではありません。

税引前利益は前年より増えていますが、前年の税負担が非常に小さかった反動で、今期の法人税等が大幅に増えたことが最終利益を押し下げています。

事業別では主力の串カツ田中が非常に強く、売上19.4%増、営業利益29.0%増です。

新しく連結したピソラも売上63億4600万円、のれん償却前営業利益3億9100万円で会社計画を上回っています。

したがってM&Aだけで売上を増やした決算ではありません。

一方で営業利益率は約6.6%から約4.6%へ低下しています。

ピソラ買収に伴うのれん償却、全社費用、借入金利息などが利益を圧迫しています。

さらにピソラ買収によって約85.6億円ののれんを抱え、借入金も約122億円まで増加しました。

自己資本比率は29.1%です。

ここは明確なリスクです。

それでも営業CFは10億9700万円のプラス。

通期営業利益13億4000万円に対する進捗率も約60.7%です。

したがって私は今回を、

「M&Aで売上だけを膨らませた決算ではなく、本業も好調。ただし次は利益率と財務改善を証明する段階」

と評価します。

私なら、

保有は継続。

新規買いは押し目で分割。

第3四半期で営業利益率改善とピソラの利益成長を確認できれば追加買い。

という判断です。

今回の総合評価は**★★★★☆**です。

売上成長、EBITDA、串カツ田中、営業利益進捗はかなり強いです。

ただし★★★★★にはしません。

理由は、

営業利益率の低下

約122億円の借入金

純資産を上回る規模ののれん

支払利息増加

です。

キャピタルゲインを考えるうえで次の焦点は「売上高400億円に近づけるか」だけではありません。

ピソラを取り込んだ大きなユニシアホールディングスが、営業利益率を再び6%方向へ引き上げられるのか。

ここが確認できれば、M&Aによる単純な規模拡大から、

「売上成長+利益率改善」の利益成長フェーズ

へ移行する可能性があります。

そこまで進めば、私は現在よりさらに強気に評価したい銘柄です。

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