今回の決算は、売上高+13.7%、営業利益+48.5%、経常利益+50.8%と、かなり強い内容です。特に注目したいのはロボット・オートメーション事業で、売上高23.9%増に対して営業利益54.1%増と利益成長が加速しています。
私の第一印象としては、「かなり良い決算。ただし、通期予想据え置きと株式数の増加は確認しておきたい」という評価です。
今回の決算を5段階で評価
| 評価項目 | 星評価 | 私の見方 |
|---|---|---|
| 売上高 | ★★★★☆ | +13.7%と二桁成長 |
| 営業利益 | ★★★★★ | +48.5%。売上以上に利益が伸びた |
| 経常利益 | ★★★★★ | +50.8%と非常に強い |
| 純利益 | ★★★★☆ | +10.6%。営業・経常利益ほどは伸びていない |
| IoT・ペイメント | ★★★★☆ | 売上+8.3%、利益+14.0%で堅調 |
| ロボット・オートメーション | ★★★★★ | 売上+23.9%、利益+54.1%。今回の主役 |
| キャッシュフロー | ★★★★★ | 営業CFが4.91億円→14.98億円 |
| 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率66.1%、借入金も減少 |
| 通期進捗 | ★★★★★ | 営業利益進捗58.2%、経常利益57.7% |
| 株主還元 | ★★★☆☆ | 年10円配当据え置き |
| 総合評価 | ★★★★★ | 利益成長・進捗・CFとも強い |
総合評価:★★★★★(4.6 / 5)
現時点での売買判断
保有:★★★★★ → 継続保有
新規買い:★★★★☆ → 買い候補。ただし決算後の急騰は追わない
売却:★★☆☆☆ → 今回の決算内容だけなら売る理由は乏しい
私なら今回の決算を見て保有株を売ることは考えません。むしろ株価が決算内容ほど評価されない場合には、買い増し候補として見ます。
売上13.7%増に対して営業利益48.5%増
まず全体の数字です。
| 2026年中間期 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 75.16億円 | 66.08億円 | +13.7% |
| 営業利益 | 5.82億円 | 3.92億円 | +48.5% |
| 経常利益 | 5.77億円 | 3.83億円 | +50.8% |
| 純利益 | 3.65億円 | 3.30億円 | +10.6% |
| EPS | 11.53円 | 10.91円 | ― |
私が一番評価するのは、売上高が13.7%増えたこと以上に、営業利益が48.5%増えていることです。
売上高は約9.1億円増加しましたが、営業利益は約1.9億円増加しています。売上総利益も20.13億円から21.64億円へ増加する一方、販管費は16.21億円から15.81億円へ減少しました。その結果、営業利益が3.92億円から5.82億円まで増えています。
単純な売上拡大だけではなく、利益を残せる体質になってきているところが今回のポイントです。
営業利益率も大きく改善
営業利益率を計算すると、前年同期は約5.9%でしたが、今回は約7.7%です。約1.8ポイント改善しています。
これはかなり良い変化です。小型成長企業を見る場合、売上成長率だけではなく「売上が増えたときに利益がどれだけ増えるか」が重要です。FIGは今回、売上+13.7%に対して営業利益+48.5%なので、利益成長のフェーズに入りつつあるように見えます。
純利益+10.6%が少し物足りなく見える理由
営業利益+48.5%、経常利益+50.8%なのに、純利益は+10.6%しか増えていません。一見すると少し気になります。
ただし、前年同期には関係会社株式売却益1.14億円という特別利益がありました。今回はこの特別利益がありません。それでも純利益は3.30億円から3.65億円へ増えています。
つまり今回の純利益+10.6%は、むしろ内容として悪くありません。前年の一時的な利益を除けば、本業の改善は数字以上に強いと私は見ます。
IoT・ペイメントは安定成長
FIGの一つ目の柱であるIoT・ペイメント事業は、外部顧客向け売上高が46.55億円で前年同期比8.3%増、営業利益が8.31億円で14.0%増となりました。
公共交通向けIoTサービスが堅調に推移し、ペイメントサービスもパートナーとの連携によって市場拡大を進めています。一方、ホテルマルチメディアシステムは引き続き厳しい状況と会社自身が説明しています。
