少額投資を始めた当初、私は「とにかく株を持つこと」に満足していました。配当が年に数百円でも入ればうれしくて、優待で割引券がもらえるだけでも“得した気分”になっていたのです。
でも、半年、1年と実際に取引を続けていくうちに、だんだんと自分の考えが変わってきました。
特に感じたのは、「次の投資」に進むための資金が、なかなか生まれてこないという現実です。
少額投資では“増やす力”がないと詰まる
投資の世界では「守り」も大事ですが、こと“少額”においては、まずは“増やす力”が圧倒的に必要です。
たとえば10万円を元手にスタートして、年間で配当利回り3%の株を買ったとします。1年で得られる配当は税引後で2,000円ちょっと。それがどんなにありがたいものであっても、「次の10万円」は生まれてきません。
もちろん、コツコツ再投資すれば複利効果はある。ただ、実感が持てるようになるには10年、20年といったスパンが必要になります。
“今後の投資”に繋がるキャッシュが出てこない
私が痛感したのは、「このままじゃ何年経っても種銭が増えない」ということでした。
だからこそ、少額投資ではキャピタルゲイン、つまり値上がり益を積極的に狙っていくしかないと思うようになりました。
値上がり益が出れば、それを元手に次の株を買うことができます。うまくいけば、数ヶ月で「追加の10万円」を作ることだって現実的に見えてきます。
逆に、値上がりしない株ばかりを持っていたら、いくら配当や優待があっても、手元にキャッシュは増えません。動きが止まってしまうんですよね。
配当金や優待は“副産物”と捉える
もちろん、配当金や優待が悪いと言いたいわけではありません。実際、一定の魅力はありますし、長期保有のモチベーションにもなります。
ただ、あくまで“副産物”と考えるようにしました。
少額投資において優先すべきは、「株価が上がるかどうか」だと思っています。配当利回りや優待内容が魅力的であっても、株価が右肩下がりなら、最終的にはトータルでマイナスです。
「配当・優待狙いが買いを呼び、株価が上がる」には注目している
とはいえ、ここでひとつ見逃してはいけないのが、配当や優待が“株価上昇の材料”になるケースです。
世の中には「配当利回り4%超」や「豪華優待銘柄」が話題になり、それをきっかけに買いが集まって株価が上がることがあります。
私は、そういう“動き”には注目しています。たとえば権利確定日前後の値動き。狙って入るのは難しくても、値上がりのきっかけとしては充分に利用価値があると思っています。
長期で安定を目指すのは“増えた後”でも遅くない
最初の資金が少ないうちは、とにかくフットワークを軽く、チャンスを取りにいくスタンスが必要だと感じています。
安定配当の高配当株を買ってじっくり持つのは、ある程度資産が育ってからでも遅くはありません。
まずは「増やす」こと。キャピタルゲインを重ねて、投資の選択肢を広げていく。少額投資をしているからこそ、そういう視点を意識していくようになりました。
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