ここは爆発的な成長ではありませんが、FIGの安定収益源として十分良い内容です。
今回の主役はロボット・オートメーション
私が今回最も注目するのはこちらです。ロボット・オートメーション事業は、売上高28.61億円で+23.9%、営業利益2.97億円で+54.1%となりました。
前年同期は売上23.10億円、利益1.93億円でしたから、売上が約5.5億円増える中で利益は約1億円増えています。
売上より利益の伸びがかなり大きい。これは非常に良いです。
しかも会社は、先端半導体工程向けに台湾企業と連携した自動化ソリューションを推進しており、そこで得た技術やノウハウを他案件へ横展開しています。
FIGを単なるIoT企業として見るより、今後はロボット・自動化関連の成長株として見たほうが面白くなってきています。
先端半導体×自動化というテーマ性もある
特に「先端半導体工程」という言葉は気になります。半導体そのものを製造する会社ではありませんが、半導体製造工程の自動化需要を取り込めるなら成長余地があります。
さらにFIGは、ドローン・ロボット制御システム事業をREALIZEに集約し、従来の「マシーン」を「ロボット・オートメーション」に変更しています。会社としてもこの分野を一つの成長軸として整理し直していることが分かります。
私はここを今後のFIGを見るうえで最重要ポイントにしたいです。
通期予想に対する進捗もかなり良い
会社の2026年12月期通期予想は、売上高140億円、営業利益10億円、経常利益10億円、純利益6.8億円です。会社は今回、この予想を変更していません。
中間期時点の進捗率を計算すると、売上高は53.7%、営業利益は58.2%、経常利益は57.7%、純利益は53.7%です。
すべて50%を超えています。特に営業利益と経常利益は58%前後まで進んでいるので、数字だけを見ればかなり順調です。
上方修正がなかったのは悪材料か
今回、会社は通期予想を据え置きました。これを「上方修正なしだから弱い」と見る必要はないと思います。
中間期で営業利益進捗58.2%なら、単純計算では計画を上回っています。ただしFIGの下期の受注・納品タイミングやコストをこの短信だけから断定することはできません。
したがって現段階では、「上方修正期待は持てるが、まだ上方修正を織り込む段階ではない」くらいが妥当です。
3Qで営業利益進捗が75%を大きく超えてくるようなら、上方修正期待はさらに高まります。
営業キャッシュフローが非常に良い
今回、利益以上に私が評価したい数字があります。営業キャッシュフローです。
前年同期は4.91億円のプラスでしたが、今回は14.98億円のプラス。約3倍になっています。投資CFは▲2.32億円なので、単純な営業CF-投資CFでは約12.7億円のプラスです。
会計上だけ利益が増えているのではなく、実際に現金が入ってきているのはかなり良いです。
その結果、現金及び預金も前期末18.89億円から35.18億円まで増えました。
借金もかなり減っている
一方で短期借入金は4.23億円から0.12億円、1年以内返済予定の長期借入金は12.16億円から9.61億円、長期借入金は16.63億円から11.92億円へ減っています。転換社債型新株予約権付社債5億円もゼロになりました。
つまり現金が増えながら有利子負債が減っています。財務面だけを見ると、かなり改善しています。
自己資本比率も前期末の55.8%から66.1%へ上昇しました。
ただし、ここには注意点がある
財務改善をすべて本業で稼いだ結果と考えるのは違います。
新株予約権の行使による株式発行で18.07億円の資金流入がありました。さらに転換社債や新株予約権の権利行使などによって資本金・資本剰余金が大きく増えています。
そのため、現金増加と自己資本比率上昇には増資要因もかなり含まれています。
ここは今回の決算で最も注意しておきたいところです。
発行済株式数の増加はチェックが必要
発行済株式数は前期末の約3,159万株から、今回約3,517万株まで増えています。一方で自己株式は約122万株から約1.4万株まで減少しています。
つまり事業が成長して企業全体の利益が増えても、株式数が増えれば1株あたり利益の成長が薄まる可能性があります。
実際、純利益は+10.6%ですが、EPSは10.91円から11.53円への増加にとどまっています。ここはFIGを中長期で保有するなら必ず確認したいポイントです。
年間配当は10円据え置き
配当は中間0円、期末10円で、年間10円の予想です。前期も10円なので据え置きです。
利益がかなり伸びているので増配が欲しいところですが、今のFIGは配当成長株として買う銘柄ではないと思います。
むしろ利益を成長投資へ回して、ロボット・オートメーション事業を伸ばせるかどうかのほうが重要です。
この決算の良いところと悪いところ
今回の良いところは非常に明確です。売上が二桁成長し、それ以上に営業利益と経常利益が伸び、両セグメントとも増収増益です。さらにロボット・オートメーションは利益54%増、営業CFも大幅に改善しています。
一方で気になるのは、通期予想を据え置いたこと、発行済株式数が増えていること、配当が据え置きであることです。
ただし、これらを差し引いても私はプラスのほうがかなり大きいと評価します。
今回の決算で私が一番重視する数字
私なら「営業利益+48.5%」以上に、ロボット・オートメーション営業利益+54.1%を重視します。
IoT・ペイメントはすでに46.55億円の売上があります。ここが安定的に稼ぎながら、もう一方のロボット・オートメーションが20~30%台の売上成長を続け、利益がそれ以上に伸びるのであれば、FIG全体の利益成長率はかなり高くなる可能性があります。
つまりFIGの株価が今後もう一段評価されるためには、ロボット・オートメーションが本当に第二の成長エンジンになるかが重要だと思います。
私ならどう売買するか
すでに保有しているなら、今回の決算で売却する理由はありません。継続保有です。
むしろ決算後に材料出尽くしなどで株価が下がっても、営業利益+48.5%、ロボット・オートメーション利益+54.1%という事業内容が崩れていないのであれば、私は売るより押し目買いを検討する側です。
ただし、新規で決算直後の急騰を追いかけるのは別です。FIGは大型株ではありませんので、好決算を材料に短期資金が集中すると株価が業績以上に先行する可能性があります。その場合は一度待ちます。
3Qで確認したいこと
次の3Qで私が確認するのは、第一にロボット・オートメーションの20%超の売上成長が続いているか、第二に営業利益率の改善が続いているか、第三に通期営業利益10億円に対する進捗率です。
そしてもう一つ、発行済株式数も確認します。利益成長が続いても希薄化が続くなら、企業利益ほどEPSが伸びないからです。
逆に、株式数の増加が落ち着き、営業利益が上方修正される展開になれば、評価をさらに一段上げたいです。
私が売却を考える条件
私がFIGの売却を考えるのは、ロボット・オートメーションの成長率が急低下する、営業利益率が再び悪化する、通期営業利益10億円の達成が怪しくなる、あるいは株式の希薄化が利益成長を上回るような状態になった場合です。
特に重要なのは、ロボット・オートメーションの成長失速だと思います。今回の決算でFIGの成長期待を高めている最大の材料だからです。
今回の私の結論
FIGの2026年12月期第2四半期決算は、かなり良い決算だと評価します。
売上高は75.16億円で**+13.7%、営業利益は5.82億円で+48.5%、経常利益は5.77億円で+50.8%**。しかも前年には1.14億円の関係会社株式売却益があったにもかかわらず、純利益も+10.6%を確保しました。
特に注目したいロボット・オートメーションは、売上高+23.9%、営業利益+54.1%。先端半導体工程向け自動化ソリューションを進めている点も、中小型成長株として面白い材料です。
さらに営業CFは4.91億円から14.98億円へ増加し、営業利益の通期進捗率も58.2%。業績の中身はかなり良好です。
ただし、私は発行済株式数の増加だけは軽視しません。新株予約権などの行使による資金調達で財務は大幅に強くなりましたが、その反面として1株価値の希薄化があります。ここは今後も継続してチェックします。
したがって総合評価は、
★★★★★(4.6 / 5)
とします。
現時点での私の判断は、保有なら継続保有、新規なら買い候補。ただし決算後に急騰したところは追わず、押し目を狙うです。
今回のFIGで一番重要なのは「営業利益48.5%増」だけではありません。これまでのIoTを軸とした会社から、ロボット・オートメーションという第二の成長エンジンを持つ会社へ変わり始めているのか。
私はそこに注目します。
次の3Qでもロボット・オートメーションが20%超の増収と高い利益成長を維持し、通期営業利益10億円の上方修正が見えてくるようなら、FIGに対する評価はもう一段上げてもよいと思います。
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